【ピアノ】手の不安との潔い向き合い方
► はじめに
ピアノを演奏する方にとって、手の不調や痛み、それによる将来への不安は深刻な問題です。しかし、適切な対処法を知ることで、これらの不安と上手に付き合いながら音楽を続けることができます。
本記事では、筆者の実体験を交えながら、手の不安に対する建設的なアプローチを紹介します。
► 不安と向き合う5つの視点:実体験より
‣ 1. 音楽家専門外来を受診する:最初の一手で気持ちを穏やかにする
最も効果的な方法は、解決に向けた具体的なアクションを起こしておくことです。
問題を放置するから我々の頭は不安でいっぱいになるのであって、小さなアクションにより「問題解決に向かっている」と実感できれば、一旦頭から離すことができます。音楽家専門外来への予約を取るだけでも、気持ちが大きく落ち着くことを筆者は実体験しています。
専門医は以下のような観点から診察してくれました:
・演奏による身体への負荷の評価
・適切な練習方法のアドバイス
・必要に応じた治療やリハビリテーション
・心理的なサポートや不安軽減のための相談
‣ 2. 制約を活かしたレパートリー開拓
右手の調子が良くないときは「左手のみで演奏するピアノ曲」に取り組んでみるのもいいでしょう。筆者自身も経験しました。また、数は少ないのですが、右手のみで演奏する楽曲もあります。
このように、手の不調を前向きに捉えて、その時間を制約を活かしたレパートリー開拓や普段取り組む機会の少ない作品の学習に充てることで、音楽的視野の拡大や新たな知識を得る機会にもなるでしょう。
推奨記事:【ピアノ】左手のみで演奏するピアノ曲:魅力と実践の入門ガイド
‣ 3. 編曲技術の習得:オーダーメイドの音楽作り
編曲技術を身につければ、自分の体格や手の状態に合わせて楽曲をアレンジできます。これは、ピアノ学習者にとって大きなアドバンテージです。
編曲は決して難しいことばかりではありません。以下のリンクより基本的な学習から始めて、徐々にスキルアップしていきましょう。
推奨記事:「作曲・編曲テクニック」カテゴリー
‣ 4. 練習方法の見直し:安全で効果的な練習を
安全な練習のための重要ポイント:
・45-50分ごとに短い休憩を入れる(推奨記事:【ピアノ】日々の練習時間の管理を最適化する6つの方法)
・正しい姿勢を保つ(推奨記事:【ピアノ】初心者必見の演奏姿勢改善ガイド)
・椅子の高さなど演奏環境を最適化する(推奨記事:【ピアノ】初心者必見の座り方改善ガイド)
・力の入れ過ぎに注意する(推奨記事:【ピアノ】演奏における脱力:知識と実践テクニック)
‣ 5. take your time(ゆっくりやりな)を徹底する
「take your time」は直訳すれば「ゆっくりやりな」ですが、実際にはもっと深い意味を持ちます:
・「自分のペースで進めていいよ」
・「焦らず、自分の音楽を大切に育てよう」
つまり「やることはやりつつ、楽しみながら進めよう」というやさしい呪文でもあるのです。これは練習方法だけでなく、手の不安との向き合い方においても同様に重要な考え方です。
詳しくは、以下の記事を参考にしてください:
・【ピアノ】take your time(ゆっくりやりな)を受け止める勇気の持ち方
・【ピアノ】100%完璧に出来ないと「出来ません」になってしまうのは無駄な完璧主義
► 終わりに
手の不安は「今すぐになくす」のではなく「上手に付き合う」ことが賢明です。「弾けない=音楽ができない」ではありません。本記事で紹介した内容はもちろん、楽譜を読む、他人の演奏を聴く、音楽理論を学ぶなど、手を使わずにできる音楽学習も豊富にあります。
大切なのは、制約を「新しい可能性を見つける機会」として前向きに捉えることです。
推奨記事:【ピアノ】手の痛みや違和感が出た時の対処法と予防策
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