■バッハ=ブラームス「シャコンヌ」難易度 他解説
♬ ごく簡潔な楽曲解説
バッハの「無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番」
の終曲として置かれている「シャコンヌ」は
さまざまな編曲が発表されています。
その中で有名なものの一つが、
バッハ=ブラームス「シャコンヌ」です。
「右手を痛めたクララ・シューマンのために編曲した」
とされる説が強く(他にも諸説あります。)、
「右手を負傷された方のレパートリー」
としてはもちろん、
「左手の練習をしたい方が取り組むエチュード」
「両手で演奏するピアニストのレパートリー」
などとしても
注目を浴びています。
♬ 編曲の特徴
バッハ=ブラームス「シャコンヌ」は
「ピアノで演奏することを考慮した変更点」などはありますが
基本的には
「原曲のヴァイオリン曲をベースにした音符配置」
となっています。
「編曲者による独創的な変更は少ない」
ということ。
両手で演奏するためのピアノ編曲である
バッハ=ブゾーニ「シャコンヌ」
などと比較すると
非常に均整がとれています。
というのも、
バッハ=ブゾーニ「シャコンヌ」では
どの版であるかに関わらず、
◉ アーティキュレーションの不統一
などが目立つからです。
つまり、
編集者ではなく編曲者自身の不注意です。
また、
実際に演奏してみるとわかるのですが、
バッハ=ブラームス「シャコンヌ」では
左手という手の形(親指の位置)を考慮して
和音の配置が組まれていたりなど、
「演奏面での工夫が多くされている」
という点もポイントです。
♬ 演奏難易度
難易度としては
「ツェルニー40番の中盤あたり」
から挑戦できるレベル。
左手のみで演奏する楽曲に
一度も取り組んだことがない方にとっては
難易度はより高く感じるはずです。
一方、
この楽曲に限らず、
シャコンヌという舞曲は「一種の変奏曲」ですので、
音楽的かどうかはさておき
抜粋演奏することが容易です。
もしどうしても弾けない変奏部分がある場合は
部分省略して挑戦してみるのはアリでしょう。
♬ オススメ使用楽譜
オススメは「ヘンレ版」です。
◉ バッハ, J.S./ブラームス: パルティータ 第2番 ニ短調 BWV 1004 より シャコンヌ
原曲をていねいに学んでいきたい方に向いています。
(筆者は、ペータースの原典版も併用しています。)
一方、
ヘンレ版のバッハ=ブラームス「シャコンヌ」は
「運指」については最小限しか書かれていません。
「ブラームス自身による運指」は、斜体として区別されています。
そこで、
舘野泉さんが編集された
以下の楽譜を使用するのも一案。
◉ 舘野泉 左手のピアノシリーズ 左手のためのピアノ作品集 (舘野泉左手のピアノ・シリーズ)
この楽譜では
ていねいな編集が魅力的なだけでなく
スペースに余裕を持ってレイアウト配置されているので、
ページ数がかさんでいる一方で
非常に読譜しやすいのが特徴です。
「左手のみで演奏するピアノ曲」については
以前に記事を書いていますので、
あわせてご覧ください。
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