【ピアノ】発表会で映える知られざる珠玉のピアノ曲 3選:中〜上級者向け
► はじめに
定番曲も素晴らしいですが、時にはちょっとマイナーな楽曲に取り組んでみませんか?
本記事では、発表会で演奏すると必ず注目を集める、知る人ぞ知る珠玉の3曲を紹介します。演奏難易度は、ツェルニー30番を学習中の方から上級者まで、幅広い層の方にとって楽しめる作品をチョイスしました。
► 珠玉の3曲
‣ グリーグ「抒情小品集 より 家路 Op.62-6」
演奏時間:2分半〜3分程度
難易度の目安:ツェルニー30番修了程度
譜例(PD作品、Finaleで作成)
北欧を代表する作曲家グリーグの手による小品です。
「急-緩-急」の形式で書かれ、中間部には美しいカンタービレを含んでいます。その後、勢いよく楽曲を締めくくる展開は、発表会での演奏効果を計算したかのような構成。コンパクトな曲尺ながら聴きごたえがあり、アンコールピースとしても最適です。
北欧らしい澄んだ響きと叙情性を備えた作品でありながら、ピアノ学習者の間ではあまり取り上げられていないのが不思議なほど。
・グリーグピアノ名曲集(2) 全音楽譜出版社
‣ デュラン「ワルツ」
演奏時間:4分〜5分程度
難易度の目安:ツェルニー30番修了程度
全音ピアノピースでもお馴染みの一曲です。
手の動きは非常になじみやすく、技術的なハードルも比較的低めですが、その分だけ音楽表現の可能性が広がります。同じ難易度帯の楽曲と比べても、華やかさという点で一歩抜きん出ています。
優雅なワルツの流れに乗って、表現力を存分に発揮できる作品といえるでしょう。
・全音ピアノピースー099 デュラン「ワルツ」 全音楽譜出版社
‣ ヤナーチェク「ピアノ・ソナタ 1905年10月1日 第1楽章」
演奏時間:6分程度
難易度の目安:上級(全音ピアノピースのE級程度)
20世紀初頭のチェコで起きた実際の出来事—ブルノ工科大学でのチェコ人学生の射殺事件—をモチーフにした異色の作品。作曲者ヤナーチェクは、この事件を目撃したとされています。
重厚で暗い雰囲気を持つ作品ですが、その芸術的深みと劇的な表現は、発表会の場で聴衆の心を揺さぶることでしょう。
チェコ音楽特有の叙情性と激しさが同居する本作は、レパートリーに新しい色彩を加えたい方にもおすすめです。
・ヤナーチェク ピアノ作品集 全音楽譜出版社
► 終わりに
これらの作品は、いずれも作曲家たちが思いを込めて書き上げた珠玉の小品です。メジャーな作品に挑戦するのもいいですが、時には、これらのようなややマイナーな作品にも挑戦してみましょう。
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