「変奏曲(バリエーション)」には
さまざまなタイプがありますが、
一般的なものは
「主題と変奏」からなっており
各変奏が独立しています。
演奏時間が長い作品も多いので
音楽的にひとつの作品としてまとめるためには
練習や演奏方法の工夫が必要です。
■変奏曲を音楽的に仕上げる方法 3選
♬ とにかくまずは「主題(テーマ)」を理解する
変奏曲では、
主題を「シンプルな旋律」と「シンプルな和声」にしておいて、
それをバリエーションで発展させていくことが多い。
つまり、
練習するときは
「主題」をしっかりと理解することが何よりも大切です。
逆に言うと、
この段階の勉強次第で、
他の変奏の理解度がまったく変わってきてしまいます。
先を焦らず、
主題をしっかりと音楽的に理解して、且つ、
きちんと弾けるようにしておく。
ここまでできてから先の変奏へ進みましょう。
♬ 変奏ごとのキャラクターを良く考えて
キャラクターとは、
「テンポ」や「音色」などによって表現される性格のこと。
テンポは、説明するまでもありませんね。
音色では、
例えば f(フォルテ)ひとつとっても、
◉ 少し攻撃的なのか
◉ 結構重厚的に鳴らしていくのか
などとキャラクターには幅があります。
こういったことを
変奏ごとに吟味して
適切なキャラクターを考えていきましょう。
通常の楽曲でも必要なことですが、
変奏曲の場合は特に
各変奏ごとの細かなキャラクター設定が重要。
それを怠ると、
聴衆を退屈させてしまう恐れがあります。
変奏曲というのは
変奏されているとは言えども
「繰り返しの音楽」なのですから。
♬ 変奏同士のつなぎ方
「上手な奏者は、各変奏同士のつなぎ方が上手」
これは間違いありません。
原則としては、
「各変奏同士のつなぎでは時間を取りすぎないこと」
これを踏まえましょう。
なぜかというと、
それをしてしまうと
各変奏が終わるたびに
いちいち段落感がつきすぎてしまうからです。
やや例外もあります。
例えば、
モーツァルト「ピアノソナタ第11番 K.331(トルコ行進曲付き) 第1楽章」
の「第5変奏」から「最終変奏」へいくときには
時間を長めにとる演奏が多く
慣例的な解釈と言ってもいいかもしれません。
おそらく、
◉ 最終変奏を独立したもののように扱っている
このような解釈をするピアニストが
多かったのでしょう。
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