【対話形式で学ぶ】誰でもわかる「ソナタ形式」入門編

本記事では、「ソナタ形式」の一番の基礎について、
私(岸田由美)が「Aくん(小学校高学年)」に仮想レッスンをしている想定の対話形式で解説しています。
高度な内容にはふみこみませんので、バイエル終了程度の楽譜を読めるかたでしたら、どなたでも学んでいただけます。

 

注 : 譜例で取り上げている作品は

パブリックドメインになっている作品です。

出版社が独自につけたアーティキュレーションなど

権利に関わる部分は一切表示しておりません。

譜例はFinaleで作成したものです。

 

注2 : 本記事の内容は、

《「新版 楽式論」石桁真礼生 著 音楽之友社》

の内容をもとに筆者がアレンジおよび補足を加え、

よりわかりやすくかみくだいたものとなっています。

 


 

岸田 : Aくん、今日は「ソナタ形式」について学びましょうね。曲のなりたちを知るとピアノの練習がもっと楽しくなるわよ。
Aくん : よろしくおねがいします。「ソナタ形式」ってきくとちょっとむずかしそうです。
岸田 : 大丈夫。少し変わった形の曲もあるけど、多くの曲ではおきまりがあるの。「ソナタ形式といえば、だいたいはこうくる!」みたいなね。だからまずはそれだけを知っておけばOK。
Aくん :わかりました。ところで、僕はまだソナタなんてやったことないです。
岸田 : 使う曲はクレメンティの「ソナチネ Op.36-1」。「ドーミドソッソ」っていう曲、この前やったでしょ?あのソナチネもじつはソナタ形式でできているの。たった38小節だけの曲だけど、ソナタ形式を知るのにたいせつな内容がちゃんとまとまっているんだよ。
Aくん : 覚えてます。あの曲だったら、今やっているこのソナチネアルバムにはいってますよね。
岸田 : さっそく楽譜をひらいてみよう。
(1-4小節目)
岸田 : Aくん、この曲の調はわかる?
Aくん : ハ長調ですよね。
岸田 : 正解。あとでカンタンに話すけど、ソナタ形式では調の変わっていきかたにもある程度おきまりがあるの。だから、まずは曲の調を調べることが出発点よ。
じゃあ内容にはいっていくけど、まず3つの言葉を覚えよう。
「提示部(ていじぶ)」
「展開部(てんかいぶ)」
「再現部(さいげんぶ)」
Aくん : まだ習ってない漢字があるなあ。楽譜にかいておきます。
岸田 : ソナタ形式っていうのはね、おおきく分けるとこの3つでできているの。最初に出てくるのが「提示部(ていじぶ)」。
「主題(しゅだい)」
っていう曲のたいせつなメロディとかリズムを提示するからこう呼ぶのよね。
「この曲はこんな曲ですよ」って曲のことを説明してあげているところだと思うといいよ。
ほかのことばはあとで。
(もう一度のせます)
岸田 : 「主題(しゅだい)」はだいたいの場合、「第1主題(だいいちしゅだい)」と「第2主題(だいにしゅだい)」からできていて、この1-4小節は「第1主題」。
今日はカンタンな説明だけにするから、もう次にいくよ。
Aくん : すでにちょっとむずかしいです…。
岸田 : そうね、最初はいくつかことばをおぼえる必要があるからちょっとむずかしく感じるかもしれないけど、一度覚えちゃえばずっと使えるから少しだけがんばって!
(5-7小節目)
岸田 : 5-7小節は「経過句(けいかく)」っていって、このばしょでは「第1主題と第2主題をつなげる役割」をしているの。曲によってはもっと長かったりもするよ。
Aくん : いちばん最初のメロディだ。
岸田 : そう。最初のメロディやリズムをなんどもつかってあげることで、「こういう曲なんです」っていうのを聴いている人によりわかってもらおうとしているんだよ。同じメロディを使うことでなかよしになって、音楽がスムーズにつながっていくの。
(8-11小節目)
岸田 : 8-11小節は「第2主題(だいにしゅだい)」。さっきちょっとだけ話したよね。さてAくん、ここでは転調してるけど、どの調へ行ったかわかる?
Aくん : えーっと、ファにシャープがついて、ソがよく出てくるから… 何ていうか忘れました。
岸田 : ト長調だよ。ソの音のことを「ト」っていうの。「ドレミファソラシド : ハニホヘトイロハ」って何度もいえば九九みたいにすぐおぼえられるよ。
「上属調(じょうぞくちょう)」っていうことばがあって、「第2主題は第1主題の5度上の調につくられることがおおいんだよ。…って言ってもむずかしいと思うから、今は、
「第1主題がハ長調で始まったら、第2主題はト長調にいくことがおおい」
って覚えておいて大丈夫。
Aくん : わかりました。
(12-15小節)
岸田 : 12-15小節は「コデッタ」っていう部分で、「提示部をおわらせるはたらき」をもっているの。曲によってはコデッタはない場合もあるし、もっと長い場合もあるよ。
これで、「提示部」は終わり。じつはね、ソナタ形式では提示部ででてきたメロディやリズムを何度も使ってそのあとが作られているから、ここまでわかっちゃえば、もうこわいものはないの。
…あら、宅配便かしら?ちょっとここまでをおさらいしていて。すぐ戻るから。
◉ソナタ形式では、多くの場合おきまりがあるので、やさしい作品で型を覚えておこう
◉調の変わっていきかたにもある程度おきまりがあるため、まずは曲の調を調べることが出発点
◉ソナタ形式はおおきく分けると次の3つでできている
「提示部(ていじぶ)」
「展開部(てんかいぶ)」
「再現部(さいげんぶ)」
【提示部(ていじぶ)】 → 主題を提示する
「第1主題(だいいちしゅだい)」
「経過句(けいかく)」 → 無い曲もある
「第2主題(だいにしゅだい)」
「コデッタ」 → 無い曲もある
◉第2主題は第1主題の5度上の調(上属調)につくられることがおおい
◉最初の主題の素材(メロディやリズム など)がその後でもなんどもつかわれるのが特徴。このことにより統一感がでると同時に、音楽がスムーズにつながっていく

注 : ソナタ形式の作品の中にはやや事情が異なる作品も含まれていますので、これらは「基本の型」と思って理解してください。

 


 

今回の記事はここまでです。

続きは「Amazon kindle」で出版していますので

ぜひ読んでみてください。

大人のための欲張りピアノ 【対話形式でまなぶ】誰でもわかるソナタ形式

 

本記事の内容は、

《「新版 楽式論」石桁真礼生 著 音楽之友社》

の内容をもとに筆者がアレンジおよび補足を加え、

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