【ピアノ】練習を継続させる「ハードル行動」のすすめ

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【ピアノ】練習を継続させる「ハードル行動」のすすめ

► はじめに

 

「ハードル行動」という言葉をご存知でしょうか?これは、日常生活にあえて小さな障壁を設けることで、望ましい習慣を形成したり、望ましくない行動を減らしたりする方法です。例えば、「オンラインショッピングの商品は必ずコンビニ受け取りにする」といった具合です。

今回は、このハードル行動の考え方をピアノ練習に応用する方法を見ていきましょう。

 

► なぜ、ピアノ練習にハードル行動が効果的なのか

 

ピアノ練習の最大の敵は、「今日は疲れているから」「忙しいから」という言い訳。これらの言い訳を乗り越えるために、逆説的にハードルを設けることで、実は練習が継続しやすくなる可能性もあります。

 

►「ハードル行動」の実践

‣ 具体的なハードル行動のアイデア

 

1. 練習場所にこだわる

・可能であれば、リビングではなく別室にピアノを置く
・練習前に必ず窓を開け、新鮮な空気を入れる
・専用のピアノ椅子を用意し、それ以外では座らない

これらの「手間」が、実は練習モードへの切り替えスイッチとなります。

 

2. 練習開始のルーチン化

・練習前に必ず手のストレッチをする
・履き物を演奏会用の靴に変える
・メトロノームのネジを巻き直す

一見面倒に思えるこれらの行動が、実は練習の質を高める助けとなります。

 

3. 練習記録の可視化

・毎回記録をつける
・ICレコーダーで、必ず録音する

記録をつけることで、単なる「弾く」だけの練習から、目的を持った練習へと変わっていきます。

 

· ハードル行動で得られる予想外のメリット

 

練習の質の向上:
準備に手間をかけることで、「せっかくだから」という気持ちが生まれ、より集中した練習になります。

メンタル面での効果:
ルーチン化された準備行動が、心の準備にもなり、練習へのモチベーションが高まります。

上達の実感:
記録をつけることで、小さな進歩も可視化され、モチベーション維持につながります。

 

· 始める際の注意点

 

ハードル行動を取り入れる際は、一度にたくさんの項目を導入するのではなく、まずは1つか2つから始めることをおすすめします。例えば:

・最初の1週間は「練習前の手のストレッチ」だけを習慣にする
・慣れてきたら「毎回記録をつける」を追加する

このように段階的に導入することで、継続的な習慣となりやすくなります。

 

► 終わりに:自分に合うか合わないかはやってみることで分かる

 

以前に「始められない練習の始め方」として、練習の中身に関係ない部分はあらゆる工程を省きまくることをおすすめしました。例えば:

・毎日使う楽譜は出したままにする
・メトロノームもICレコーダーも出したままにする
・蓋を閉めるのであれば、鍵盤カバーはかけない

これらは、「ハードル行動」とは逆を行く方法ですが、気が変わったわけではありません。どちらが自分に合うかは人によりけりでやってみないと分からないのです。

自身に合った方法を見つけ、より充実したピアノ練習を目指してみましょう。

 

‣ 22. 始められない練習の始め方 の記事もあわせて参考にしてください。

 


 

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この記事を書いた人
タカノユウヤ

ピアノ音楽(ピアノソロ、ピアノが編成に入った室内楽 など)に心惹かれ、早何十年。
ピアノ音楽の作曲・編曲が専門。
物書きとしては楽譜だけでなく文章も書いており、
音楽雑誌やサイトなどでピアノ関連の文筆を手がけています。
Webメディア「大人のための独学用Webピアノ教室」の運営もしています。
受賞歴として、第88回日本音楽コンクール 作曲部門 入賞 他。

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