■ 1時間で読める有益書籍「ピアノ奏法の基礎 著 : ジョセフ・レヴィーン」レビュー
♬「ピアノ奏法の基礎」とは
著者のジョセフ・レヴィーンは
ロシア出身で米国で活躍したピアニスト・音楽教師。
演奏活動はもちろん、
ピアニストである妻と一緒に
ジュリアード音楽院で多くのピアニストを育てました。
日本では今回紹介している
「ピアノ奏法の基礎」
の著作者として特に知られており、
専門家はもちろん、ピアノ愛好家からも信頼を得ている一冊となっています。
全体で66ページしかありませんが、
その中にムダのない彼の教えが詰まっています。
観念的な話は少なく、
ほとんどが個別具体的で実践的な内容。
ピアノ奏法に関して、短時間で集中した学習をすることができます。
♬ 読者の対象レベル
専門的な内容ではありますが
非常にわかりやすい語り口と譜例とを合わせて伝えてくれる一冊なので
幅広いレベルの学習者にとって参考にできるでしょう。
♬ この書籍のオススメポイント
目次は次のようになっています。
第一部
・現代のピアノ
・いい加減に教えてはならない初歩
・休止符への無関心と休止符の意義
・リズムに関する勉強
・リズムの豊かな音楽を聴くこと
第二部
・ピアニストになる基本的条件
・聴音の訓練の価値について
・理想的なタッチ(打鍵法)の要素
・自然なタッチにめぐまれた素人
第三部
・美しい音の秘密
・よくひびき、よく歌う音
・丸みのある音を出す手くびの使い方
第四部
・繊細(デリケート)な奏法
・メカニズムに関すること
・腕の力を抜いてひくこと
・自分自身への大切な質問
・力強い奏法とその意義
・自然のショック・アブソーバー(手くび)
・正確にひくことについて
第五部
・正確にひくことに関する話
・演奏を不正確にする二つの要素
・スタカートの奏法
・きれいなレガート奏法の基礎
・ちょっと止めて、聴いてください
第六部
・暗譜に関する話
・毎日の練習について
・異なる練習法をとること
・速く廻る指をつくるには
・勇壮華麗な大曲の危険
・ペダルの危険
目次をみても分かりますが、
本書はコンパクトということもあり
内容にムダがありません。
具体的かつ実践的な話が展開されていきます。
例えば、
「第二部 ピアニストになる基本的条件」
の中で紹介されている
「スケールの指使いを覚える良い方法」
という項目。
具体的練習方法が紹介されていますが
非常に有効なものであり
筆者も取り入れています。
繰り返しますが、
何と言っても本書はとにかくコンパクト。
全体で66ページしかありませんので
いったん読み通すだけでしたら
1時間程度で読めてしまいます。
このコンパクトさが、本書の大きな特徴。
実際にピアノへ向かって試してみる時間を
充分に確保することができますね。
♬ この書籍のウィークポイント
大変有益な書籍であり、ウィークポイントはありません。
ひとつの分野について徹底的に書かれているタイプの書籍ではなく、
ピアノ奏法の基礎について
ジョセフ・レヴィーンがピンポイントでアドバイスをくれているような内容。
したがって、
本書を読んだらすべてが完璧になるわけはなく、
学んだことを活かしたうえで
自分でさらに学習を進めていく姿勢は必要です。
♬ 終わりに
分厚い専門書に抵抗を感じてしまう方は
まずこの書籍から学習してみるのもいいでしょう。
多くのピアノ関係者が絶賛している一冊ですから
心配せずに手に取ってみてください。
Amazon著者ページ
https://www.amazon.co.jp/~/e/B0CCSDF4GV
X(Twitter)
https://twitter.com/notekind_piano
YouTube
https://www.youtube.com/channel/UCBeXKaDXKd3_oIdvlUi9Czg
筆者が執筆しているピアノ関連書籍に加え、
数多くの電子書籍が読み放題になるサービスです。
コメント