インヴェンションに初めて取り組む方のために
J.S.バッハ「インヴェンション第1番 BWV772」を
「全運指」付きで解説しています。
まだ楽譜をお持ちでない方は
まずは、
解釈楽譜「園田高弘 校訂版 J.S.バッハ インヴェンション」レビュー
をご覧ください。
インヴェンション入門! 第1番「全運指」公開
► インヴェンション入門に最適の楽曲
インヴェンションの中でも
第1番、第4番、第8番、第13番が入門用として多く用いられています。
特に第1番が入門に適している理由として
以下が挙げられるでしょう。
・ハ長調で書かれており、多くの学習者になじみやすい調性である
・中庸なテンポで練習しやすい
・広く知られた曲であり、イメージをつかみやすい
・対位法の技法が明確で、技術的な難所が少ない
►「全運指」の解説
この楽曲はパブリックドメインとなっています。
本記事で掲載している楽譜は
運営者がFinaleで作成したもので、
権利に関わる部分は表示しておりません。
ここでは、多くの学習者に適した運指を提案しています。
これは唯一の正解というわけではありませんが、
学習の指針としてお役立てください。
楽譜中の「’」記号は、
作曲上、少なくとも切るべき箇所を示しています。
演奏解釈によってはさらに細かい区切りも考えられますが、
これらは最低限押さえるべき箇所と考えてください。
► 具体的な練習の仕方
以下の3つのポイントは
どの番号のインヴェンションを練習する際にも応用できます。
‣ 片手づつ完璧にしてから両手で合わせる
対位法で書かれた楽曲では
各声部が独立した「線」として構成されています。
通常の「メロディと伴奏」という構造とは異なるため、
まず各パートを個別に練習することが重要。
片手での練習が十分できてから、全体のバランスを整えていきましょう。
‣ 切る8分音符は跳ねすぎないこと
J.S.バッハの作品における8分音符は、
当時の楽器の特性を考慮して
切って演奏することが慣例となっています。
ただし、音を短く切りすぎないよう注意。
「テヌートスタッカート」のような
やや保持する感覚で演奏することをおすすめします。
‣ プラルトリラーやモルデントは拍の前に出さないこと
バロック時代の作品に出てくる装飾音符は
拍の前ではなく、拍の頭から演奏を始めることが原則とされています。
装飾音は素早く、かつ明確に演奏するよう心がけましょう。
J.S.バッハ「インヴェンション第1番 BWV772」の場合は
「プラルトリラー」や「モルデント」が該当します。
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