【ピアノ】オルゴール風ピアノ曲の演奏ポイント 4選:雰囲気を出すコツを解説
► はじめに
ポピュラーピアノの楽譜には「オルゴール風アレンジ」と書かれた編曲ものがよくあり、クラシック作品にも、オルゴールをイメージさせる表現を持つ楽曲はたびたび登場します。
そういった楽曲では、作曲者・編曲者が「音の使い方」としてオルゴール風に書いていますが、演奏者も「演奏の仕方」としてその雰囲気を積極的に演出することが求められます。
本記事では、オルゴール風の楽曲をピアノで演奏する際に意識すべきポイントをまとめました。
► 4つのポイント
‣ 1. タッチの基本はノンレガート
オルゴールの雰囲気を出したい場合、タッチの基本はノンレガートです。
これは「音を切る」という意味ではありません。ダンパーペダルを使いながらも、指ではノンレガートで演奏することで「空間性のある音響」が得られます。「ペダルで音はつながっているが、レガートには聴こえない」という状態を意図的に作り出す表現手段です。
空間性のある音響が得られる理由:‣ 11. 分散せずに、和音の中から特定の音を浮き立たせる方法
指でもレガートにしたベタっとしたサウンドは、オルゴールの音色とはかけ離れています。あくまで指はノンレガートを基本とし、ペダルで響きをコントロールしましょう。
‣ 2. アゴーギクはつけすぎずに淡々と
オルゴールは、その構造上、よほど凝った作りのものでない限り、淡々と音を刻んでいく仕組みになっています。そのため、テンポの揺れ(アゴーギク)をあまりつけすぎず、淡々と弾き進めるほうが雰囲気として近くなります。
「表情豊かに弾くこと」が必ずしも良い演奏ではありません。オルゴール風の楽曲では、揺らしすぎないテンポ感がそのまま楽曲の魅力に直結します。
‣ 3. 強弱もつけすぎずに
オルゴールは、強弱の幅を大きく持たない楽器です。ほとんどのオルゴールでは、音量の変化はほぼありません。
ピアノで演奏する以上、多少のダイナミクスを意識しても構いませんが、あまり極端にすると昔ながらのオルゴールの印象から離れてしまいます。全体的に抑えめのダイナミクスの中で、多少の強弱の変化をつける程度に留めましょう。
‣ 4. 曲の最後の rit. はぜんまいが切れたかのように自然に
楽曲の最後に rit. が書かれている場合は、「ぜんまいが切れていくイメージ」でテンポをゆるめましょう。
ネジが切れて音が止まるとき、オルゴールは絶妙なテンポの揺れを見せます。その自然な失速感をイメージすると、rit. の表現がより説得力を持ちます。
一方で、曲の最後以外の rit. はやりすぎないようにしましょう。オルゴールでは、基本的に周期の最後以外でテンポがゆるむことはないからです。
► 参考教材や具体例
以下の楽譜集に収録されている、筆者がヤマハ出版向けに編曲したピアノソロ「輝く未来(塔の上のラプンツェル)」では、オルゴールスタイルの音遣いを取り入れています。
本記事の内容を活かす参考教材として活用してみてください。
ディズニー・オン・クラシック ~まほうの夜の音楽会2018 ピアノ・セレクション / ヤマハ
以下のリンクより、ぷりんと楽譜でも入手できます。
► 終わりに:あくまで「ピアノを演奏している」ことを忘れずに
ここまで4つのポイントを紹介しましたが、忘れてはいけないのは「演奏しているのはピアノである」ということです。
オルゴールの雰囲気を出したいあまり、すべてをそのままマネして演奏すると、楽曲によっては表現が単調になってしまうでしょう。
今回の内容は、どんな楽曲を演奏するかによって、一部だけ取り入れるのでも十分です。引き出しをたくさん持っておき、必要なときに必要なものだけ取り出せるようにしましょう。
演奏ポイント一覧(まとめ)
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| タッチ | 指はノンレガートを基本とし、ペダルで響きを調整する |
| テンポ | アゴーギクをつけすぎず、比較的淡々と弾き進める |
| 強弱 | ダイナミクスの幅を抑えめにする |
| 最後の rit. | ぜんまいが切れるイメージで自然にテンポを落とす |
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