【ピアノ】速く弾けない、テンポが不安…ピアノの悩みQ&A

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【ピアノ】速く弾けない、テンポが不安…ピアノの悩みQ&A

► はじめに

 

今回のQ&Aコーナーでは、多くの学習者が経験する「速いパッセージやテンポ感」に関する悩みについて考えていきます。技術的な問題だけでなく、音楽的な理解との関連性についても解説します。

プライバシーを配慮し、相談内容を要約して個人情報に関わる部分は伏せさせていただきます。

 

► 相談内容の概要

 

相談者:ピアノ学習者の方
状況:速いテンポでの演奏に課題を抱えている

 

相談者さんが抱えている問題

技術的な課題:

・どうしても速く弾くことに乗り切れない
・指が動かないわけではないが、テンポが良くないと感じる

音楽的な課題:

・一つ一つをしっかりタッチし過ぎてしまう
・フレーズに抑揚を付ける、感じるということに乏しいと感じる

 

相談者の現状認識

できていること:

・基本的な指の動きは可能
・個々の音をしっかりと鳴らすことはできる

課題と感じていること:

・速いテンポでの流れるような演奏
・音楽的な表現力やフレーズ感
・全体的なテンポ感の安定

 

► 回答

‣ 問題の核心:技術と音楽理解の複合的課題

 

この相談から読み取れる問題は、単純な「指の動き」だけではなく、身体の使い方と音楽理解の両面にわたる複合的な課題であると考えられます。

 

‣ 身体的・技術的な要因

 

見直すべき基本要素

椅子の座り方から始まる姿勢:

・効率的な身体の使い方が重要
・椅子の高さ、ピアノとの距離、座り方が演奏の流れに大きく影響

腕を含めた身体の使い方:

・指先だけでなく、手首、前腕、上腕の連携
・不必要な力みや無駄な動きが速度を阻害している可能性

 

対処方法

この問題については以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください:

【ピアノ】初心者必見の座り方改善ガイド
【ピアノ】初心者必見の演奏姿勢改善ガイド

独学でも修正可能ですが、ある程度の期間悩まれているようですので、余裕で弾けるレベルの楽曲を使って指導者に助言してもらうことをおすすめします。普段独学の場合は、スポットレッスン(単発レッスン)でみてくれる専門家を探して依頼するのもいいでしょう。

 

‣ 演奏技術的な要因:タッチの問題

 

「しっかりタッチし過ぎる」問題の分析

相談者さんが感じている「一つ一つをしっかりタッチし過ぎる」という問題についてですが、すべての音にアクションを入れ過ぎてしまっている可能性があります。

 

チェックポイント:

・すべての音に同じ強さでアクセントをつけていないか
・音楽の流れを阻害するほど個々の音を強調していないか
・フレーズをカタマリで捉える意識を持てているか

 

解決策

「余力弾き」を習得することで改善に向かいます。以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。

【ピアノ】余力弾き入門:音楽性を高める繊細な奏法

 

‣ 楽曲理解を深める分析の重要性

 

楽曲理解と演奏技術の関係

ピアニスト川上昌裕氏の著書から重要な指摘を引用します。

音楽の理解力の高さは、譜読み能力にも比例するし、暗譜力にも比例する。あるパッセージがどうしても弾けなかったのに、それを音楽的な感覚として掴めるとすぐに弾けてしまうことがある。

この指摘は非常に重要です。

 

楽曲理解が演奏に与える影響

フレーズ理解の向上:

・どこに重みを入れるか
・どこでおさめるか
・音楽エネルギーがどこへ向かっているか
・どれだけのカタマリをワンアクションで演奏してもいいか

これらの要素の重要性

上記の要素は指を動かすことと密接に関係しているにも関わらず、技術練習とは別個に学習しないと身につきにくい内容です。

「指は動く」とのことですので、楽曲の理解が深まると:

・フレーズのことがよく分かるようになる
・「速く弾くことに乗り切れない」問題も解決に向かう
・音楽的な流れに沿った演奏が可能になる

 

解決策

楽曲理解を深めるために、以下の学習パス集より「楽曲分析パス(初級・中級)」を参考にしてください。

ピアノ学習者向け体系的学習パス完全ガイド

 

‣ まとめ:解決への道筋

 

学習における重要な心構え

速く弾けない、テンポが不安という問題には、技術的要因と音楽的理解の両面からアプローチする必要があります。指の動きだけでなく、身体の使い方、楽曲理解、表現技法など複数の要素を総合的に向上させることで、根本的な解決につながります。

一つの要素を学習してすぐに良くなるものではなく、複数の要素が向上した結果として演奏が変わってくることを理解しましょう。

 

· 短期的な取り組み

 

椅子の位置、座り方、姿勢、身体の使い方などの総合的な見直し:

・指導者に助言してもらう
・そのための特別の時間をとってもらわないと、いつものレッスンになってしまい改善しない
・普段独学の場合は、専門家による単発レッスンの受講を検討する

推奨記事:

【ピアノ】ピアノ上達の新しいアプローチ:多様な学びの可能性(単発レッスン関連)
【ピアノ】初心者必見の座り方改善ガイド
【ピアノ】初心者必見の演奏姿勢改善ガイド

 

タッチの改善:

・すべての音に同じアクションを入れない練習
・余力弾きの概念の理解と実践

推奨記事:【ピアノ】余力弾き入門:音楽性を高める繊細な奏法

 

· 中長期的な取り組み

 

楽曲理解力向上と演奏技術向上の両面からアプローチすることが重要です。両者は部分的に関わり合ってもいます。

 

楽曲分析の学習:

・楽曲構造の理解
・音楽エネルギーの動向の理解

 

推奨記事:ピアノ学習者向け体系的学習パス完全ガイド

「楽曲分析パス(初級・中級)」を参考にしてください。

 

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この記事を書いた人
タカノユウヤ

ピアノ情報メディア「Piano Hack | 大人のための独学用Webピアノ教室」の運営をしたり、音楽雑誌やサイトなどでピアノ関連の文筆を手がけています。ピアノ音楽の作曲や編曲もしています。
受賞歴として、第88回日本音楽コンクール 作曲部門 入賞 他。

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