【ピアノ】ピアノ学習におけるトラブル対処法と予防策
► はじめに
音楽学習には様々なトラブルがつきものですが、適切な対処法と事前の準備により、これらの問題はまあまあ乗り越えることができます。
本記事では、筆者自身の経験をもとに、実践的なトラブル対処法と予防策を紹介します。
► ほとんどのトラブルは、落ち着いて対処すればまあまあ何とかなる
音楽学習を続けていると、思わぬトラブルに見舞われることがあります。実際に経験したトラブルの例をいくつか挙げてみましょう:
・練習中にピアノの弦が切れた
・先生の堪忍袋の緒が切れた
・本番1週間前なのにガタガタしている
・本番で欠席者が出て、いきなり自分の出番が早まった
・当日リハで、譜めくり者の椅子がギシギシいう
何かしらのトラブルが起きたときに真っ先にすべきなのは、慌てることでも、騒ぐことでも、諦めることでもなく、落ち着くことです。この当たり前のようなことを徹底すれば、次の一手が見えてきます。
例えば、本番1週間前にガタガタでも、現状を冷静に整理することで「弾けるところばかり気持ち良く弾いている」などの無駄を見つけることができます。そうして、やることを絞って選択と集中を行えば、本番に間に合う可能性が高まります。
また、本番で出番が早まっても、落ち着いて「無茶振りよりはマシ」だと腑に落とせば、大きな問題にはなりません。
いずれにしても、落ち着いていないパニック状態では正しい判断ができないので、やってはいけないことをすべてやってしまいます。
印象的だったのは、パソコンに慣れていない知人が焦って発した一言です。マウスを動かしながら「あの…机が足りません…」と投げかけられました。筆者は「一度マウスを置いて深呼吸しましょう」と伝えました。
落ち着いて取り組めば、大抵のことは何とかなるものです。
► トラブルを未然に防ぐ3つの予防策
ピアノの練習や音楽生活においてトラブルの発生はつきものですが、ちょっとしたワンステップをかけるだけで、それらは回避できます。実際に昔の筆者が経験した3つのケースから、具体的な予防策を見ていきましょう。
‣ 楽曲の楽語を調べていなくて恥ずかしい思いをした
今取り組んでいる作品にも関わらず、楽語や作曲家が言葉で書き残した指示の意味を調べていないケースは多いようです。昔の筆者もそうでした。
当然、楽曲の理解が浅いまま練習していることになりますし、後日、何かの拍子に知人とその楽曲の話題になって調べていないことがバレたとき、恥ずかしい思いをすることになります。
調べればわかることを先延ばしにしても、いずれはやることになります。ワンステップ惜しまずに、必ず譜読みを始める段階で、すべての言葉の意味を調べておきましょう。
‣ 初会場で事前のピアノ確認を怠ったら、ペダルがついていなかった
特に小さな会場を使う場合に注意が必要なのですが、「ピアノがあります」というオーナーの言葉を過信せずに、必ず型番を教えてもらいましょう。筆者が経験した極端な例だと「ピアノと言っていたものが、ペダルなしのキーボードのことだった」というケースもありました。ラジオ収録だったので録音物を流すことで対応できたのですが、これがコンサートだったとしたら…想像しただけで冷や汗をかきそうになります。
また、ソステヌートペダルを使う場合も注意が必要です。大きな会場のピアノでも、ソステヌートペダルがついていなかったり、または壊れていても放置されているケースが本当に多いからです。当日リハのときに気がついても手遅れです。筆者がこのトラブルを経験したときは、調律師さんに最善を尽くしてもらっても、当日の短い時間ではどうにもなりませんでした。
ワンステップ惜しまずに、はじめての会場を使うときは必ずピアノの型番を確認しておいてください。もちろん、主催者が別にいる場合は、その方を通して聞かないと角が立つので注意しましょう。
‣ 浄書ソフトのファイルが、未バックアップ状態で消えてしまった
作曲や編曲における譜面を浄書ソフトを使って作っている場合、データの故障や紛失に注意しなければいけません。バックアップをとっておくのは当然のことですが、本当に先延ばしにしてしまいがちです。
「楽譜ファイルの故障」というのはほとんど起こらないのですが、一部のソフトのユーザーからはときどき耳にします。また、何かの拍子に消去してしまったり、保存していないものが強制終了されてしまったりと、以前の筆者自身もトラブルは絶えませんでした。
必ず、ワンステップ惜しまずに自分なりにタイミングを決めて、バックアップをとるようにしてください。楽譜のファイルは軽いので、自分のPCアドレスへメール添付で送ってしまうといいでしょう。それだけで、どの端末からも拾えるバックアップになります。このやり方であればさほど面倒ではないので、問題なく継続できるはずです。
► 終わりに
音楽学習におけるトラブルは避けられないものですが、適切な心構えと事前の準備により、その多くは乗り越えることができます。トラブルが起きたときは慌てずに落ち着いて対処することが大切です。
「落ち着いて」「ワンステップ惜しまずに」という姿勢が、長期的にはより充実した音楽生活につながるでしょう。
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