【ピアノ】形式の分析における、大きな一歩の踏み出し方
► はじめに
楽曲分析(アナリーゼ)に挑戦していると、誰もが一度は悩むポイントがあります。
「この曲は、どの形式に当てはまるのだろう?」
今回は、そんな悩みを一歩前に進めるためのヒントをお伝えしていきます。
► よくある悩み:形式がピッタリ当てはまらない
楽式の学習で学ぶ形式は、いわば「基本のカタチ」です。
でも実際の曲では、その基本形がいろいろな形に変化していることがほとんど。
教科書通りにピッタリ当てはまらないのは、むしろ自然なことなんです。
► 具体例から学ぼう
例えば、「楽式論 石桁真礼生 著(音楽之友社)」では、
ドビュッシーの「象の子守歌」を例に挙げて、 以下のような説明をしています:
ドビュッシー「子供の領分 より 象の子守歌」は「複合3部形式」だけれども、かなり変形されている。
では、どこがどう変形されているのか。それでもなぜ複合3部形式と言えるのか。
このように、基本形からちょっと外れた曲の例を複数見ていくことで、
少しずつ「自分で分析する力」が育っていきます。
► 具体的な分析の始め方
形式が分からなくて困ったら、まずはこれをやってみましょう:
1. 「ここで区切れそうだな」と感じるところに、縦線を入れていく
2. 「メロディがひと段落したな」と思うところをチェック
3. その区切りの間に、似ているフレーズはないか探してみる
これだけでも、立派な形式分析の第一歩。
► 大切な考え方
ここで覚えておきたい大切なことが2つあります:
1. すべての曲が教科書通りの形式に当てはまるわけではありません
・しかし、それは問題ではない
・音楽がある限り、「その曲なりの形式」は必ずある
2. 分析力は、実際に手を動かすことでしか身につきません
・理論書を読むだけでなく
・実際の曲で試してみることが大切
► 具体的なステップアップ方法
分析力を育てるために、こんな順番で取り組んでみましょう:
1. まずは区切りを見つける練習から
・楽譜に実際に印をつけてみる
・自分なりの理由を考えてみる
2. 次に、区切られた部分同士の関係を探る
・似ているフレーズはないか
・大きな違いはどこか
3. 最後に、教科書の形式と比べてみる
・教科書の古典的な形式との共通点や差異を調べる
・なぜそうなっているのか考えてみる
► 終わりに
完璧な答えを出す必要はありません。 少しずつでも、できることから始めていきましょう。
そうやって積み重ねていくことで、確実に分析力は育っていきます。
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