【ピアノ】J.S.バッハ インヴェンション 第7番 BWV778 全運指付き楽譜と練習のコツ

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【ピアノ】J.S.バッハ インヴェンション 第7番 BWV778 全運指付き楽譜と練習のコツ

► はじめに

 

本記事では、J.S.バッハ「インヴェンション 第7番 BWV778」の学習を効率的に進めるため、全運指と具体的な練習方法を紹介します。よくある演奏上の問題点とその対策も詳しく解説しているので、参考にしてください。

 

►「全運指」の解説

 

この楽曲はパブリックドメインです。運営者が浄書ソフトウェアで作成した楽譜を使用しています。

 

 

運指について重要な注意点

この運指は一例です。手の大きさや個人差に合わせて調整してください。また、どのようなアーティキュレーションを付けるのかによっても適切な運指は変わります。お手持ちの楽譜の内容と照らし合わせながら、必要に応じて参考にしてください。

 

► 具体的な練習のヒント

 

本楽曲では、黒鍵を含んだジグザグする音型が多く出てきますが、対位法面では簡素な作りです。したがって、2声のインヴェンション全15曲の中において、それほど譜読みの難易度は高くありません。以下の点に留意して学習を進めましょう。

 

‣ 適切なテンポ設定

 

おすすめテンポ:

♩= 72
(ヘルマン・ケラー提案)

 

なぜ、このテンポが良いのか:

・初〜中級者でも挑戦できる速度設定
・表現力の向上に集中できる
・それでも、この楽曲の標準的なテンポより、やや速め

 

‣ 本楽曲でよくある問題点と対策

· 16-17小節の右手が不揃いになってしまう

 

譜例(16-17小節)

原因分析:

・黒鍵を含むジグザグする音型の技術的困難
・左手のトリルに意識が集中し過ぎ
・カラー音符で示した順次進行する軸音への意識不足

 

効果的な対策:

・カラー音符で示した順次進行で降りてくる軸音同士のバランスを意識
・片手練習を十分にする
・一小節ずつ区切って練習する

この音型が左手へ移行する18-19小節でも、同様の練習法を適用してください。

 

· 22小節目の入りで極端に遅くなってしまう

 

譜例(21-23小節)

問題の背景:

22-23小節はコーダ(楽曲の終結部分)なので、その入りにおいても終結感を出したい気持ちは理解できますが、たった2小節後に「真の楽曲終結」があることを考慮する必要があります。22小節目の入りでも遅くし過ぎてしまうと、何度も段落感がついてしまい構成バランスを欠く結果となります。

 

適切な処理方法:

もしテンポをゆるめたいのであれば、21小節4拍目で「少し息を入れる」程度にして、rit. だと思わないようにしてください。本当の終結は最後の小節で表現しましょう。

 

· 数多く出てくる低音を叩いてしまう

 

特徴:

この楽曲では、低音部譜表の五線をはみ出すほどの低音が何度も出てきます。特に8分音符で現れる低音は、叩かないように注意が必要です。

 

改善アプローチ:

・打鍵の質:叩くのではなく、響かせることを意識
・フレーズ感:低音も音楽的な流れの中での出来事に
・バランス調整:他の音とのバランスを考慮し、低音だけ極端に飛び出ていないかを録音&チェックする

 

► 終わりに

 

本記事で紹介した運指や練習のポイントを参考に、まずは片手練習を丁寧に行い、両手で合わせる際には音のバランスを意識してください。よくある問題点を事前に把握しておくことで、効率的な練習が可能になります。

 

この作品についてさらなる演奏ヒントが必要な方は、以下の解釈版を参考にしてください。

【ピアノ】園田高弘 校訂版 J.S.バッハ インヴェンション:独学学習者のための決定版

 


 

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