【ピアノ】ハイドン作品の演奏ポイント解説集:譜例付き実践ガイド

スポンサーリンク

【ピアノ】ハイドン作品の演奏ポイント解説集:譜例付き実践ガイド

► はじめに

 

本記事では、ハイドンのピアノ作品における実践的な演奏アドバイスをまとめています。各曲の重要なポイントを、譜例とともに具体的に解説していきます。

この記事は随時更新され、新しい作品や演奏のヒントが追加されていく予定です。

 

► ソナタ

‣ ソナタ 第60番 Hob.XVI:50 Op.79 第3楽章

 

譜例(PD楽曲、Finaleで作成、94-101小節)

 

94小節目のフェルマータ付きの休符でひと段落があり、a tempoから始まるセクションで楽曲のクライマックスが作られています。

 

演奏ポイントの一つとしては、矢印で示した97小節目から98小節目へ移る時に、変な間(ま)を空けずにノンストップで突入すること。

急速なテンポということもあり特に右手の移動が忙しいので、ここでひと呼吸入れてしまいがちですが、そうしてしまうとa tempoから始まった前向きのエネルギーが台無しになってしまいます。少なくとも104小節目までは、一気に一息で弾き進めましょう。

この感覚が分かりにくいという方は、例えば、マルカンドレ・アムランなどの演奏を聴くと腑に落ちると思います。

 

‣ ソナタ 第62番 Hob.XVI:52 Op.82 第3楽章

 

譜例(PD楽曲、Sibeliusで作成、曲頭)

この楽章は5音のグループからなるアウフタクトで始まりますが、無機質に「タタタタタ」と弾いてしまっては、せっかくの開始部分が魅力を失ってしまいます。

このグループがまとまりとして2小節目へ向かっているという意識を持つ必要があります。もっと具体的には、アウフタクト直後の音(ターゲット・ノート:2小節目の頭のG音)が、それ以前の5音(アプローチ・ノート:予備運動)よりも弱くならないよう注意しましょう。音楽的な流れを考えると、ターゲット・ノートはアプローチ・ノート以上の音量で演奏するのが自然です。

だからこそ、2小節目の頭のG音は音価が長く、スラー始まりの音にも設定されているわけです。楽譜上にアクセント記号が明示されていなくても、軽いアクセントを付けることが暗に示されています。

 

曲頭はもちろん、8-9小節目のような曲途中に現れる同型の箇所でも、同様の演奏アプローチが求められます。

 

► 終わりに

 

ハイドンの作品には、独特の音楽語法と表現技法が詰まっています。

本記事では、実践的な演奏アプローチを紹介していますが、これらはあくまでも一つの解釈として捉えていただければと思います。

今後も新しい作品や演奏のヒントを追加していく予定ですので、定期的にご確認いただければ幸いです。

 


 

► 関連コンテンツ

著者の電子書籍シリーズ
・徹底分析シリーズ(楽曲構造・音楽理論)
Amazon著者ページはこちら

・お問い合わせ
お問い合わせはこちら

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました