【ピアノ】アコースティックピアノの購入ポイント 4選
► はじめに
本記事では、アコースティックピアノ(いわゆる「生のピアノ」)の購入を検討している方に向けて、購入時の注意点を紹介します。
アップライトにするかグランドにするかは家庭環境に依存するため、今回はその点を割愛し、普遍的な注意点を中心にまとめました。
► 購入時の4つのポイント
‣ 1. 購入前に必ず触ってみる
購入を決める前に、必ず実際にピアノを触る機会を作りましょう。大切なのは、恥ずかしがらずに試弾することです。
不安がある場合は、「ピアノに詳しい知り合いに同行してもらう」のもおすすめ。客観的な意見をもらったり、知り合いに弾いてもらってその音を離れて聴くのも一つの方法です。最近では、ピアノの状態や音色についてアドバイスをしてくれる専門家も増えています。
また、もし「初めてのピアノ」ではなく「買い替え」の場合、すでに信頼できる調律師がいる場合も多いでしょう。その調律師に相談するのも一つの手です。
会社所属の調律師は、その会社の製品を推奨しがちなので、フリーランスの調律師に頼むことで、よりフラットな目線で選ぶことができます。
フリーランスの調律師は、ピアノ販売も行っている場合が多く、仲介料を含めても、展示会価格より安くしてくれることもあります。最初から調律師に購入相談をしてしまうのも一つの選択肢でしょう。
‣ 2. 中古ピアノを選ぶ
新品はどうしても高額になりますが、中古ピアノはコストパフォーマンスが良い選択肢です。
特に、1970年代後半から1980年代初頭に作られたピアノは、現在の新品よりも良い素材が使われていることが多いと、調律師からも聞いたことがあります。
賢い選び方としては、状態の良い中古ピアノを選び、その余った予算(新品との差額分)で修理や調整を行う方法です。
中古ピアノで気をつけるべき点の一つは、ハンマーの取り替えです。
古い中古だとハンマーのフェルトがつぶれていて、交換しないといい音がしません。フェルト部分だけでも、全て交換すると30万円近くかかることもありますので、試弾時に調律師または専門のスタッフに確認しておくと良いでしょう。
また、特に中古の場合、試弾するときにはピアノ椅子が用意されていても、実際にはついてこないケースもあるので、本体のみの納品なのかどうかを購入前に必ず確認しておくようにしましょう。
‣ 3. 将来的に現代曲に取り組むなら、3本ペダルのグランドピアノを選ぶ
できる限りアップライトかグランドかに左右されない内容を紹介したいところですが、これに関しては例外です。
将来的に現代曲にも取り組んでいきたい気持ちがある方は、3本ペダルのグランドピアノを選ぶようにしましょう。真ん中の「ソステヌートペダル」が、現代曲の多くの作品の中で登場するからです。
2本ペダルの機種を後々3本ペダルに変えることは不可能ではありませんが、お金と時間がかかります。加えて、調律師曰く、元々のピアノの音に多少なりとも悪影響があるそう。
アップライトピアノの3本ペダルは役割が異なります。
アップライトの真ん中のペダルは、通称「チェレスタペダル / セレストペダル」と言われ、ソフトペダルよりもさらに音色を曇らせて音量も極端に抑える役割。
ソステヌートペダルとは全く異なる役割なのです。
‣ 4. 搬入経路を事前に確認する
ピアノの搬入は意外に大きな問題となることがあります。特に、グランドピアノを購入する場合、搬入経路が適切かどうかを事前に確認しておきましょう。
賃貸物件の場合、例えば「YAMAHA C3まで搬入可能」などという記載があることもありますが、これは部屋の大きさではなく、搬入経路の問題です。
クレーンを使ってベランダから入れる場合でも、窓の大きさによっては搬入できないこともあるので、搬入業者に事前に確認を依頼しておくことが大切です。
► 終わりに
ピアノの選び方には、家庭環境や使用目的に応じた様々な要素が影響します。
本記事をきっかけとして、愛器探しをしてみてください。
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