【ピアノ】512もの譜例で学べる:「ピアノ・ペダルの技法」レビュー
► はじめに
・ペダルを踏むタイミングにいつも悩む
・楽譜にペダル記号がない場合、どうすればいいのか
・さらにペダリングを洗練させるにはどうすればいいのか
これらのような学習者の課題に、512もの譜例とともにヒントを示してくれる書籍があります。
本記事では、ピアノ演奏技術の中でも特に奥深い「ペダリング」についての必読の一冊、ピアノ・ペダルの技法(ジョーゼフ・バノウェツ 著/岡本 秩典 訳 音楽之友社)を紹介します。
►「ピアノ・ペダルの技法」概要
著者:ジョーゼフ・バノウェツ(演奏活動に加え、多くの生徒を育てた音楽家)
訳者:岡本 秩典
出版社:音楽之友社
ページ数:342ページ
対象者:初中級〜上級
‣ 512もの譜例による体系的な学び
ペダルは、ピアノ演奏において重要な要素ですが、その技法を体系的に学べる教材は意外にも少ないのが現状。本書は、豊富な譜例を用いながら、3本のペダルそれぞれについて徹底的な探究を行っている、まさに決定版と呼べる研究書です。
‣ 充実の内容構成
第1部:基礎編
ペダルの歴史から始まり、3種類の各ペダルの基本事項と技術について丁寧な解説がされています。初中級者から上級者まで、自身のレベルに合わせた学習が可能。
第2部:実践・応用編
著名な作曲家たちの作品に見られる様式的特徴を踏まえたうえで、それらに適したペダリングについての詳細な解説が展開されます。
作曲家自身によるペダリングについては明確に区別されているので、作曲者によるそれと著者の解釈によるそれを混同せずに学習を進めていくことができます。
取り上げられている作曲家の例:
・J.S.バッハ
・ハイドン
・モーツァルト
・ベートーヴェン
・ショパン
・シューマン
・リスト
・グラナドス
・ドビュッシー
・ラヴェル
他
‣ 注目すべき専門家による寄稿
本書の特筆すべき点として、部分的に各分野の専門家による分担執筆形式を採用していることが挙げられます。
・ベートーヴェンのペダリング(ウィリアム・S. ニューマン)
・ショパンのペダリング(モーリス・ハインソン)
・カタロニア楽派について(マーク・ハンセン)
・巨匠ギーゼキングのペダリング研究(ディーン・エルダー)
この多角的なアプローチにより、読者は偏りのない、包括的な知見を得ることができます。
► おすすめの読者層
・ピアノ演奏技術の向上を目指す方
・ピアノ指導者
・音楽学校の学生
・ペダリングについて体系的に学びたい方
► 終わりに
本書は単なるテクニック解説書ではありません。512の譜例は、理論的な理解だけでなく、実践的な学習をサポートする貴重な資料となっています。専門家たちの知見を通じて、ペダリングの新たな可能性も見えてきます。
ペダリングの技術を磨きたい方、音楽表現の新たな可能性を探求したい方には、まさに必携の一冊と言えるでしょう。
ピアノ・ペダルの技法(ジョーゼフ・バノウェツ 著/岡本 秩典 訳 音楽之友社)
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