【ピアノ】ピアノブランク後の再開方法:確実にテクニックを取り戻す実践ガイド

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【ピアノ】ピアノブランク後の再開方法:確実にテクニックを取り戻す実践ガイド

► はじめに

 

「数年のブランクがあって、指が思うように動かない…」

ピアノを再開しようとしたときに誰もが直面するこの課題を解決すべく、再開に向けた実践的なアプローチを紹介します。

 

► ブランク後の現実を理解する

 

ピアノから離れていた期間が長いほど、「以前のように弾けない」という焦りを感じることでしょう。

しかし、ここで理解しておきたい重要な点があります。

ブランク後にすべての能力が下がるわけではなく、最も影響を受けるのは、実は「テクニック」と呼ばれる部分です。テクニックとは、「表現したい音楽を実際の音として紡ぎ出すための、指先や身体の使い方」を指します。ブランクの程度にもよりますが、音楽を理解する力や楽譜を読む力は、それほど低下していません。

 

► 再開のための実践的アプローチ

‣ 現状把握から始める

 

まず、以前にピアノを中断することになった理由を振り返ってみましょう:

・時間的な制約だったのか
・金銭的な制約だったのか
・モチベーションの問題だったのか
・環境の変化(引越し、進学、転職など)だったのか

この振り返りは、同じ理由で再び中断することを防ぐために重要です。

 

‣ テクニック回復のための効果的なアプローチ

 

テクニックの回復には、以下の2つアプローチが効果的です:

 

1. 基礎的な動きの回復(初中級以降で中断した場合)

・両手のバランスを意識した基礎練習
・1日30分を目安に、2週間程度の継続を目指す
・やる気があって30分以上時間を割くくらいであれば、その時間を以下「2」に充てる

2. 実践的な演奏力の回復(中断時のレベル関係なく)

・四の五の言わずに、かつて得意としていた1曲に焦点を当てる
・新しい曲への挑戦は、この1曲が安定するまで待つ
・毎日の練習時間は柔軟に設定する

 

特に「2」は最重要です。まずは得意としていた1曲のみを取り戻しましょう。

 

‣ 具体的な基礎練習の方法

 

基礎練習には、以下のいずれかを選択しましょう:

 

コルトーを使う場合:

・「4本の指の練習-1本の指を持続」(No.2a-2e)に集中
・音が良く聴こえるように、右手を1オクターブ上げた状態で練習
・全調で練習(指使いは同じまま)

ハノンを使う場合:

・第1番のみに集中
・テンポは徐々に上げる
・全調で練習(指使いは同じまま)

 

ポイントは、数多くの課題に手を出さないことです。限られた練習に集中することで、効率的にテクニックを回復できます。

初級段階で中断していた場合は、ハノンやコルトーを使っていなかったのではないでしょうか。その場合は、「得意としていた1曲のみを取り戻す」ことに絞って再開するのが最もスムーズです。

 

‣ 継続のためのヒント

 

1. 無理のない目標設定

・2-3週間程度で一定の回復を目指す
・日々の練習時間は柔軟に設定
・特に真面目・完璧主義の学習者は、最初に馬力をかけ過ぎると大体ショートする

2. モチベーション管理

・「まずは以前と同程度に戻れればOK」くらいのゆるさで再開する
・「友人の前で弾く」など、刺激になるような小さな目標を作っておく
・可能であれば、ピアノ中断中の友人を巻き込む

 

以前に中断したときの理由を振り返っておき、同じ失敗をする可能性を徹底的に避けることが重要です。

 

► よくある質問(FAQ)

 

Q1. どのくらいのブランクから「再開」と考えるべきですか?

A. 一般的に3ヶ月以上のブランクがある場合に該当します。特に半年以上のブランクの場合は、本記事のアプローチが有効です。

 

Q2. 子供の頃に習っていて、大人になって再開する場合の注意点は?

A. 基本的な再開方法は、本記事のアプローチで問題ありません。しかし、子供の頃の記憶と現在の身体能力のギャップに戸惑うことがあります。もしスムーズにいかない場合は、スポット(単発)でも構わないので、専門家のアドバイスを求めるといいでしょう。

 

Q3. どの程度回復したら新しい曲に挑戦していいですか?

A. 得意だった1曲が少なくても以前の7-8割程度弾けるようになるまでは、その楽曲に集中しましょう。そうすることで、テクニックを含めあらゆる面で演奏していた頃の感覚が戻ってきます。

 

Q4. モチベーションが続かないときはどうすればいいですか?

A. 上記「モチベーション管理」で触れた3点を意識しましょう。大人の学習者の場合は特に、中断していた友人を巻き込みながらみんなで続けていくのがおすすめです。

 

► 筆者自身の経験談

 

筆者自身も、ピアノ演奏に関して実は1年以上のブランクがありました。

大学院に入り、作曲関係の研究に専念するために演奏から離れていた期間です。研究テーマにピアノが関連していたため度々触ってはいましたが、きちんとした練習や新しいレパートリーへの取り組みは一切していませんでした。

その後、自分の作品を本番で演奏することになり、急遽再開が必要となりました。

 

実際に行った再開方法:

・本記事で紹介した方法と全く同じアプローチを採用
・得意だった1曲に集中して練習
・基礎練習は最小限に留めた

結果として、このアプローチでブランクを克服することができました。

 

反省点と学んだこと

本番の3週間前になってようやく再開したのは、正直期間が短過ぎました。以前と同等のレベルまで戻すには、最低でも2週間は必要です。新曲を本番で演奏する場合は、「最低でも1ヶ月前から準備を始める」ことをおすすめします。

この経験から、計画的な再開の重要性を実感しました。読者の皆さんには、余裕を持ったスケジュールで取り組んでいただければと思います。

 

► 終わりに

 

ブランク後の再開は、決して後ろ向きな「復帰」ではありません。これまでの音楽経験に新たな視点を加えた「再出発」と捉えましょう。

テクニックの回復に多少の時間がかかるのは自然なことです。しかし、音楽を理解する力は残っていることでしょう。その力を基盤に着実に学習していけば、必ず演奏技術は戻ってきます。

 


 

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