【ピアノ】モーツァルトのピアノソナタ、有益解釈本5種の特徴一覧

スポンサーリンク
モーツァルトのピアノソナタに関しては
ほんとうにたくさんの研究がされているので
解釈本などの資料もたくさんあります。
今回は、
日本のもの、および、
日本語訳されていて比較的手に入れやすいもののうち
定番の5冊を取り上げて
それぞれの特徴について解説します。

 

■モーツァルトのピアノソナタ、有益解釈本5種の特徴一覧

♫ モーツァルト ピアノ・ソナタ演奏と解釈 著 : 山崎 孝 / 音楽之友社

 

全183ページと

書籍自体はそれほど厚くないのですが

モーツァルトのピアノソナタ全曲や小品について

ていねいに解説されています。

 

分析的な内容も多少は含まれますが、

基本的には演奏解釈についての内容。

著者が作曲家ではなくピアニストということもあり、

パッセージにおける両手での分担の仕方などをはじめとし

テクニック的な攻略法についての内容が

充実しているのが特徴です。

 

 

 

 

 

 

 

♫ モーツァルト ピアノソナタ 形式の分析による演奏の手引き 著 : ヨセフ ブロッホ、中村 菊子、木幡 律子 / 全音楽譜出版社

 

ピアノソナタ全曲について取り上げられていますが、

内容的には比較的簡潔なものとなっています。

 

解釈というよりは

楽曲のことをざっくりと理解したいときに参考になる書籍で、

構成分析を一覧にしてくれてあるのが嬉しいところ。

譜読みを始める前に

あらかじめ簡単な「楽曲分析(アナリーゼ)」をする場合などで

有効に使えるでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

♫ モーツァルト ピアノソナタ 楽曲構成と演奏解釈 著 : 山縣 茂太郎 / 音楽之友社

 

1冊につき400ページ弱あるうえに

ピアノソナタで3冊、その他の独奏曲で1冊というように

4冊に分かれています。

とにかくボリュームが多く、

譜例も豊富に取り扱われています。

 

音楽理論の教則本などでも知られる著者によるもので、

解釈本というよりは

やはり分析本としての色が濃いもの。

 

運指やペダリングなどの

譜読みで役立つ情報を解説しているものではありませんし、

すぐに演奏へ反映するような内容は

それほど多く書かれていません。

したがって、

まず手に入れる1冊としては

他の解釈本のほうをおすすめしますが、

楽曲分析的な観点では細かく書かれているので

解釈本とは別の役割として

本棚へ用意しておくのであれば

大いに役に立ってくれるでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

♫ 新版 モーツァルト 演奏法と解釈 著 : エファ&パウル・バドゥーラ=スコダ 訳 : 堀朋平、西田紘子 監訳 : 今井顕 / 音楽之友社

 

項目を設けての個別の楽曲解釈としては、

以下の5曲のみが扱われています。

◉ ピアノ協奏曲 K.466
◉ ピアノ協奏曲 K.488
◉ ピアノ協奏曲 K.491
◉ ピアノソナタ K.310
◉ ピアノソナタ K.331

 

一方、672ページにわたる豊富な情報量の中に

他のピアノソナタの有益な話題も多く出てきますし、

何よりも

モーツァルトを演奏するうえで

確実に押さえておきたい情報がてんこ盛り。

この書籍は「モーツァルトの鍵盤音楽の教科書」と呼ぶのにピッタリです。

 

情報量の少ないダイナミクス指示や

小節線をまたぐことが少ない孤線など、

モーツァルトの音楽には

独特の記譜が多くみられますね。

そういった点の詳細解説をはじめ

モーツァルトに関するあらゆる演奏向け情報が

取り上げられています。

 

言わずと知れた著名な著者による

信頼おける必読の一冊。

「何となくで弾くモーツァルト」

を脱するためにも

本棚へ用意しておくことをおすすめします。

 

新版 モーツァルト 演奏法と解釈

 

 

♫ 最新ピアノ講座(7) ピアノ名曲の演奏解釈Ⅰ/ 音楽之友社

 

これは、定番の解釈本。

モーツァルト以外にも

多くの作曲家の作品が取り上げられています。

 

モーツァルトに関しては

以下の13作品が取り上げられています。

◉ ピアノソナタ K.283
◉ ピアノソナタ K.310
◉ ピアノソナタ K.330
◉ ピアノソナタ K.331
◉ ピアノソナタ K.332
◉ ピアノソナタ K.457
◉ ピアノソナタ K.545
◉ ピアノソナタ K.576
◉ 幻想曲 K.397
◉ 幻想曲 K.475
◉ ロンド K.485
◉ きらきら星変奏曲 K.265
◉ デュポールのメヌエットによる9つの変奏曲 K.573

 

すべてのピアノソナタを網羅しているというわけではありませんが、

比較的定番どころは押さえてくれてあるのと

それぞれの楽曲を別のピアニストが解説してくれているので

幅広い専門家の音楽観を得ることができるのがポイント。

 

内容的には典型的な解釈本であり、

楽曲分析的な内容は少なく

運指やペダリングなどの譜読みにも役立つ内容と

具体的な演奏解釈が掲載されています。

 

モーツァルトの学習に限らず

定番の解釈本となっているので、

常に手許に置いておいて損はないでしょう。

 

 

 

 

 

 


 

Amazon著者ページ
https://www.amazon.co.jp/~/e/B0CCSDF4GV

X(Twitter)
https://twitter.com/notekind_piano

YouTube
https://www.youtube.com/channel/UCBeXKaDXKd3_oIdvlUi9Czg

 


 

無料トライアルで読み放題「Kindle Unlimited」

 

筆者が執筆しているピアノ関連書籍に加え、

数多くの電子書籍が読み放題になるサービスです。

 

Kindle Unlimited 読み放題 無料トライアル

 

この記事を書いた人
タカノユウヤ

ピアノ音楽(ピアノソロ、ピアノが編成に入った室内楽 など)に心惹かれ、早何十年。
ピアノ音楽の作曲・編曲が専門。
物書きとしては楽譜だけでなく文章も書いており、
音楽雑誌やサイトなどでピアノ関連の文筆を手がけています。
Webメディア「大人のための独学用Webピアノ教室」の運営もしています。
受賞歴として、第88回日本音楽コンクール 作曲部門 入賞 他。

タカノユウヤをフォローする
ピアノ関連書籍レビュー モーツァルト
スポンサーリンク
タカノユウヤをフォローする
大人のための独学用Webピアノ教室(ブログ版)

コメント

タイトルとURLをコピーしました