【ピアノ】リストの入門に最適:「伝説 より 第2曲 水の上を歩くパオラの聖フランチェスコ」

スポンサーリンク
スポンサーリンク

【ピアノ】リストの入門に最適:「伝説 より 第2曲 水の上を歩くパオラの聖フランチェスコ」の魅力

► はじめに

 

本記事では、「愛の夢 第3番」以外のリスト作品に挑戦したい方へ、演奏時間約9分の比較的コンパクトな名曲を紹介します。

技巧的な難しさを抑えながらも、豊かな音楽性を学べる本作品は、リスト作品への最適な入門曲となるでしょう。

 

► 伝説 より第2曲 水の上を歩くパオラの聖フランチェスコ S.175 R.17

‣ 概要

 

リスト「伝説 より第2曲 水の上を歩くパオラの聖フランチェスコ S.175 R.17」

譜例(PD楽曲、Sibeliusで作成、曲頭)

 

「伝説 より第2曲 水の上を歩くパオラの聖フランチェスコ S.175 R.17」は、1860年代にリストが作曲した作品です。伝説を題材に豊かな音楽表現が込められています。

この作品の特徴は:

・演奏時間が約9分と、リスト作品としては取り組みやすい長さ
・アルフレッド・ブレンデルの名演をはじめ、学習の参考となる録音が豊富
・技巧的な要素と音楽的な表現のバランスが絶妙

 

‣ 難易度について

· 演奏難易度

 

演奏効果は高い楽曲なのですが、技術的に極端に難しいところは出てきません。それでも、最低でもツェルニー40番修了程度のレベルは求められます。

例えば、「愛の夢 第3番 以外のリストの作品に挑戦してみたい」という方には迷わずおすすめできる作品です。

易し過ぎず、難し過ぎず、練習すれば確実にある程度のところまでは上達できるでしょう。

 

· 他の入門作品との比較

 

正直、この楽曲よりも弾きやすい「本当の意味でのリスト入門」に適した作品は他にも何曲もあります。例えば:

・ロマンス S.169 R.66a
・諦め S.187a R.388
・ノクターン「夢のなかに」 S.207 R.87
・レントラー S.211 R.34
・鐘が鳴る S.238 R.96

などは、技術的により取り組みやすい作品です。

しかし、リストに取り組む段階の方は「何でもいいからとにかくリストを弾きたい」というよりは、ある程度の演奏効果やレパートリー性を追求することでしょう。その意味では、「伝説 より第2曲 水の上を歩くパオラの聖フランチェスコ S.175 R.17」は理想的な選択と言えます。

この作品は:

・演奏会で披露した際の聴衆への印象が強い
・リスト特有の音楽語法を学べる
・約9分という演奏時間で、まとまったレパートリーとなる

 

‣ おすすめ楽譜

· ブダペスト版

 

国際コンクールでも標準とされる信頼性の高い楽譜です。

・信頼のおける原典版
・特徴のあるハウススタイル(出版社ごとの楽譜のお面相)
・多少高価な価格設定

 

・リスト: 伝説/原典版/ムジカ・ブダペスト社/ピアノ・ソロ

 

 

 

 

 

 

· 春秋社版

 

井口基成氏による実践的な校訂が特徴です。

・豊富な運指指示
・手頃な価格設定

いずれの楽譜も信頼できる版ですが、初めて取り組む方は運指指示が充実した春秋社版がおすすめです。より専門的に研究したい方は、原典性を重視したブダペスト版を選択するとよいでしょう。

 

・リスト集 KLAVIER=WERKE 1 (世界音楽全集ピアノ篇) 春秋社

 

 

 

 

 

 

► おわりに

 

本作品は、リストの作品世界に踏み込むための理想的な入口となります。技術的なハードルを極端に上げることなく、リストならではの表現力や音楽性を学ぶことができます。

 


 

► 関連コンテンツ

著者の電子書籍シリーズ
・徹底分析シリーズ(楽曲構造・音楽理論)
Amazon著者ページはこちら

・SNS/問い合わせ
X(Twitter)はこちら

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました