【ピアノ】取り組み始めた作品が思ったよりも難しかった時の気持ちの持ち直し方

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【ピアノ】取り組み始めた作品が思ったよりも難しかった時の気持ちの持ち直し方

► はじめに

 

誰でも経験があるのではないでしょうか。楽譜を見て「これなら弾けそう」と思って始めたものの、実際に練習してみると予想以上に難しく、モチベーションが下がってしまう経験。

本記事では、そんな時の対処法について、状況別に紹介します。

 

バイエル修了程度の初級者から中級者まで、幅広い層の方々を対象としています。上級者の方にとっても、新しい曲への取り組み方を見直すきっかけとなるはずです。

 

► 1. 期限が決まっている場合の対応策

‣ 本番が決まっている場合

 

演奏会やコンクールなど、本番が決まっている場合は、計画的なアプローチが不可欠です。

 

完成からの逆算を徹底する:

・少なくとも本番2週間前には概ね完成しているのが理想
・1週間前には暗譜にも余裕を持って弾けている状態に

進捗管理のコツ:

・自信過剰な見積もりは禁物
・毎日少しずつでも着実に進める
・本番直前に足を引っ張りがちな「暗譜」に関して、早めに対策を打つ

 

‣ 次のレッスンまでの課題の場合

 

 指導者との約束がある場合、まず決めるべきは、初回レッスンでの伝え方です:

・区切った一部分のみを正確に学習してきたことを伝える  もしくは、
・ざっくりでも全体の譜読みを終えていることを伝える

どちらの方針にするかを決定して逆算で練習内容を考え、次回レッスンまでを過ごしましょう。

 

その楽曲が難しいことは、指導者も分かっているはずです。毎回レッスンで見ている学生の実力は指導者にはお見通しなので、最大限の準備をしていけば、たとえ不満足な状態でも投下した時間と気持ちの量は伝わります。

具体的な質問や困っている箇所を明確にしておくことで、それらを解決すべく相談する初回レッスンにしてください。

 

► 2. 自主的な練習の場合

 

自分で選んだ曲だからこそ、より良い方法で取り組みたいものです。

 

‣ 2週間ルールの活用

 

筆者の経験から生まれた「2週間ルール」を紹介します:

最初の2週間が決め手:

・この期間で曲との相性を見極める
・単に難しいのか、本当に自分に合わない曲なのかを判断
・工夫次第で克服できそうか、評価する

2週間の過ごし方:

・毎日少しずつでも触れる
・様々なアプローチを試してみる
・曲の魅力を探る意識を持つ

 

‣ 続行か中断かの判断

 

2週間試してみた後の判断基準:

続行を推奨するケース:

・難しいながらも曲の魅力が見えてきた
・技術的な課題は感じるが、克服方法が見えている
・練習するたびに少しずつ進歩を感じる

一時中断を検討するケース:

・2週間経っても全く興味が持てない
・技術的なハードルが現時点で高過ぎる
・精神的なストレスが大きい

 

昔の筆者の実体験を紹介します:

【当時の成功例:J.S.バッハ「インベンション 第1番 BWV772」】
最初は多声部の独立した動きに戸惑い、数日はゆっくり練習する事で精一杯でした。しかし、1〜2週間経って声部の掛け合いの面白さに気づき始め、「パズルを解くような楽しさ」を感じられるようになりました。

【当時いったん保留にした例:ショパン「バラード第4番 ヘ短調 Op.52」
ピアノを始めてわずか数年の時に挑戦を始めましたが、2週間練習しても特定の部分が改善せず、曲の解釈にも迷いが生じました。無理に続けるより、他の作品で力をつけてから再挑戦する方が良いと判断。数年後、再び挑戦した時には、以前より楽に取り組むことができました。

このように、2週間という期間は、その曲との相性や自分の現在の実力を見極めるのに適した期間と言えます。

 

► まとめ

 

今の自分にとって難しい楽曲に取り組む際は、期限の有無によってアプローチを変えることが重要です。期限がある場合は計画的に、自主練習の場合は2週間ルールを活用して、無理なく効果的に練習を進めましょう。

期限があることが、むしろ短期集中できて有効だということに気づくはずです。

 

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