【ピアノ】美女と野獣 / ヤマハ出版・自編曲(中級):楽譜・音源・演奏ポイント
► はじめに:本記事の趣旨
本記事では、筆者がヤマハ出版向けに編曲したピアノソロ楽譜「美女と野獣」について、楽譜の紹介・参考音源の案内・演奏上のポイントをまとめています。
楽譜を手にされた方が練習をスムーズに進められるよう、各セクションごとに具体的な演奏上の注意点を解説します。
想定演奏レベル:ツェルニー30番入門程度
演奏時間:約2分50秒
► 楽曲「美女と野獣」について
「美女と野獣」は、1991年公開のディズニーアニメーション映画の主題歌として作曲された楽曲です。音楽はアラン・メンケン、歌詞はハワード・アッシュマンが手がけ、映画の公開と同時に世界中で広く親しまれるようになりました。
その後、1994年にはブロードウェイミュージカルとして舞台化され、2017年には実写映画も制作されるなど、時代を超えて愛され続けている作品です。
シンプルながらも品のある旋律は、ピアノソロとの相性も非常によく、様々なアレンジが出回っています。本編曲では、原曲の持つ優雅さと映画的なスケール感を活かしながら、中級者でも弾けるように構成しました。
► 楽譜と参考音源
‣ 楽譜
本編曲は以下の楽譜集に収録されています。
ディズニー・オン・クラシック ~まほうの夜の音楽会2018 ピアノ・セレクション / ヤマハ
‣ 音源
上記楽譜に基づいた演奏音源です。強弱・テンポ・ペダリングなど表情付けの参考にしてください。
癒やしのピアノ|美女と野獣 / ヤマハ出版・自編曲 (中級)
► この編曲の活用例
本編曲は以下のような場面での活用を想定しています。
中級者以上のレパートリーとして:
・発表会や演奏会での演奏曲として
・ツェルニー30番入門程度の技術があれば取り組むことができ、完成度を高めることで聴衆を引き込める編曲
編曲学習の教材として:
・原曲の雰囲気を活かしながらピアノソロとしてどのように成立させるか
・合いの手の入れ方、エンディングの作り方など、編曲上のアイデアを学ぶ参考資料としても活用可能
BGMとして
・リラックスした雰囲気の鑑賞用音楽としても適している
► 演奏ポイント
‣ 1-4小節(序奏)
・曲頭から4分音符の刻みによる伴奏形が出てくるが、音楽が縦割りにならないように
・音楽を横へ引っ張る意識を持つ
・「丁寧に作るけれどもスケール大きな音楽」を目指す
・2小節目の左手のスラーが付いている部分は、メロディが伸びている箇所で動く合いの手要素なので、少し抽出する
・4小節目のアルペッジョは、鋭くならずに、ゆっくりめにパラッと入れる
‣ 5-12小節(練習番号A)
・6小節目の上段内声のDes音は、左手で取っても構わない
・その小節の pp の部分は極めて柔らかく
・メロディのGes音が伸びているのを聴きながら、邪魔しないように弾く
・8小節目の pp も同様に
・12小節1-2拍目のGes音とDes音は、手が届く場合は左手で取っても構わない
・そうすることで右手のポジション移動がなくなるので、メロディをより滑らかに演奏することができる
・12小節3-4拍目は、A音とAs音が同時に出てきたりと、ぶつかって聴こえるかもしれない
・これは、アッパー・ストラクチャー・トライアドと言い、ジャズやポピュラー音楽では度々見られるもの
・きついタッチにせず、柔らかく響かせる
‣ 13-20小節(練習番号B)
・13小節目からのメロディはより一層太い音で
・指圧を深めに演奏する
・16小節2拍目のF音は左手で取ることで、右手のポジション移動が小さくなり、弾きやすくなる
・17小節2拍目のF音も同様に
・18小節3-4拍目のハモリは前半部分のヤマなので響かせる
・ただし、ただの音のカタマリにならないよう、トップラインのメロディを多めに響かせることが重要
・直後の soave は極めて柔らかく
・音域が高いので目立ちやすいが、これはメインメロディではない
‣ 21-28小節(練習番号C)
・21小節目からは2人の掛け合いのように
・片方が歌ったらそれに応えるように反応してあげる
・ここからの左手のテヌートスタッカートはタッチのニュアンスの意味なので、ペダルで音が繋がっても構わない
・25小節3-4拍にはA音とAs音が同時に出てくるが、このAs音は♯9というテンションノート
・「ぶつかるけども味のあるサウンド」に耳を傾ける
・難しく考え過ぎず、柔らかく響かせることを優先する
・28小節目は cresc.の最中だが、内声が強過ぎるとメロディが分からなくなるのでコントロールする
・具体的には、2拍目は控えめにし、3-4拍目で cresc.するイメージで
‣ 29-35小節(練習番号D)
・30小節目のクレッシェンドは一旦小さめ(mp くらい)から始めるのを推奨
・1番カッコの小節は、「たっぷり → 巻いて → poco rit.」という、「slow → fast → slow」の速度法で
・2番カッコの小節は、3拍目裏のEs音は左手でとると弾きやすくなる
‣ 36-45小節(練習番号E エンディング)
・39小節3拍目はペダルを離し、1-2拍目の響きを消す
・ポツンと語りたいところ
・41小節1-2拍の上段Des音も左手で取る
・そうすることで、直前からの右手のポジション移動がなくなるので、メロディを滑らかにつなげることができる
・41小節目から42小節目への移り変わりにおけるDes音の連打は、リズムに注意
・書かれているリズム通りにきっちり弾くと、そっけなく響いてしまう
・8分音符のDes音の直後にわずかな時間をとって、鋭いリズムにならないようにする
・44小節目からは「Tempo Free」だが、はじめから遅過ぎると、音楽の方向性が見えなくなる
・ここからの左手のスラースタッカートはタッチのニュアンスの意味なので、ペダルで音が繋がっても構わない
・44小節目の上段のDes音は左手で取ると弾きやすくなる
・最後のアルペッジョは、その直前に一瞬の時間をとって「別の場所」で響いているようにする
► 終わりに
本記事の解説が、演奏をするうえでの参考になれば幸いです。また、ピアノ編曲を学ぶ方は、楽譜を分析学習する教材としてもぜひご活用いただけたらと思います。
関連内容として、以下の記事も参考にしてください。
【ピアノ】作曲・編曲テクニック 関係記事まとめ:入門から応用まで体系的に学ぶ
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