【ピアノ】ワンス・アポン・ア・タイム / ヤマハ出版・自編曲(上級):楽譜・音源・演奏ポイント
► はじめに:本記事の趣旨
本記事では、筆者がヤマハ出版向けに編曲したピアノソロ楽譜「ワンス・アポン・ア・タイム(Once Upon a Time)」について、楽譜の紹介・参考音源(YouTube)・演奏上のポイントをまとめています。
楽譜を手にされた方が練習をスムーズに進められるよう、セクションごとに具体的な演奏上の注意点を解説します。
想定演奏レベル:ツェルニー40番修了程度
演奏時間:約5分10秒
►「ワンス・アポン・ア・タイム」について
「ワンス・アポン・ア・タイム」は、東京ディズニーリゾートのナイトタイムエンターテインメント「ワンス・アポン・ア・タイム」で使用された楽曲です。シンデレラ城をスクリーンに見立て、ディズニーの物語世界が映し出されるショーのためにアレンジされた楽曲群で構成されており、壮大な「オープニング・ファンファーレ」から始まり、「時間におくれた」「ズオウとヒイタチ(『くまのプーさん』より)」「奇蹟の変身」など、各物語のテーマ音楽を経て、タイトル曲「ワンス・アポン・ア・タイム」へと帰ってくるメドレー構成になっています。
本編曲はその流れを再現し、「オープニング・ファンファーレ → ワンス・アポン・ア・タイム → 時間におくれた → ズオウとヒイタチ → 奇蹟の変身 → ワンス・アポン・ア・タイム」という構成でアレンジしました。ピアノ1台の編成でありながら、場面ごとにキャラクターや物語が切り替わる劇的な展開が、この編曲の大きな聴きどころです。
► 楽譜と参考音源
‣ 楽譜
本編曲は以下の楽譜集に収録されています。
発表会で演奏効果を狙いたい方や、ショーの感動をピアノ1台で再現したい上級者の方に最適な一冊です。
東京ディズニーリゾート(R) 35周年 ”ハピエストセレブレーション!” ミュージック・アルバム / ヤマハ
‣ 参考音源
ピアノで綴る、ディズニーの詩|名曲6曲セレクション(ヤマハ出版 自編曲)
「ワンス・アポン・ア・タイム」は、16:42からです。概要欄のタイムスタンプからすぐに再生できます。
► この編曲の活用例
本編曲は以下のような場面での活用を想定しています。
中上級者以上のレパートリーとして:
・発表会での演奏レパートリーとして
・難易度は高めで「ツェルニー40番修了程度」だが、仕上がれば場面転換も多く聴き応えがある
編曲学習の教材として:
・アンサンブルで演奏する作品をピアノソロとしてどのように成立させるか
・場面転換など、編曲上のアイデアを学ぶ参考資料としても活用可能
BGMとして
・ディズニーの世界観をピアノソロで楽しむ鑑賞用音楽としても適している
► 演奏ポイント
‣ オープニング・ファンファーレ
・曲頭のファンファーレは、固く正しいリズムで
・特に16分音符が前に寄ってしまうと、だらしない印象になる
・指先を立て気味にして弾く(併読推奨記事:金管楽器の響きをピアノで再現する方法)
・3,6小節のグリッサンドは、必ずしも拍通りにピッタリ入れなくても構わない
・上行は右手で弾き、着地点の音を左手で鳴らした後、左手で下行を弾く
・下行後の着地点は、自由で構わない
・3小節目はC音に着地、6小節目はD音に着地がおすすめ
・9小節目の後半、もしくは10小節目からテンポを少しゆるめる
‣ ワンス・アポン・ア・タイム(11小節目〜)
・11小節目ではペダルを踏み替える指示がある
・ただし、10小節目のペダルを残したまま、11小節目を弾き始めてもよい
・原曲でも聴かれる、オーバーラップしている感じを出せる
・15小節目からは「歌の表現」を意識し、メロディは多少自由に弾く
・メトロノームに合わせたような弾き方にならないように
・18小節1-2拍目はペダルなしで、3拍目から踏む
・20小節目は、3拍目はペダルなし
・21小節目のメロディはリズムを自由に扱う
・特に、付点が鋭くならないように
・この小節の1拍目はペダルなし
・28小節目も、1拍目はペダルなし
・35小節目は、伸びているメロディのFisを聴き続ける
・内声の動きは静かに
・特に各拍裏の音は大きくならないように注意する
・40小節目は、ペダルを踏み替えて、フェルマータのD音をソロにする
・小音符は、5音ずつ「左手から」始める
‣ 時間におくれた(41小節目〜)
・41小節目からは、ダイナミクスの対比を明確に表現する
・40小節目までの表現と対比にするため、テンポも出来るだけ上げる
・併読推奨記事:【ピアノ】確実にテンポを上げるための完全ガイド
・43-44小節の左手の運指は、「32131|231312」
・44小節4拍目では、左手の内容が右手のAis音に受け渡されている
・50小節目から出てくる16分音符の連続は、運指をきちんと決めてから拍頭止め練習する
・併読推奨記事:【ピアノ】拍頭止め:速いパッセージを確実に攻略する練習法
・60小節目のクラスターは、指定より1オクターヴ下辺りで弾いてもよい
・いずれにしても、mp か mf でやや加減して響かせる
‣ ズオウとヒイタチ(61小節目〜)
・61小節目からは、スラーがついている箇所に注意する
・それ以外の音は、ノンレガートで
・64-65小節の3回出てくる装飾音は、軽めに弾く
・ここのメロディは、「上行 上行 下行」と3回目の表情が変化しているのを意識する
・67小節目 sfz は、サプライズ
・叩かずに、鍵盤のすぐ近くからつかみ取るように弾く
・70小節目のアクセントが書かれている部分はメロディ
・すべての音を強く弾いてしまわないように
・75小節目の下行してくる音群は、1オクターヴ下げて演奏してもよい
・79小節目の sfz の直前のC音は、どちらも左手でとると、sfz のポジション移動が容易になる
‣ 奇蹟の変身(80小節目〜)
・85-88小節は、メロディの発音ごとにペダルを踏み替える
・88小節4拍目の運指は、「1542」
・89小節目からは、アクセントがついているメロディ音を際立たせる
・90小節目は、4度の和音についているが、C音を際立たせる
・91小節4拍目の右手の運指は、「1323」
・92小節4拍目の運指は、「1343」
・96小節目の左手の運指は、「4213 5313 5212」
‣ ワンス・アポン・ア・タイム(103小節目〜)
・103-104小節の右手の駆け上がりは、強くなりすぎないように
・メロディが聴こえるバランスを配慮する
・106小節目は、3拍目はペダルなし(休符を活かすため)
・108小節目も同様に
・110小節目は、1拍目はペダルなし(濁りを避けるため)
・この小節は、2分音符で伸びているメロディを良く聴く
・112小節目からは、左手の音域が広く、やや弾きにくい
・難しく感じる場合は、左手のみ先に暗譜してしまうのを推奨
・123小節2-4拍目は、両手で分担すると弾きやすくなる
・126-127小節は、曲頭のファンファーレの注意点と同様に
・130小節1拍目で鳴らされる右手の和音はメロディではないので、大きくなりすぎずに
・136小節目のグリッサンドは、3拍目から弾くように記譜してある
・一方、もっと勢いよく上がるために、4拍目から弾いても構わない
► 終わりに
本記事の解説が、演奏をするうえでの参考になれば幸いです。また、ピアノ編曲を学ぶ方は、楽譜を分析学習する教材としてもぜひご活用いただけたらと思います。
関連内容として、以下の記事も参考にしてください。
【ピアノ】作曲・編曲テクニック 関係記事まとめ:入門から応用まで体系的に学ぶ
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