【ピアノ】「ピアノ・デュオ作品事典」(松永晴紀 著)レビュー

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【ピアノ】「ピアノ・デュオ作品事典」(松永晴紀 著)レビュー

► はじめに

 

1991年の初版刊行以来ロングセラーとなっている本書は、ピアノ・デュオ作品に関する包括的な日本語ガイドブックです。増補改訂版では収録作品数が倍以上に増え、さらに充実した内容となりました。

 

・出版社:春秋社
・初版:1991年
・増補改訂版:2004年
・ページ数:472ページ(旧版261ページから大幅増)
・サイズ:13×19cm(ハンディサイズ)
・対象レベル:初級~上級者

 

ピアノ・デュオ作品事典 著:松永晴紀 / 春秋社

 

 

 

 

 

► 内容について

‣ 本書の特徴

· 圧倒的な情報量の増加

 

増補改訂版では、旧版と比べて情報量がほぼ倍増しています:

・収録作曲家 – 212人(旧版141人から71人増)
・収録作品 – 743タイトル(旧版300タイトルから443タイトル増)
・総ページ数 – 472ページ(旧版から約200ページ増)

 

· 掲載されている7つの重要情報

 

本書では、各作品について以下の詳細な情報が提供されています:

・曲の内容 – 楽曲情報が簡潔に示されている
・連弾/2台ピアノの区別 – 演奏形態が明確
・オリジナル曲/編曲の区別 – 編曲に関しても、作曲者によるか他者によるかの区別が明確
・楽譜の出版元 – 国内版と輸入版の両方を網羅(出版当時のものなので、あくまで参考程度に)
・パートごとの難易度 – 5段階評価でプリモ / セコンド別に表示
・およその演奏時間 – プログラム作成に便利

 

‣ 本書の強み

 

演奏時間の記載

各楽曲に演奏時間が記載されているのは、コンサートやレッスンの選曲において非常に実用的です。記載されていない類書もある中で大きな利点と言えます。

 

パート別難易度表示

パート別(プリモ / セコンド、第1ピアノ / 第2ピアノ)で技術的な難易度を5段階表示されているので、レベルに合わせた曲選びが容易になります。

難易度のめやす:

【1】バイエル終了程度
【2】チェルニー30番/ソナチネ・アルバム(やさしいもの)
【3】チェルニー40番/ソナチネ~ソナタ・アルバム
【4】ショパン「エチュード」(やさしいもの)
【5】非常に難しい

 

ハンディサイズで持ち運びやすい

13×19cmというコンパクトなサイズで、楽譜店や図書館への持参にも便利です。

 

‣ 収録方針

 

編者は実際に楽譜を入手し、現物を確認したうえで作品を厳選しています。主要作曲家のオリジナル作品を網羅しつつ、編曲作品でも興味深いものは積極的に取り入れています。

ただし、以下のものは原則として割愛されています:

・教則本の類(指の練習を目的としたもの)
・交響曲・協奏曲・弦楽四重奏曲などの編曲
・オブリガート付独奏曲
・アンソロジー(複数作曲家の曲集)

 

► 終わりに

 

743タイトルという膨大な作品数は、「デュオレパートリーが中々広がらない」という現状を打破するのに十分過ぎるほど。演奏時間やパート別難易度など、実用的な情報が豊富に盛り込まれており、ピアノ・デュオ作品の宝庫への扉を開く格好のガイドブックです。

ピアノのアンサンブルの楽しみを広げ、生涯にわたってピアノを楽しむための一冊として、ぜひ活用してみましょう。

 

推奨記事:【ピアノ】ピアノ音楽事典系5冊の徹底比較レビュー:学習目的別の選び方ガイド

 

ピアノ・デュオ作品事典 著:松永晴紀 / 春秋社

 

 

 

 

 

 


 

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