- 【ピアノ】先生に聞けない素朴な疑問10選:真面目に答えるQ&A集 vol.2
- ► はじめに
- ► 質問集
- ‣ Q1. 練習していない週でも、レッスンに行っていいですか?
- ‣ Q2. レッスンを休みたいとき、理由はどこまで正直に話すべきですか?
- ‣ Q3. 演奏発表会、出たくないけど断れますか?
- ‣ Q4. 発表会での服装について先生に聞きたいけど迷惑でないか?
- ‣ Q5. 個人レッスンで自分だけ質問が多いと感じるが、他人の目を気にすべきか?
- ‣ Q6. 演奏発表会で他の生徒さんと仲良くなるにはどうしたらいいですか?
- ‣ Q7. レッスンを録音してもいいですか?
- ‣ Q8. 先生に対して、趣味やプライベートを聞いてもいいのでしょうか?
- ‣ Q9. 音楽理論は覚えたほうがいいですか?
- ‣ Q10. レッスンを辞めたいけど、どう切り出せばいいか?
- ► 終わりに
【ピアノ】先生に聞けない素朴な疑問10選:真面目に答えるQ&A集 vol.2
► はじめに
・「こんなこと、先生に聞いていいのかな…」
・「ググっても明確な答えが出てこない…」
レッスンに通っていると、技術的な質問以外にも、先生との関係性や教室でのマナーについて悩むことがあります。こういった聞きにくいけれど実は気になる疑問に、真面目に答えます。
本記事では「教室生活」に関する質問を中心に扱います。レッスンに通っている方はもちろん、スポット(単発)レッスンを受ける独学の方にも参考になる内容です。
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【ピアノ】先生に聞けない素朴な疑問10選:真面目に答えるQ&A集
► 質問集
‣ Q1. 練習していない週でも、レッスンに行っていいですか?
結論:予約済みのレッスンであれば顔を出す。ただし話題の準備は必要
スポットレッスンで練習していないことはまずありませんが、月謝制で毎週通っている場合には起こり得ます。
対応のポイント
すでに予定されているレッスンなら、顔を出しましょう。楽曲の進捗がなくても、以下のような有意義な時間にできます:
・今後の練習方針の相談
・次の曲選びの相談
・技術的な悩みの質問
・音楽史や演奏解釈の話
重要な心構え:
・先生任せにせず、自分で話題を用意する
・「何もやってきていません。先生、何か用意してありますよね?」という姿勢は絶対にNG
やってはいけないこと
「練習していないのでレッスン日をずらしてください」は避けましょう。月謝には先生の時間確保も含まれているため、直前のキャンセルや変更は迷惑になります。また、休んでも返金はされません。
‣ Q2. レッスンを休みたいとき、理由はどこまで正直に話すべきですか?
結論:正直に話す。そもそも、話しにくいような予定を後から入れない
変な嘘をつくと管理が大変になるため、正直に話すことをおすすめします。
伝え方の注意点
避けるべき理由の伝え方:
・「友人との予定が入ったので」(後から入れた他の人間関係を優先)
・曖昧な体調不良の連発(信頼を損なう)
誠実な伝え方:
・「家族の用事で」「冠婚葬祭で」など、やむを得ない理由は正直に
・「体調不良で集中できそうにないため」具体的に
根本的な解決策
原則として正直に伝えればいいのですが、「後から入った他の人間関係を優先したいから」などの理由だと、先生はいい気分がしません。「どうキャンセルするか」ではなく、そのような休み方はそもそもしないようにスケジュールを管理しておきましょう。
‣ Q3. 演奏発表会、出たくないけど断れますか?
結論:断れるが、単に「出たくない」ではなく、代案を提示するべき
発表会への参加は強制ではありません。ただし、単に「出たくない」で終わらせず、建設的に話し合いましょう。
まず、理由を明確にする
出たくない理由の多くは:
・習い始めたばかりでまだ自信がない
・発表会費用が負担
・人間関係の問題
代案を添えた断り方(例)
ケース1:自信がない場合
「今回の発表会は見送らせていただき、初めての本番はもっと少人数の集まりから始めてもよろしいでしょうか?」
ケース2:費用の問題
「年に2回は経済的に負担なので、今回は遠慮し、冬の発表会に参加させていただく形でもよろしいでしょうか?」
ケース3:人間関係の問題
「発表会は遠慮させていただきたいのですが、自分で○○という外部のイベントを見つけたので、そちらに参加してみてもいいでしょうか?」
なぜ、代案が必要か
「発表会がある」ことは入会前に確認できる事項です。それを承知で入会している以上、何らかの形で本番経験を積む姿勢を示すことが誠実な対応といえます。
‣ Q4. 発表会での服装について先生に聞きたいけど迷惑でないか?
結論:遠慮なく質問してOK
発表会の服装は教室ごとに「文化」があります。全員正装、カジュアルOK、混在型など様々です。
効果的な質問の仕方:
・「毎年、皆さんはどのような服装で出演されていますか?」
・「初めてなので、服装の雰囲気を教えていただけますか?」
先生の役割として
ピアノの先生は、初めて発表会に出る生徒に対して:
・精神的なサポート
・本番でのマナーや身のこなし
・ステージ上での注意点
これらを教えるのも仕事のうちです。遠慮せず相談しましょう。
‣ Q5. 個人レッスンで自分だけ質問が多いと感じるが、他人の目を気にすべきか?
結論:自分のレッスン時間内なら気にしなくてOK。ただし工夫は必要
レッスン形態別の対応
ケース1:時間枠が明確に決まっている場合
・「15:00〜15:45」など明確な場合
・その時間内なら他の生徒の目は気にしなくてよい
・次の生徒が早く来て待っていても問題なし
ケース2:時間枠が曖昧な場合
・「16:00〜19:00の間に来てください」方式
・来た順にレッスン、明確なレッスン時間の区切りなし
・この場合は自分の前回までの平均時間を把握し、それを超えないよう配慮
効率的な質問のコツ
時間が決まっていても、すべての質問ができるとは限りません:
・質問に優先順位をつける(重要度の高いものから)
・先生の説明を遮らない(タイミングを見計らう)
質問が多いこと自体は悪いことではありません。ただし「聞き方」の工夫で、限られた時間を最大限活用しましょう。
‣ Q6. 演奏発表会で他の生徒さんと仲良くなるにはどうしたらいいですか?
結論:自分から話しかける+アンサンブル共演の提案
同じ教室に通う仲間との交流は、モチベーション維持にもつながります。
2段階アプローチ
ステップ1:発表会当日に自分から話しかけ、顔見知りになっておく
ステップ2:次回はアンサンブル共演を提案
・連弾や2台ピアノでの共演を持ちかける
・一緒に練習する過程で自然と仲が深まる
・演奏機会も効率的に増やせる
教室によっては、一つの発表会でソロ+デュオの両方で出演できる場合があります。先生に確認してみましょう。
筆者の経験から
この方法は筆者も実践した経験があり、音楽仲間を作るのに最も効果的でした。単純に演奏経験を増やしたい方にもおすすめです。
‣ Q7. レッスンを録音してもいいですか?
結論:指導者による。必ず事前許可が必要
レッスンの録音については、指導者によってOK/NGが大きく分かれます。
絶対にやってはいけないこと
無断録音は絶対にNG:
・こっそり録音してネットに公開
・他の生徒に音源を貸す
・発覚すると信頼が完全に失われる
正しい手順
初回レッスン時、または早めに確認:「復習のためレッスンを録音させていただいてもよろしいでしょうか?」
使用目的を明確に:「自分の学習のためだけに使用し、復習後は削除します」
許可が出たら守るべきルール:
・個人学習のみに使用
・第三者への共有厳禁
・復習後は速やかに削除
注意点
録音の許可が出ても、レッスン中の集中が第一です。録音に頼り過ぎて「後で聞けばいい」という姿勢にならないよう気をつけましょう。
‣ Q8. 先生に対して、趣味やプライベートを聞いてもいいのでしょうか?
結論:内容と関係性による。基本は公開情報の範囲内
生徒が先生に興味を持つことで学習が長続きするのは事実です。ただし、距離感には注意が必要です。
質問していい内容・タイミング
OK な質問:
・趣味について(音楽以外も)
・好きな作曲家や演奏家
・公式プロフィールに明確に記載されている内容の深堀り(ただし、学歴については避けておく)
慎重に扱うべき内容:
・年齢、生年月日
・家族構成
・収入に関わること
・恋愛・結婚に関すること
重要な判断基準
「ホームページやSNSに書かれていない情報には、原則触れない」のがマナーの基本です。例えば、生年月日が書かれていないのであれば、「ちなみに、おいくつですか?」などときいてはいけません。
「書かれていないから知りたい」ではなく、「書かれていないから、念のため聞かないほうがいい」と理解しましょう。あらゆることを知ったうえで習いたいのであれば、初めからそういった情報を公開している先生を探すべきです。
質問のタイミング
少なくとも数ヶ月は通い、ある程度の関係性ができてからにしましょう。初回や2回目のレッスンで踏み込んだ質問は避けるべきです。
‣ Q9. 音楽理論は覚えたほうがいいですか?
結論:目標のために必要なら学ぶ。そうでなければ不要
音楽理論は「手段」であり、「目的」ではありません。
学ぶべきケース
以下のような明確な目標がある場合:
・ピアノアレンジで質の高いレパートリーを作りたい
・楽曲分析を深めて演奏解釈に活かしたい
・作曲や即興演奏に挑戦したい
・音大受験や専門的な学習を目指している
学ばなくていいケース
以下のような漠然とした理由の場合:
・「何となく必要そう」
・「将来、何かの役に立つかも」
・「教養として知っておきたい」
特に大人の学習者は時間が限られています。「目標のためのインプット」を前提としないと、どれだけ時間があっても足りません。
学習のタイミング
「今の自分には何が足りないか」を実感してから学び始めるのが最も効率的です。必要性を感じてから学ぶと、吸収率が格段に上がります。
推奨記事:【ピアノ】演奏者のための音楽理論学習法:4つのポイント
‣ Q10. レッスンを辞めたいけど、どう切り出せばいいか?
結論:レッスンの冒頭で、スマートに伝える
退会は珍しいことではありません。指導歴の長い先生は何度も経験しています。
伝えるタイミング
レッスンの冒頭がベスト
・レッスン時間内で話し合いが完結する
・レッスン後だと、先生の次の予定を圧迫する可能性
スマートな言い回し
× 避けるべき表現: 「辞めたいです」(「い+です」は、幼稚な印象)
◯ おすすめの表現:
-「来月からお暇をいただいてもよろしいでしょうか」
-「○月をもって退会させていただきたいのですが」
理由の伝え方
正直に話してOKな理由:
・仕事や家庭の事情で時間が取れなくなった
・経済的な理由
・一度独学で試してみたい
・引っ越し
慎重に扱うべき理由:
・「先生が嫌い」などの人間関係
・この場合は「個人的な事情で」とぼかすのも一つの方法
退会のハードルを下げる事前準備
実は、入会時にできる工夫があります。それは「辞める可能性があることを事前に伝えて入会する」という方法です。詳しくは以下の記事を参照してください。
【ピアノ】先生の選び方・正しい門のくぐり方・その後の付き合い方
► 終わりに
本記事で扱った10の質問に共通するのは、「コミュニケーションと配慮」の重要性です。
ピアノのレッスンは技術習得だけでなく、人間関係を学ぶ場でもあります。本記事の内容を通して、よりスマートで健全な音楽ライフを送っていきましょう。
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