【ピアノ】J.S.バッハ シンフォニア 第2番 BWV788 全運指付き楽譜と練習のコツ

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【ピアノ】J.S.バッハ シンフォニア 第2番 BWV788 全運指付き楽譜と練習のコツ

► はじめに

 

J.S.バッハ「シンフォニア 第2番 BWV788」は、他の対位法的なシンフォニア作品と比較して、ホモフォニー(主旋律と伴奏)の要素が強めに現れた興味深い作品です。

本記事では、この楽曲に取り組む方のために、「全運指」を付けた楽譜を提供し、練習のヒントも解説していきます。

 

►「全運指」の解説

 

この楽曲はパブリックドメインです。運営者が浄書ソフトウェアで作成した楽譜を使用しています。

J.S.バッハ シンフォニア 第2番 BWV788 全運指付き楽譜(1ページ目)

J.S.バッハ シンフォニア 第2番 BWV788 全運指付き楽譜(2ページ目)

J.S.バッハ シンフォニア 第2番 BWV788 全運指付き楽譜(3ページ目)

 

運指について重要な注意点

この運指は一例です。手の大きさや個人差に合わせて調整してください。また、どのようなアーティキュレーションを付けるのかによっても適切な運指は変わります。お手持ちの楽譜の内容と照らし合わせながら、必要に応じて参考にしてください。

 

► 具体的な練習のヒント

‣ 適切なテンポ設定

 

推奨テンポ設定:

練習開始時:♩. = 50-56(正確性と安定性重視)
中間段階:♩. = 56-62(表現力の向上期)
目標テンポ:♩. = 63(ヘルマン・ケラー提案)

 

なぜ、このテンポが適切なのか:

ヘルマン・ケラーが提案する ♩. = 63 は、以下の特徴があります:

・楽曲の持つメランコリックな表情を活かせる速度
・多出する16分音符が無理なく演奏でき、かつ、流れも保てる速度

 

‣ 演奏上の重要なポイント

· テーマの表現とバランス

 

譜例(曲頭)

シンフォニア 第2番 冒頭テーマの骨格音と装飾音の関係を示した譜例

譜例の部分が曲頭のテーマですが、特に1小節目のダイナミクスバランスについて理解しておきましょう。

 

テーマの骨格音「Do-Mi-So」(レッド音符):

・これらの音はテーマの構造的支柱
・上行する音程感を意識する
・他の装飾的な音よりも若干強調

 

注意すべき音のバランス:

軸になる骨格音(レッド音符):テーマの骨格をなす音
連打音(ブルー音符):同音が連打する特徴を含むので、ブルー音符がレッド音符よりも大きくならないようにする
装飾的な音(小音符):流れの中で下降する裏の音なので、直前の音よりも大きくならないようにする

 

ロマンティックに抑揚をつける必要はありません。しかし、上記の内容を踏まえたうえで各音程関係を踏まえた演奏をすることで、音楽的なテーマ演奏になります。楽曲中にテーマは何度も出てきますが、他の箇所でも基本的な考え方は同様です。

 

· 16分音符パッセージの処理

 

基本認識:多出するすべての16分音符パッセージは装飾的性格を持ち、主題ではない

 

演奏上の注意点:

・軽やかさの維持:「つなぎ」なので、決して重くならず「通り過ぎる」感覚で
・両手の受け渡し:継ぎ目でギクシャクしないよう滑らかに
・全体の流れとの調和:16分音符部分が取ってつけたように聴こえないよう、前後の音楽的文脈を常に意識

 

► 終わりに

 

本作品は、音符自体は込み入っているように感じるかもしれません。しかし、ホモフォニー(主旋律と伴奏)の要素が強めに現れた作品でもあるため、シンフォニアの中では初期のほうで取り組んでみるのもいいでしょう。

この作品についてさらなる演奏ヒントが必要な方は、以下の解釈版を参考にしてください。

 

・園田高弘 校訂版 J.S.バッハ シンフォニア BWV787−801

 

 


 

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この記事を書いた人
タカノユウヤ

ピアノ情報メディア「Piano Hack | 大人のための独学用Webピアノ教室」の運営をしたり、音楽雑誌やサイトなどでピアノ関連の文筆を手がけています。ピアノ音楽の作曲や編曲もしています。
受賞歴として、第88回日本音楽コンクール 作曲部門 入賞 他。

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