【ピアノ】サティ作品の演奏ポイント解説集:譜例付き実践ガイド
► はじめに
本記事では、サティのピアノ作品における実践的な演奏アドバイスをまとめています。各曲の重要なポイントを、譜例とともに具体的に解説していきます。
この記事は随時更新され、新しい作品や演奏のヒントが追加されていく予定です。
► 小品
‣ 3つのジムノペディ 第1番
譜例(PD楽曲、Sibeliusで作成、1-12小節)
1-4小節の上段に「全休符」が入っていることに注目してください。
なぜ声部分けしてまで全休符が入っていると思いますか?
サティは作曲段階から、この右手の和音を「伴奏」だと想定しているのです。聴衆は、5小節目でメロディが出てきたときに初めて、「今まで聴いていたのは伴奏だったんだ」と気づくわけですね。
もちろん、すでに有名な楽曲なので多くの方が知っていますが、「音楽の作りの話では」という意味です。この楽曲を全く知らない聴衆は、曲頭の和音それ自体を旋律だと思うはずです。
旋律かと思ってしまう伴奏であり、旋律かと思っていた部分が伴奏だったと後から説明される。音楽の作りのアイディアとして面白いと思いませんか?
(再掲)
譜例を見ると、曲頭からずっとFis音がトップノートに来ていますね。これがずっと続いていきます。
いつも聴こえるこのFis音を均等に響かせていくことが重要。
どれか一つだけ大きく飛び出てしまったり鳴り損なったりすると非常に目立つので、ニュアンスに気をつけて練習しましょう。
► 終わりに
サティの作品には、独特の音楽語法と表現技法が詰まっています。
本記事では、実践的な演奏アプローチを紹介していますが、これらはあくまでも一つの解釈として捉えていただければと思います。
今後も新しい作品や演奏のヒントを追加していく予定ですので、定期的にご確認いただければ幸いです。
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