♬「若いピアニストへの手紙」とは
「若いピアニストへの手紙」は2004年に日本語版が出版された、
ピアノ練習の参考書です。
最初には指揮者「小澤征爾 氏」の推薦文が掲載されているほか、
多数の音楽家がその内容を絶賛しています。
「ピアノ椅子への座り方」などの意外に見落としがちな基礎をはじめ、
「同音連打」「アルペッジョ」「トリル」など
演奏面での注意点を
表現面とテクニック面とをからめて解説されています。
ボリュームは「117ページ」と非常にコンパクト。
重要な項目のみが譜例とともに厳選紹介されています。
独学の方にとっては非常に読み進めやすいボリューム。
「推薦文」「序文」の後には、
「ある人生」
「教育」
という2項目で、まずは「筆者の音楽観」について語られています。
次に
「自由さ、あるいは足かせのない音」
という項目で
「姿勢」「椅子への座り方」「発音動作」などの基礎に入っていきます。
その後、もっと演奏の内部の内容に入っていきます。
「テクニックの獲得」「練習方法」
など、学習者にとって興味をそそられる内容も用意されています。
♬ 筆者「ジャン・ファシナ」について
ジャン・ファシナは1936年に生まれたフランスのピアニスト。
「パデレフスキー」の弟子であり、
自身も「ミシェル・ベロフ」などのピアニストを育てた優れた音楽家・教育者です。
♬ 読者の対象レベル
「入門が終わった段階(ソナチネ導入程度)から上級者」
まさにこのブログとほぼ同じ対象者向けです。
◉ 譜例と文章で学んでいける年齢の方
でしたら、問題なく読み進めていくことができます。
逆にいうと、
楽典にも載っているような楽譜の読み方を
イチから手取り足取り教えてくれるタイプの書籍ではありません。
テレビ番組で
「スーパーピアノレッスン」
「ピアノのおけいこ」
などを観て学んでいるようなイメージです。
♬ この書籍のオススメポイント
内容が専門的であるにも関わらず非常に読みやすく、独学者に適していること。
読みやすい理由は大きく次の4点。
◉ 譜例がきちんと明示されていること
◉ ひとつの項目に重点を置きすぎず、各項目をワンポイントアドバイスのように扱っていること
◉ 高度な内容を、学習者の目線でわかりやすく語ってくれていること
特に、
「高度な内容を学習者の目線でわかりやすく語ってくれている」
というのはポイント。
例えば、他の多くの書籍で書かれがちな
「スケールの時には、指の角度はこれくらいで、ここの筋肉を意識して…」
などというのは、書籍のみで完全に理解するのはムリです。
一方、この書籍では
「親指が他の指の下をくぐっているタイミング」
などといったように、
言葉の使い方が
直感的にわかりやすい段階まで落とし込まれています。
♬ この書籍のウィークポイント
オススメポイント満載のこの書籍にも、
一点だけウィークポイントがあると言えるでしょう。
これは、オススメポイントと表裏一体なのですが、
各項目をワンポイントアドバイスのように扱っていることで
読みやすくなっている反面、
徹底的にひとつの項目の課題を克服したい学習者には向いていません。
♬ 書籍ポイントのまとめ
最後にポイントをまとめます。
◉ 対象者は「入門が終わった段階(ソナチネ導入程度)から上級者」
◉ 内容が専門的であるにも関わらず、非常に読みやすく独学者に適している
◉ 徹底的にひとつの項目の課題を克服したい学習者には向いていない
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筆者が執筆しているピアノ関連書籍に加え、
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