【ピアノ】100%完璧に出来ないと「出来ません」になってしまうのは無駄な完璧主義

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【ピアノ】100%完璧に出来ないと「出来ません」になってしまうのは無駄な完璧主義

► はじめに

 

「100%完璧に出来ない」という理由で「出来ない」と思い込み、新しい取り組みを先延ばしにしていませんか。本記事では、多くのピアノ学習者が陥りがちな「完璧主義の罠」から抜け出すためのちょっとしたヒントを紹介します。

ピアノ学習において、「まだ準備が足りない」「もっと練習してから」「100%完璧になってから挑戦しよう」という考えが、我々の腰をさらに重くして成長を妨げていることがあります。

 

► 100%を目指すと、ずっと事前準備期間になる

 

ピアノ学習において、以下のような場面で完璧主義が顔を出すことはあるでしょう:

自分にとっての難曲への挑戦
少し手を出したはいいものの、難しい一部のみに気持ちをダウンさせられて、全部意味ないと思い辞めてしまう

楽曲分析への挑戦
和声分析ばかりに焦点を当ててしまい、和声の知識が無いことを理由に、分析全てを避けてしまう

ピアノ音楽の作曲や編曲への挑戦
「和声学をもっと学んでから」「多分、作っても恥ずかしくてボツにしてしまうから」と創作活動を始められない

高度な音楽書籍への挑戦
「まだ基礎が足りないから」と高度な専門書に手を出さず、コンフォートゾーンばかりに留まってしまう

 

「一部分でも中途半端な部分が残るのであれば、時間と労力がもったいないから全てやらない」となってしまう思考です。このように完璧主義に縛られると、「100%出来ないから」という理由で「出来ません」という結論に結びつけてしまいます。しかし、それではずっと「準備段階」から抜け出せなくなり、実際の挑戦の機会を逃してしまうでしょう。

 

► 完璧主義の罠から抜け出す方法:ゼロイチで考えない

‣「失敗」を学習プロセスの一部として受け入れる

 

よく、赤面しそうになる言葉に「失敗の数だけ前へ進む」などというものがありますが、あれは本当だと思ってください。筆者は、音楽学習において失敗は貴重な学びの機会だということを実感しています。数え切れない失敗や試行錯誤を経てはじめて、行動・考え方・学習方法などを改めることができました。

 

‣「70%の準備で30%は挑戦しながら学ぶ」という考え方

 

完璧な準備を整えてから挑戦するのではなく、ある程度の準備ができたら実際に取り組んでみるという姿勢が重要です。例えば、難曲に挑戦する場合、1ランクか2ランク程度上のもの(全音ピアノピースの難易度表などでイメージ可能)であれば、ガンガン挑戦してみてもいいでしょう。また、現時点でのその仕上がりが100%理想である必要は全くありません。

これは楽曲分析や作曲においても同様です。完璧な理論知識を身につけてから取り組むのではなく、現在の知識で分析や創作を始めてみましょう。分からない部分が出てきたら、一度ぶん投げておいてもOKですし、その都度参考書なども併用しながらスローペースで学んでいくという姿勢でもいいでしょう(参考書探しのヒント:レベル別:ピアノ独学者のための学習参考書籍ライブラリー)。

 

‣ 小さな「不完全な成功」を積み重ねる

 

大きな目標に一気に到達しようとするのではなく、小さな目標という階段を設定して、それを一つずつクリアしていく方法が現実的です。段階を踏むことで、「不完全ながらも前進している」という実感が得られ、モチベーションの維持にもつながるでしょう。

例えば、難曲に挑戦する場合の具体的な知識については、以下の記事で解説しています。

【ピアノ】難曲に挑戦するための全知識:挫折しない譜読みと練習法

 

► 実践的なアプローチ:完璧主義と上手く付き合う方法

‣ 時間制限を設ける

 

「この曲の分析に◯時間だけ取り組む」
「今日は◯分だけこの難しい部分を練習する」
「この曲へは、とりあえず◯日間向き合う」

など、時間制限を設けることで、完璧を求め過ぎる傾向を抑制できます。制限時間内でできる最善を尽くし、そこでいったん区切りをつけましょう。

 

‣ 他者の「完璧に見せかけた発信」を無視する

 

多くの方は、うまくいった部分だけを共有するものです。その発信を見て前向きになれるのであればいいですが、そうでないのであれば、スルーしましょう。

 

‣ プロセスに価値を見出して幸せになる

 

結果だけでなく、取り組む過程自体に価値を見出しましょう。例えば、高度な書籍を前にして「どうすれば読み切れるか」「どうすれば読み始める前の腰が上がるか」などと考える過程で深まるライフハックなど、「完璧な理解」や「完璧な演奏」や「完璧な分析」以外の価値を意識することが重要です。とにかく、そういったことも含めて楽しんでやるに限ります。

 

► 筆者自身の経験から

 

このWebメディアを以前からご覧の方はすでに気づいていると思いますが、筆者は完璧主義やりません。自分の言いたいことがある程度まとまったら、ガーンと記事を出してしまいますし、譜例以外の画像はほとんど使わないようにしています。

「もっと完璧な内容や派手な画像や『てにをは』を徹底して記事を書かなければ」などと考えたら、まず自分がやっていて楽しく無いですし、記事数も増えないでしょう。実際、「70%程度の完成度で公開する」という方針に切り替えてから、ピアノや音楽学習に関する様々なテーマについて発信できるようになりました。

どんなに「より読者が集まる方法」があっても、自分にとって続く方法でやらなければ個人メディアとしては意味ありません。

 

► 終わりに

 

「不完全でもやってみる」という姿勢を持つことで、ピアノ学習はより豊かで実りあるものになるはずです。ゼロイチ思考を避けて、もっと頭と心を柔軟に音楽学習に取り組んでみましょう。

完璧主義を捨てたい方は、以下の記事も参考にしてください:

【ピアノ】完璧主義と折り合いを付けてガンガンに音楽書籍を読み進める方法
【ピアノ】音楽書籍の読書が2時間の昼寝になってしまった時の心の持ち方

 


 

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この記事を書いた人
タカノユウヤ

ピアノ音楽(ピアノソロ、ピアノが編成に入った室内楽 など)に心惹かれ、早何十年。
ピアノ音楽の作曲・編曲が専門。
物書きとしては楽譜だけでなく文章も書いており、
音楽雑誌やサイトなどでピアノ関連の文筆を手がけています。
Webメディア「大人のための独学用Webピアノ教室」の運営もしています。
受賞歴として、第88回日本音楽コンクール 作曲部門 入賞 他。

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