【初心者必読】楽曲分析の始め方 〜つまずかないための導入ガイド〜
► この記事で学べること
・楽曲分析が演奏力向上につながる理由
・分析を始める具体的な手順
・よくある不安や躊躇の解決法
・挫折しないための4つの実践的アドバイス
► なぜ、楽曲分析が必要なのか
楽曲分析の具体的なメリット
・楽曲の構造をより深く理解できる
・各音の役割を見抜けるようになる
・楽典で学習したことを実践的に活用できる
・分析内容を演奏や作曲・編曲に活かせる
演奏への実践的な効果
たとえば、モーツァルトのソナタを練習する際、
単に音を追うだけでなく、主題の反復やフレーズの構造を理解することで:
・練習時間を大幅に短縮できる
・より確実な暗譜が可能になる
・演奏の解釈に根拠を持てる
重要な心構え
分析で得た知識は、演奏のための直接的な指示ではなく、楽曲理解を深めるための手段として捉えましょう:
・見つけた特徴を自身の解釈に取り入れる過程を楽しむ
・同じ作曲家の他の作品でも同様の分析を試みる
・作曲家特有の手法を探求する楽しみを見つける
► よくある3つの躊躇と解決法
1. 何から始めればいいか分からない
→ 次の「ファーストステップ」で具体的な手順を示します。誰でも始められる方法があります。
2. 時間がかかりそう」という懸念
→ 段階的アプローチで、各学習段階を5-10分程度の短時間で行うことが可能です。
3. 「難しそう」という思い込み
実は、ピアノ学習者は既に無意識に分析をしています:
・曲の繰り返しを見つける
・メロディとそれ以外を区別する
・盛り上がりどころを感じ取る
これらも立派な分析です。和声分析だけが楽曲分析ではありません。
特徴
・基本的な音楽用語(トニック、ドミナントなど)以外の難しい理論知識は不要
・各回5-10分程度で学習可能
・実践課題と解答例付き
・どの回からでも学習可能(ただし、①から順に進むのがおすすめ)
► 導入した直後に気をつけるべき4つのこと
‣ まずは1曲の分析だけを目指す
初心者がつまずく主な原因は、目標を高く持ち過ぎることです:
・いきなり高度な分析本に手を出してしまう
・難しい楽曲に挑戦してしまう
・すべてを演奏に活かそうとしてしまう
どんなに小さな作品でも、まずは1曲を完全に理解することを目指しましょう。
‣ 慣れるまでは大まかに見る
スーパーマーケットでの健康的な買い物と同じように、まずは「外回り」で見ていきます:
音楽の「外側」とは:
・曲全体の構成
・主要なメロディラインの流れ
・大きな転換点
・繰り返しのパターン
小説を読むときも、最初から一字一句を分析せず、まずはストーリーを楽しむように、
音楽も全体の流れをつかむことから始めましょう。
詳細はいったん、ぶん投げておいてください。
‣ 分析入門段階では、和声分析は無視する
和声分析に必要以上にとらわれないことが、継続の秘訣です:
・知識不足で挫折する主な原因が和声分析
・記号化することが目的化しやすい
・まずは曲の流れを大づかみに感じ取ることを優先
‣ 理論知識の不足を気にしない
基礎的な楽典の知識があれば、高度な理論がなくても十分に分析は可能です。
和声記号を付けることだけが楽曲分析ではありません。
ここを、ぜったいに勘違いしないようにしてください。
作品そのものの中に、和声というものも、対位法というものも含まれています。
例えば、クレメンティの「ソナチネ Op.36-1 第1楽章」を例に挙げます。
譜例(PD楽曲、Sibeliusで作成、曲頭)
曲頭にカギマークで示した「C-durの主和音の分散和音によるメロディ」が出てきますが、
これは、広義で見た場合における楽曲の中にある和声の一種。
また、4小節目に矢印で示した「被って出てくる、追っかけ」がありますが、
これも、広義で見た場合における楽曲の中にある対位法の一種。
作品を通して、まずはざっくりとつかんでいくことを繰り返していくと、
段々と理論的な内容の感覚が理解出来てきます。
そういったことを繰り返した上で、やっぱり音楽理論の学習が必要だと思えば、
その時は腰を上げて学べばOK。
► まとめ
楽曲分析入門は、決して難しいものではありません。
自身の音楽理解を深め、演奏をより豊かにするためにも、気軽に始めてみましょう。
【おすすめ参考文献】
初級用教材を使って楽曲分析を深く学びたい方へ:
・大人のための独学用Kindleピアノ教室 【シューマン ユーゲントアルバム より メロディー】徹底分析
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