【ピアノ】メンデルスゾーン作品の演奏ポイント解説集:譜例付き実践ガイド
► はじめに
本記事では、メンデルスゾーンのピアノ作品における実践的な演奏アドバイスをまとめています。各曲の重要なポイントを、譜例とともに具体的に解説していきます。
この記事は随時更新され、新しい作品や演奏のヒントが追加されていく予定です。
► 無言歌集 第1巻 Op.19
‣ 狩の歌 op.19-3
譜例(PD楽曲、Finaleで作成、1-2小節)
丸印をつけた「休符」を見てください。
この楽曲の攻略のカギは「リズム表現」。
「リズム表現」と「休符のとり方」は密接に結びついています:
・「休符がどこから始まってどこで終わるか」で「前後の音符の長さ」が決まる
・「音符の長さ」が決まると「リズムの締まり方」が決まる
したがって、この楽曲のような締まっていてキビキビとしたリズムを活かしたい時には、「休符や音価をきちんととる」ということが極めて重要です。
► 無言歌集 第2巻 Op.30
‣ ベニスの舟歌 op.30-6
譜例(PD楽曲、Finaleで作成、7-10小節目の右手)
このようなシンプルかつ叙情的なメロディでは、抑揚の付け方に細かな注意を払いましょう。以下、具体的に見ていきます。
7-8小節目にかけてメロディでCis音が5連続しますが、決して同じ音質で並べないように。
・一番長い音価
・小節頭
この2点を考慮すると、8小節目の頭のCisに一番重みが入ります。8小節目の四角で囲ったCis音は裏にある短い音価なので、決して大きく飛び出ないように。
丸印で囲った二つの音が、7-10小節のメロディの中でのヤマ。ここへ向けて指圧を深くします。
10小節目の頭のCis音はフレーズ終わりの音なので、おさめましょう。
► 無言歌集 第5巻 Op.62
‣ 春の歌 op.62-6
譜例(PD楽曲、Finaleで作成、35-43小節)
カギマークで示したように、3回繰り返した音型を、39小節目後半からは「4回」繰り返して盛り上げています。したがって、繰り返しにあわせて「段階的に」ダイナミクスを上げていくという解釈もアリでしょう。
繰り返しの39小節2拍目裏からは「和音と単音との連結」になりますが、「メロディラインのつながり」が悪くならないように注意しましょう。
► 終わりに
メンデルスゾーンの作品には、独特の音楽語法と表現技法が詰まっています。
本記事では、実践的な演奏アプローチを紹介していますが、これらはあくまでも一つの解釈として捉えていただければと思います。
今後も新しい作品や演奏のヒントを追加していく予定ですので、定期的にご確認いただければ幸いです。
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