【ピアノ】演奏や創作における巨匠からの理想的な影響の受け取り方

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【ピアノ】演奏や創作における巨匠からの理想的な影響の受け取り方

► はじめに

 

ピアノを学ぶ過程において我々は多くの巨匠の演奏や作品に触れますが、その影響をどのように取り入れるべきでしょうか。単に表面的な模倣に留まるのではなく、もっと別の形での影響の受け取り方について考えてみましょう。

 

► 模倣を超えた創造的な影響

 

巨匠の演奏や作品を聴いた時、多くの人はまず「この演奏のように弾きたい」「このような作品を作りたい」と思い、何かしらの真似を始めるはずです。それもある時期には大事なことなのですが、音や技術の表面的な模倣ではなく、その音楽を生み出した創造力や情熱そのものから影響を受けることには、より大きな喜びがあります。

デーヴィッド・バーネットが著書「ピアノによる音楽の演奏」で述べているように:

(以下、抜粋)
作曲者の創造力を感じとることによって、演奏者は、作品を生みだした刺激の強さを推しはかる。それから、それと同じような刺激を、自分の経験のなかに探しもとめて、作曲者の創造力と、自分の創造力とを比べてみる。
(抜粋終わり)

 

この言葉は、我々が巨匠から学ぶべきは「どのように弾くか、作るか」だけでなく、「生み出したというエネルギーそのもの」、また「なぜそのように弾くのか、作るのか」という内面的な動機や創造のプロセスだということを示しています。

 

・ピアノによる音楽の演奏 著:デーヴィッド・バーネット 訳:大場哉子 / 音楽之友社

 

 

 

 

 

► エネルギーの源泉を探る

 

筆者の知り合いに、とても小柄な身体から想像できないほどパワフルな音楽を生み出す方がいます。直接話していても影響を受けますが、日頃その作曲家の音楽そのものに触れる度、どこにこれほどまでのエネルギーを秘めているのだろうかと心を動かされます。

自分自身のピアノ練習や創作においても、同様の問いかけをしてみましょう:

・この巨匠はどのような感情や思いからこの表現を生み出したのだろうか
・その創造の源となった体験や感情に、自分の中で共鳴するものはあるか
・自分ならではの経験を通じて、どのようにこの作品に新たな命を吹き込めるか

加えて、細かなことを考えずに「その音楽を生み出したというエネルギーそのもの」から励まされる時間も大切です。

 

► 実践的なアプローチ

 

巨匠の演奏から創造的に影響を受けるための具体的な方法をいくつか挙げてみましょう:

深い傾聴:同じ作品の複数の演奏を比較し、それぞれの解釈の違いやその背景にある芸術的意図を考察する
文脈の理解:作曲された時代背景や作曲家の人生経験を学び、作品が生まれた歴史的・感情的文脈を把握する
自己反映:「この音楽が自分に呼び起こす感情は何か」「自分の人生経験とどう結びつくか」を内省する
創造的な対話:楽譜と演奏の間にある「余白」に、自分の解釈や感覚を注ぎ込む

 

► 終わりに

 

巨匠から学ぶとは、ただの技術の模倣ではなく、その創造の源となったエネルギーや情熱から刺激を受け、自分自身のパワーへと昇華させることです。ピアノを弾いたり、ピアノ音楽を創造する際には、巨匠たちが何世代にもわたって積み重ねてきた創造の連鎖の一部になるのだという意識を持ち、その熱量を自らの音楽に反映させていきましょう。

「独学で学ぶ」ということの意味はここにあると考えてください。

 


 

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この記事を書いた人
タカノユウヤ

ピアノ音楽(ピアノソロ、ピアノが編成に入った室内楽 など)に心惹かれ、早何十年。
ピアノ音楽の作曲・編曲が専門。
物書きとしては楽譜だけでなく文章も書いており、
音楽雑誌やサイトなどでピアノ関連の文筆を手がけています。
Webメディア「大人のための独学用Webピアノ教室」の運営もしています。
受賞歴として、第88回日本音楽コンクール 作曲部門 入賞 他。

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