「楽曲分析(アナリーゼ)」は、上手に活用することで、楽曲理解を深めて演奏の質も高められる大切な手段。
今回は、この「楽曲分析」をより効果的に行うためのちょっとしたコツについてお話しします。
「楽曲分析(アナリーゼ)」は、出来る限り、2段階に分けて行ってみてください。
なぜ、2段階に分けるのか
実は、分析のタイミングによって得られる情報が変わってくるんです。
そのため、以下の2段階での取り組みをおすすめします。
・譜読み前の「ざっくりとした分析」
・譜読み後の「腰を入れた分析」
譜読み前の分析でチェックしたいポイント
ざっくりとした分析では、以下のような項目に注目してみましょう。
・楽曲形式は?(ソナタ形式?ロンド形式?など)
・調性はどう変化する?
・大きな区分けは?(提示部、展開部、再現部など)
・テンポ変化はどこにある?
このように最初は「森を見る」感覚で、大きな流れを把握することを意識してください。
分析本の活用について
ざっくりとした分析の際は、軽めの内容で作られている分析本を活用するのも一つの手。
例えば、モーツァルトのピアノソナタの場合は
「モーツァルト ピアノソナタ 形式の分析による演奏の手引き」著 : ヨセフ ブロッホ、中村 菊子、木幡 律子 / 全音楽譜出版社
という書籍が、この段階の参考教材に適しています。
「全構成分析は書かれているけれども、それ以外の内容はシンプル」という特徴があり、
最初の分析での道しるべとして活用しやすいんです。
◉ モーツァルト ピアノソナタ 形式の分析による演奏の手引き 著 : ヨセフ ブロッホ、中村 菊子、木幡 律子 / 全音楽譜出版社
譜読み後の分析では
楽曲理解が深まった段階で、もう一度分析をしてみましょう。
このタイミングでは、先ほどの分析本を読み返すのはもちろん、より詳しい解釈本や分析本にも手を伸ばしてみてください。
もちろん、自分で手を動かしながら考えるアプローチも忘れずに。
きっと、最初の分析では気づかなかった新しい発見があるはずです。
実践のためのワンポイント
・新しい作品を練習する際は、まず概観分析から始めてみる
・気付いたことはメモを取る習慣をつけてみる
・複数の分析本を比較してみるのも良い学習になる
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