ある音を弾くときに
「音を弱めるか、強めるか、そのままか」
というのは
演奏者の解釈に任されているところもありますが、
作曲家の書いた楽譜を見る限り
どうするべきか明らかなものもあります。
例えば、以下のような例。
譜例(PD作品、Finaleで作成、9-10小節)
四角で示した付点2分音符は
どことなくおさめてしまいそうになりますが、
よほど強い意図がない限りは
弱めないほうが得策。
なぜかというと
周辺に比べていちばん音数が多く厚い和音なのに
弱めてしまうと
音楽エネルギーの逆をいってしまうから。
「音の厚み」というのは
音楽エネルギーを読み取る重要な指標になります。
「音が厚くなっていくのに、ダイナミクスは弱くしていく」
という、あえて逆をいくような表現は
戦後の現代曲などでは多く出てきます。
しかし、
こういったメロディックでオーソドックスな作品では
原則、音の厚みはエネルギーに沿っていくと考えていいでしょう。
力のある作曲家が書いた作品であれば。
(再掲)
最後に、ちょっと演奏ポイントを。
四角で示した付点2分音符は
4音からなる手を開く和音ですが、
直前のメロディF音を「3の指」で用意しておけば
ポジションの移動なく
シャキンと音を出すことができます。
mf で堂々と音を出しましょう。
Amazon著者ページ
https://www.amazon.co.jp/~/e/B0CCSDF4GV
X(Twitter)
https://twitter.com/notekind_piano
YouTube
https://www.youtube.com/channel/UCBeXKaDXKd3_oIdvlUi9Czg
無料トライアルで読み放題「Kindle Unlimited」
筆者が執筆しているピアノ関連書籍に加え、
数多くの電子書籍が読み放題になるサービスです。
コメント