【ピアノ】先生に聞けない素朴な疑問10選:真面目に答えるQ&A集 vol.11

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【ピアノ】先生に聞けない素朴な疑問10選:真面目に答えるQ&A集 vol.11

► はじめに

 

・「こんなこと、先生に聞いていいのかな…」
・「ググっても明確な答えが出てこない…」

こういった、聞きにくいけど実は気になるピアノ関連の疑問に、真面目に答えます。レッスンに通っている方はもちろん、スポット(単発)レッスンを受ける独学の方にも参考になる内容です。

 

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► 質問集

‣ Q1. レッスン料の支払いを「お釣りが出ないように」するのは、生徒側の配慮?

 

結論:原則、お釣りが出ないようにすべき

 

レッスン料は事前に分かっています。前もって準備する時間も十分にあります。特に個人の先生の場合、常にお釣り用の現金を用意しているわけではありません。

現金支払いの場合は、お釣りが出ないように準備し、封筒に入れて渡すのがマナーです。これは信頼関係を築くうえでの基本的な配慮といえます。

 

レッスン代の渡し方についてさらに詳しく

・封筒は何を使えばいい?
・お札は新しいものを用意すべき?
・いつ渡すのがベストなタイミング?

このような疑問をお持ちの方は、【ピアノ】ピアノレッスン代の上手な渡し方:失礼にならず、自然にを参考にしてください。

 

‣ Q2. レッスンで使った筆記用具や楽譜を先生の家に忘れた場合、すぐ連絡すべき?

 

結論:メールかメッセージですぐに連絡を入れる

 

電話だと他の予定を邪魔する可能性があるため、メールかメッセージで連絡するのがベストです。

 

急ぎでないものを忘れた場合

「来週のレッスンまで預かっていただくことは可能でしょうか?」と相談しても失礼ではありません。

楽譜など、練習に必要なものを忘れた場合

取りに行くことになります。レッスン会場を離れて数分の状態であれば、すぐに戻っても構いませんが、次のレッスンが始まっている可能性もあるため、「30秒で立ち去る」ことを心がけましょう。時間を空けて取りに行く場合は、メールかメッセージで相談してください。

注意点

「着払いで郵送していただけますか?」など、相手に負担をかける依頼は避けましょう。忘れ物の責任は自分にあることを忘れずに。

 

‣ Q3. 楽譜のページめくりを先生に手伝ってもらうのはOK?

 

結論:お願いするのは控えめに

 

生徒の譜面台を先生も見ながらレッスンしている場合は、何も言わなくても先生がめくってくれることがあります。

しかし、先生が別の楽譜を使っている場合は、原則として自分でめくることになります。この場合、「ページをめくっていただけますか?」とお願いするのは避けたほうが良いでしょう。

 

理由:

・同じレイアウトの楽譜でない限り、めくる場所を先生が毎回確認する必要がある
・立ち上がるなどの手間が発生する

自分でめくるポイントを決めておき、素早くめくる練習をしておきましょう。

 

‣ Q4. レッスンで指導した内容を先生はどこかに記録している?

 

結論:指導者によって異なる

 

全く記録しない指導者もいれば、細かく記録している指導者もいます。

筆者の場合、音楽学校でのレッスン内容は電子記録で管理しています。レッスン内容や備忘録としてメモを残しますが、日記のように詳細に書くことはしていません。

記録の有無や詳細度は、指導者の方針や教室の運営スタイルによって大きく異なります。

 

‣ Q5. 練習中に「これでいいのかな?」って不安が尽きない

 

結論:漠然とした不安は気にせず進むが、具体的な疑問には立ち止まる

 

自分の表現している音楽に不安を感じることは自然なことです。しかし、演奏でも作曲でも、「とりあえず、これで次へ進もう」と決断しないと前に進めません。

 

対処法:

・漠然とした不安は気にせず、とりあえず先へ進む
・本当に気になる箇所は、レッスンなどで相談して解決する

 

立ち止まるべき具体的なケース

「ここは弾きにくいけど、運指が良くないのかもしれない」といった具体的な疑問がある場合は、しっかりと立ち止まって解決策を探すことが大切です。「これで行く」と納得できるまで検討しましょう。

漠然とした不安と、解決すべき具体的な問題を区別するのがポイントです。

 

‣ Q6. ピアノ音楽史を学ぶ際、どの時代の音楽から手をつけるべき?

 

結論:チェンバロからピアノへの移行期から始めるのがおすすめ

 

時間が限られている方向けの学習法

まず自分が今学習している楽曲とその作曲者について、周辺情報を詳しく調べましょう。これを楽曲が変わる度に繰り返すことで、自然と知識が広がっていきます。

 

体系的に学びたい方へ

音楽史は断片的な知識だけでなく、それぞれの内容が時系列に並んで整理されていることが重要です。

推奨する学習の起点として、チェンバロからピアノへの移り変わりの時期から、時系列に学習していくのがおすすめです。それ以前の時代にも鍵盤楽器は存在し、ピアノへのつながりを知ることは有意義ですが、ピアノ学習では馴染みのある作品が少ないため、まずは後回しにして構いません。

 

効率的な学習教材

チェンバロからピアノへの移行期から近現代までの概略を、たった43ページで学べるコンパクトながら専門的な教材があります。詳しくは【ピアノ】ピアノ音楽史の要点を43ページで学ぶ方法をご覧ください。

 

‣ Q7. 音楽の専門用語の効率的な覚え方は?

 

結論:今演奏している曲に関連する用語だけを確実に身につける

 

音楽用語を効率的に覚えるには、どのような方法が最適でしょうか。最も効果的なのは、「今演奏している曲で実際に使われている用語だけを学び、それを確実に自分のものにする」という実践的なアプローチです。

 

具体的な学習例

例えば、ダカン「クラヴサン曲集 第1巻 第3組曲 かっこう ホ短調」を練習中であれば:

・ロンド形式
・ルフラン
・クプレ

このように、楽曲について調べる習慣をつければ、その曲を理解するために必要な用語が自然と見つかります。出会った用語だけを集中的に学ぶことで、効率よく知識を積み上げられます。

 

この覚え方が効果的な3つの理由

1. 記憶に定着しやすい

実際に演奏している曲と結びつけて学ぶことで、単なる丸暗記ではなく「自分に必要な生きた知識」として理解できます。体験と一体化した学習は、記憶への定着率が格段に高まります。

2. 忘れても思い出しやすい

もし用語を忘れてしまっても、「あのダカンの曲で出てきた用語」というように曲と紐づいているため、記憶を呼び起こすヒントがあります。さらに、その曲を演奏するたびに自然に復習できるのも大きな利点です。

3. 無理なく続けられる

一度に覚える用語の数が絞られているため、心理的な負担が軽く、学習を継続しやすくなります。「今日はこの3つの用語をマスターすればOK」という具体的で達成可能な目標が立てられます。

 

‣ Q8. 演奏会のプログラムノート(曲目解説)は、誰に向けて書くべき?

 

結論:演奏会の趣旨によって書き分ける

 

発表会やコンサートに出演する際、「一言メッセージ」や「曲目解説」の執筆を依頼されることがよくあります。これらはステージで読み上げられたり、プログラムに掲載されたりします。

プログラムノートの内容は演奏の印象を大きく左右します。言葉による情報は「演奏のプレゼンテーション」の一部なので、軽視できません。

 

プログラムノートを書く際の基本的な考え方

まず、その演奏会にはどのような聴衆が来場するのかを考えましょう。そのうえで、聴衆の知識レベルや関心に合った内容を選んで書くことが重要です。

例:一般的なピアノ発表会の場合

例えば、ピアノ教室の発表会であれば、聴衆の大半は「出演者の家族や友人」です。専門的な音楽知識を持っている方は少なく、楽器演奏の経験がない方も多いでしょう。このような場で「第二主題に登場するドッペルドミナントの処理が〜」といった専門用語を使っても、聴衆には伝わりません。意外とこのような「知識のひけらかし」をしてしまう方が多いので、注意が必要です。聴衆の立場に立った、分かりやすい言葉選びを心がけましょう。

 

‣ Q9. ピアノ教室のウェブサイトやSNSに、自分の演奏写真や感想が載ることを拒否できる?

 

結論:もちろん、断ることができる

 

指導者によっては、教室のウェブサイトやSNSに生徒の演奏写真や感想を掲載しているケースがあります。個人の大きな写真や個人の感想の場合は事前に連絡があると思いますが、集合写真の場合は事前連絡なく掲載されることもあります。

 

断り方のポイント

断ること自体は失礼ではありません。ただし、無下に「すべて下げてください」というのではなく、指導者とのコミュニケーションを大切にしながら伝えましょう。

 

丁寧な断り方の例

「ネット上に写真が残ることに不安を感じるので、下げていただけませんか?集合写真については、私の顔にぼかしを入れていただけるのであれば、掲載していただいて構いません」

「感想文は、フルネームではなくイニシャルで対応していただけますか?」

双方が納得できる落としどころを探る姿勢が大切です。

 

‣ Q10. ピアノをテーマにした映画について、どう評価している?

 

結論:映画として楽しむ姿勢で鑑賞すれば、非常に楽しめる

 

ピアノをテーマにした映画は数多く存在し、それぞれに興味深い魅力があります。

 

鑑賞する際の心構え

映画としてストーリーが進んでいくため、多くの作品では史実と異なる内容で描かれているケースもあります。あくまで映画として楽しむことを重視する姿勢で鑑賞することをおすすめします。

 

例:ベートーヴェンの伝記的映画

ベートーヴェンを題材にした有名映画だけでも、何種類もの作品があります:

・楽聖ベートーヴェン
・不滅の恋 ベートーヴェン
・敬愛なるベートーヴェン

これらを観比べてみるのも面白い取り組みです。同じ人物を題材にしていても、映画ごとに異なる視点や解釈があることを発見できます。

筆者は、この3作の中では「敬愛なるベートーヴェン」がお気に入りです。ベートーヴェンの晩年に焦点を当て、架空のコピスト(写譜師:作曲家が書いた楽譜を浄書する)であるアンナとの交流を通して、天才作曲家の内面世界と第九交響曲誕生の裏側を描いた作品です。第九の初演のシーンは涙を誘います。

 

鑑賞のポイント:

・音楽的な演出や表現技法に注目する
・史実との違いを楽しむ余裕を持つ
・映画独自の解釈や創作を受け入れる

ピアノや音楽を題材にした映画は、演奏技術や音楽史の学習とは別の角度から、音楽への理解や愛情を深めてくれます。

 

本Webメディアの 年代順:ピアノ関連映画ライブラリー というコーナーでは、数多く存在するピアノ関連映画の中から、音楽的演出や表現技法の観点で特に興味深い作品を厳選して紹介しています。

 

► 終わりに

 

先生に聞けないこと、ググってもあまり出てこないこと、たくさんあります。そんな小さな疑問を一つずつ解決していくことでピアノ学習を楽しくしていきましょう。

 

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この記事を書いた人
タカノユウヤ

ピアノ情報メディア「Piano Hack | 大人のための独学用Webピアノ教室」の運営をしたり、音楽雑誌やサイトなどでピアノ関連の文筆を手がけています。ピアノ音楽の作曲や編曲もしています。
受賞歴として、第88回日本音楽コンクール 作曲部門 入賞 他。

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