【ピアノ】書籍解説 :「ラヴェルのピアノ曲」ラヴェルの弟子による貴重な書籍資料

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本記事では、
ラヴェルの弟子による
ラヴェルに関する書籍資料について
書籍解説をしています。

 

ヴラド・ペルルミュテールは、

ラヴェルに直接師事したピアニスト。

よく知られている資料としては、

ペルルミュテール自身が校訂したラヴェルの楽譜があります。

音楽之友社から複数出版されており、

直接の弟子によるものということから

非常に信用できる内容となっています。

 

一方、

「ラヴェルのピアノ曲」
著 : エレーヌ・ジュルダン・モランジュ、ヴラド・ペルルミュテール 訳 : 前川 幸子 / 音楽之友社

という、

ペルルミュテールが関わっている

書籍としての資料も

日本語訳されて残されています。

 

ペルルミュテールと、

エレーヌ・ジュルダン・モランジュというラヴェルと親交のあったヴァイオリニスト

との対談形式。

 

ラヴェルが生きていた頃に

弟子のペルルミュテールへ伝えた内容を、

各ピアノ曲を順に話題に出して語られていきます。

例えば、次のように。

(以下、抜粋  対談Ⅱ ソナチネ より 第1楽章の話題)
ラヴェルが強く望んでいたのは、
第2テーマにある16分音符を、
とくに正確に弾くことでした。
それに8分音符は表情をつけてはいけません。
もし表情をつけると柔らかくなって、
ラヴェルが望んでいたリズムをなくしてしまいます。
(抜粋終わり)

 

どこのことを言っているのかが分かる具体的な譜例も

載っているので、

詳細は書籍で学習して欲しいと思います。

 

加えて、

「ここのアクセントは圧す力でつけるべき」
「ここは1小節1拍にとって速く弾く」

などといったように、

ペルルミュテールがピアニストとして

自身の意見でラヴェルの作品の演奏法を語っている部分からも

得られるものが多い。

 

几帳面さがふしぶしから伝わってくる

あのラヴェルでさえ、

「楽譜にはあのように書いたけど、少し変えてこうやってみて」

などと、

その瞬間の感覚で

自作品を柔軟に直しているエピソードも書かれているんです。

個人的に、非常に興味深い内容だと感じました。

 

全101ページの非常にコンパクトな書籍ですが、

内容が深く、信頼性もあり、対談形式で読みやすさもある

おすすめできる書籍。

ラヴェルのピアノ曲を学習したい方は

ぜひ手に取ってみてください。

 

◉ ラヴェルのピアノ曲 著 : エレーヌ・ジュルダン・モランジュ、ヴラド・ペルルミュテール 訳 : 前川 幸子 / 音楽之友社

 

 

 

 

 

 

 


 

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この記事を書いた人
タカノユウヤ

ピアノ音楽(ピアノソロ、ピアノが編成に入った室内楽 など)に心惹かれ、早何十年。
ピアノ音楽の作曲・編曲が専門。
物書きとしては楽譜だけでなく文章も書いており、
音楽雑誌やサイトなどでピアノ関連の文筆を手がけています。
Webメディア「大人のための独学用Webピアノ教室」の運営もしています。
受賞歴として、第88回日本音楽コンクール 作曲部門 入賞 他。

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