【ピアノ】ブルグミュラー25の練習曲修了後に弾きたいバロック名曲3曲:3分以内
► はじめに
・コンパクトで音楽的な初中級作品を探している
・一生のレパートリーになるような名曲を知りたい
・上級者だが、音楽作りを丁寧にやり直せる楽曲を求めている
こういった「知りたい」情報を全部集めました。
本記事では、短時間で演奏でき、かつ音楽的価値の高いバロック時代の名曲を3作品厳選して紹介します。どの作品もブルグミュラー25の練習曲修了程度の技術で取り組める、珠玉の名曲ばかりです。
► 厳選した3つの名曲
選曲基準:
以下の3つの観点から慎重に選曲しました:
1. 演奏しやすさ:技術的負担が適切で、楽曲が3分以内に収まること
2. 楽譜の入手性:信頼できる版が容易に入手できること
3. 音楽的価値:一生のレパートリーとして価値のある作品であること
また、J.S.バッハ「2声のインヴェンション」などの、どのサイトを見ても書かれているような作品は避け、もう少しマイナーでありながらも注目すべき作品を選びました。
難易度について
本記事では、ブルグミュラー「貴婦人の乗馬」を★★★☆☆として、5段階で各曲の難易度を表示しています。
‣ スカルラッティ「ソナタ ニ短調 K.9 L.413」
譜例(PD楽曲、Sibeliusで作成、曲頭)
難易度:★★★★☆(全音ピアノピース難易度C)
演奏時間:約1分30秒(リピート省略時)
作品概要:
ドメニコ・スカルラッティのソナタの中では有名な作品一つで、スカルラッティ入門曲としても親しまれています。短い楽曲でありながら、作曲家特有の技巧的なパッセージが効果的に配置されており、バロック音楽の醍醐味を味わえます。
推奨楽譜:
他のソナタも含まれている原典版を選ぶのがおすすめです。
・スカルラッティ ピアノソナタ選集 第2巻 ヘンレ原典版
単曲で手に入れたい場合は、全音ピアノピースを選ぶといいでしょう。
・スカルラッティ:ソナタ ニ短調 K.9(PP-415)
おすすめの学習アプローチ:
パターン1:原典版+全音ピアノピースの実用版
パターン2:全音ピアノピースの実用版のみ
このどちらかで学習するといいでしょう。原典版は信頼のおける楽譜ですが、演奏に必要な細かな解釈情報は書かれていません。したがって、上級段階へ入るまでは実用版も手に入れることをおすすめします。
‣ J.S.バッハ「フランス組曲 第5番 ガヴォット BWV 816」
譜例(PD楽曲、Sibeliusで作成、曲頭)
難易度:★★★★☆
演奏時間:約1分
作品概要:
フランス組曲全曲の中でも最も知られているのが、この明るく快活なガヴォットです。「フランス組曲 第5番」全体はツェルニー40番併用レベルの作品ですが、このガヴォットはブルグミュラー25の練習曲修了段階で演奏することができます。
推奨楽譜:
デジタルデータ(PDF)で手に入れたい方は、「ぷりんと楽譜」を利用するのもおすすめです。
原曲の楽譜に様々な解釈が補足された楽譜:» ガヴォット(解釈の補足多数)
紙の楽譜で手に入れたい場合は、フランス組曲全曲が収載されている原典版を選ぶといいでしょう。
・J.S.バッハ フランス組曲全曲 ヘンレ原典版
おすすめの楽譜チョイス:
パターン1:原典版+ぷりんと楽譜の実用版
パターン2:ぷりんと楽譜の実用版のみ
‣ ダカン「クラヴサン曲集 第1巻 第3組曲 かっこう」
譜例(PD楽曲、Sibeliusで作成、曲頭)
難易度:★★★☆☆(全音ピアノピース難易度B)
演奏時間:約2分
作品概要:
バロック時代の描写音楽として知られる作品です。かっこうの鳴き声を模倣した音型が現れ、聴衆にも親しみやすい楽曲です。ダカンの作品の中では最も演奏頻度が高く、発表会でも人気の高い作品です。
推奨楽譜:
デジタルデータ(PDF)で手に入れたい方は、「ぷりんと楽譜」を利用するのもおすすめです。
原曲の楽譜:» かっこう(原曲)
原曲の楽譜に様々な解釈が補足された実用版:» かっこう(解釈の補足多数)
紙の楽譜で手に入れたい場合は、全音ピアノピースを選ぶといいでしょう。解釈も補足もされている実用版です。
・ダカン:かっこう(PP-138)
► 作品比較表
曲名 | テン ポ |
特徴 | 重点練習ポイント |
---|---|---|---|
スカルラッティ ソナタ K.9 | 中程度 | スカルラッティらしい技巧的なパッセージを含む | 3度音程のバランスと装飾音処理 |
J.S.バッハ ガヴォット | 中程度 | 明るく快活な舞曲、フランス組曲の代表曲 | 音楽が重くならないように意識する |
ダカン かっこう | 速め | 描写的作品、かっこうの鳴き声の模倣 | 同音連打の技術と表現力 |
► まとめ
今回紹介した3作品は、いずれもブルグミュラー25の練習曲修了程度で取り組める、バロック時代の珠玉の名曲です。技術的な成長と音楽的な表現力の向上を同時に図れる、理想的なレパートリーと言えるでしょう。
発表会での活用法:
・単独での演奏はもちろん、組み合わせての演奏も効果的
・演奏時間が短いため、他の時代の作品との組み合わせも可能
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