【ピアノ】J.S.バッハ シンフォニア 第4番 BWV790 全運指付き楽譜と練習のコツ

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【ピアノ】J.S.バッハ シンフォニア 第4番 BWV790 全運指付き楽譜と練習のコツ

► はじめに

 

J.S.バッハ「シンフォニア 第4番 BWV790」は、対位法書法はもちろん、美しいメロディラインや半音階的な和声の魅力が織りなす名曲です。

本記事では、この楽曲に取り組む方のために、「全運指」を付けた楽譜を提供し、練習のヒントも解説していきます。

 

►「全運指」の解説

 

この楽曲はパブリックドメインです。運営者が浄書ソフトウェアで作成した楽譜を使用しています。

 

 

運指について重要な注意点

この運指は一例です。手の大きさや個人差に合わせて調整してください。また、どのようなアーティキュレーションを付けるのかによっても適切な運指は変わります。お手持ちの楽譜の内容と照らし合わせながら、必要に応じて参考にしてください。

 

► 具体的な練習のヒント

‣ 適切なテンポ設定

 

推奨テンポ設定:

練習開始時:♩= 40-48(正確性と安定性重視)
中間段階:♩= 46-52(表現力の向上期)
目標テンポ:♩= 54(ヘルマン・ケラー提案)

 

なぜ、このテンポが適切なのか:

ヘルマン・ケラーが提案する♩= 54 は、以下の特徴があります:

・楽曲の性格を活かす:この楽曲のメランコリックで内省的な美しさを損なわない
・技術的な安定性:速過ぎず遅過ぎず、正確な演奏を維持できる
・音楽的な流れ:各声部の対話が自然に聴こえ、半音階的な和声も丁寧に表現できる

 

‣ 演奏上の重要なポイント

· 先取りする音をしっかりと

 

譜例(曲頭)

レッド音符で示した部分は「シンコペーション(強弱の位置を本来の位置からズラして、リズムに変化を与えること)」と呼ばれる技法で、拍の強部を先取りする効果があります。

本楽曲では、全曲を通して多用されています。

 

演奏のコツ:

・明確な打鍵で:弱い音になってしまうと、アクセント部分がズレている意味が薄れる
・意識的に:この音がリズムの変化を生むことを理解して弾く

 

·「行って返ってくる」動きを軽やかに

 

譜例(曲頭)

レッド音符で示した音型は「行って返ってくる」典型的な動きであり、やはり全曲を通して多用されています。このような動きは重くなりがちなので、十分に注意して演奏する必要があります。

 

演奏のコツ:

重くならない:力を入れ過ぎず、自然な重量で弾く
通り過ぎるだけ:特別に強調せず、音楽の流れの一部として演奏

 

► 終わりに

 

以下のポイントを意識して練習を続けてください:

・段階的なテンポ設定:極端な背伸びをせず、段階的に上げていく
・シンコペーションの明確な演奏:この楽曲の特徴を活かす
・要る音と強調しない音の見極め:シンコペーションを明確に弾く代わりに、行って戻る動きは目立ち過ぎずに

 

この作品についてさらなる演奏ヒントが必要な方は、以下の解釈版を参考にしてください。

 

・園田高弘 校訂版 J.S.バッハ シンフォニア BWV787−801

 

 


 

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この記事を書いた人
タカノユウヤ

ピアノ情報メディア「Piano Hack | 大人のための独学用Webピアノ教室」の運営をしたり、音楽雑誌やサイトなどでピアノ関連の文筆を手がけています。ピアノ音楽の作曲や編曲もしています。
受賞歴として、第88回日本音楽コンクール 作曲部門 入賞 他。

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運指 - J.S.バッハ (1685-1750)
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