【ピアノ】J.S.バッハ インヴェンション全15曲 練習参考記事一覧と学習ガイド

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【ピアノ】J.S.バッハ インヴェンション全15曲 練習参考記事一覧と学習ガイド

► はじめに

 

J.S.バッハの「2声のインヴェンション」は、ピアノ学習者にとって必修ともいえる重要な作品集です。全15曲はそれぞれ異なる技術的・音楽的課題を持ち、段階的に学ぶことでバロック音楽の基礎から高度な表現技法まで身につけることができます。ただの練習曲ではなく、演奏会でも使える芸術的価値の高い楽曲でありながら、ピアノ演奏に必要な基礎技術を効率的に身につけることができる理想的な教材と言えるでしょう。

本記事では、インヴェンション全15曲の練習に役立つ記事をまとめました。これらの記事では、「全運指」公開やその他の練習のヒントまで、効率的かつ音楽的に学習を進められるよう構成しています。

 

► 練習参考記事一覧

‣ インヴェンションの入門者向け詳細解説シリーズ

 

インヴェンションに初めて取り組む方は、まず以下の4曲から始めることをおすすめします。これらは比較的取り組みやすく、インヴェンションの特徴を理解するのに最適です。

【ピアノ】インヴェンション入門!第1番 BWV772「全運指」公開
【ピアノ】インヴェンション入門!第4番 BWV775「全運指」公開
【ピアノ】インヴェンション入門!第8番 BWV779「全運指」公開
【ピアノ】インヴェンション入門!第13番 BWV784「全運指」公開

 

重要な注意点

上記の解説記事では、著作権に配慮し「原典版」の譜例を使用しています。これは楽曲自体はパブリックドメインですが、各出版社の解釈版には独自の表現記号等が含まれるためです。実際の学習では、下記で紹介する解釈版楽譜を用意してください。既に別の楽譜をお持ちの方は、それを使っていただいても構いません。

【ピアノ】園田高弘 校訂版 J.S.バッハ インヴェンション:独学学習者のための決定版

 

‣ 中級者向け詳細解説シリーズ

 

入門4曲を終えた方、または最初からより難しい曲に挑戦したい方向けの11曲です。各曲の練習のコツ等を解説しています。

【ピアノ】J.S.バッハ インヴェンション第2番 BWV773 全運指付き楽譜と練習のコツ
【ピアノ】J.S.バッハ インヴェンション第3番 BWV774 全運指付き楽譜と練習のコツ
【ピアノ】J.S.バッハ インヴェンション第5番 BWV776 全運指付き楽譜と練習のコツ
【ピアノ】J.S.バッハ インヴェンション第6番 BWV777 全運指付き楽譜と練習のコツ
【ピアノ】J.S.バッハ インヴェンション第7番 BWV778 全運指付き楽譜と練習のコツ
【ピアノ】J.S.バッハ インヴェンション第9番 BWV780 全運指付き楽譜と練習のコツ
【ピアノ】J.S.バッハ インヴェンション第10番 BWV781 全運指付き楽譜と練習のコツ
【ピアノ】J.S.バッハ インヴェンション第11番 BWV782 全運指付き楽譜と練習のコツ
【ピアノ】J.S.バッハ インヴェンション第12番 BWV783 全運指付き楽譜と練習のコツ
【ピアノ】J.S.バッハ インヴェンション第14番 BWV785 全運指付き楽譜と練習のコツ
【ピアノ】J.S.バッハ インヴェンション第15番 BWV786 全運指付き楽譜と練習のコツ

 

► 効果的な学習の進め方

 

ピアノ演奏の初中級者の方(ツェルニー30番入門〜程度)

まず「入門シリーズ」の4曲の中から選んで始めることをおすすめします。インヴェンションは古典派のソナチネとは全く異なる楽曲の作りをしており、異なる技術が求められます。焦らずに基本的な番号から取り組んでいきましょう。

 

中級者の方(ツェルニー40番中盤〜程度)

どの楽曲からでも挑戦可能ですが、対位法に慣れていない場合は「入門シリーズ」から始めるのも有効です。技術的には十分でも、バロック様式の理解が必要な場合があります。

 

上級者の方(ツェルニー50番中盤〜程度)

どの楽曲からでも学習可能です。既にインヴェンションを解釈版で学習済みの方は、原典版での学び直しをおすすめします。より深い音楽的理解が得られるでしょう。原典版を基本とし、必要に応じて複数の解釈版を比較検討してください。

 

おすすめの解釈版楽譜

特に初心者から中級者には「園田高弘 校訂版」が最適です。アーティキュレーションやその他の解釈の指針が詳しく記載されており、独学でも安心して学習できます。

 

► インヴェンション学習の意義

 

「2声のインヴェンション」がピアノ教育で重要視される理由は、基礎技術の習得と音楽性の向上を同時に実現できることにあります。

 

技術面での効果:

・複声部の独立した演奏技術
・様々な調性での練習
・さまざまなテンポやリズムパターンの習得
・カンタービレの表現、速いパッセージ
・左右両手の均等な技術発達
・精密な運指技術の確立

 

音楽面での効果:

・対位法の基本的理解
・バロック様式の表現技法
・歴史的演奏法への理解
・構造的な楽曲分析能力
・フレージングとアーティキュレーションのボキャブラリー増加

 

教材としての優位性:

・全15曲という適切な分量であり完走可能
・1曲2-3分程度のコンパクトな構成
・豊富な参考資料と録音の存在
・曲が魅力的で退屈しない
・練習曲でありながらレパートリーとしても成立
・他のJ.S.バッハ作品(平均律クラヴィーア曲集 等)への橋渡し

 

► よくある質問

 

Q:インヴェンションはどのくらいの期間で全曲マスターできますか?

A:個人差がありますが、週1曲のペースで進めると約4ヶ月程度が目安です。1曲1曲を徹底的に仕上げることを重視する場合は、1曲あたり3週間かけて細かく学んでいくといいでしょう。そうすると約1年間で終わります。

 

Q:原典版と解釈版、どちらを使うべきですか?

A:中級者までは解釈版から始め、必要に応じて原典版も併用することをおすすめします。最終的には両方を比較検討できるレベルを目指しましょう。

 

Q:J.S.バッハの作品に関して、「2声のインヴェンション」の後は何を学ぶべきですか?

A:まずは「3声のシンフォニア」、その後に「平均律クラヴィーア曲集」へと進むのが一般的な流れです。段階的にJ.S.バッハの世界を学習していきましょう。「平均律クラヴィーア曲集」まで到達した後は、「パルティータ」「イタリア協奏曲」「イギリス組曲」等、併用学習できる教材は多くあります。

 

► 終わりに

 

本記事で紹介した全15曲の詳細解説記事を活用し、段階的に学習を進めることで、バロック音楽の世界を体感できるでしょう。焦らず一曲一曲を丁寧に学習することが、確実な上達への道筋となります。

インヴェンションでの学びは、その後のシンフォニアや平均律クラヴィーア曲集への重要な基礎となります。この作品集を通じて身に付く音楽性と技術は、J.S.バッハの他の作品はもちろん、幅広いレパートリーの演奏において必ず活かされるでしょう。

 


 

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