【ピアノ】映画「アンナ・マグダレーナ・バッハの日記」レビュー:妻が語るJ.S.バッハの生涯

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【ピアノ】映画「アンナ・マグダレーナ・バッハの日記」レビュー:妻が語るJ.S.バッハの生涯

► はじめに

 

本作は、バッハの2番目の妻アンナ・マグダレーナの視点から、大作曲家ヨハン・セバスチャン・バッハの結婚後の人生を描いた伝記映画です。演出はストローブ=ユイレ夫妻が手がけており、意図的に抑制されたスタイルが特徴的な一作となっています。

 

・製作年:1968年(西ドイツ・イタリア合作)
・監督:ジャン=マリー・ストローブ/ダニエル・ユイレ(フランス人映画監督デュオ)
・上映時間:94分(モノクロ)
・鍵盤楽器関連度:★★★★☆


 

► 内容について

‣ 見どころ

 

大きな見どころは、バッハ役を演じるグスタフ・レオンハルトの存在です。後に古楽器演奏の巨匠となる彼が、バッハゆかりの地で実際に演奏する姿は、映像と音楽が一体となった贅沢な体験を与えてくれます。さらに、後の巨匠ニコラウス・アーノンクールも登場しており、クラシック音楽ファンにはたまらない顔合わせと言えるでしょう。

作中では、現代の我々がピアノで演奏する鍵盤楽器の音楽や、「マタイ受難曲」など、バッハの代表作を含む多くの作品が演奏されます。演奏シーンはナレーションを伴わないものも多く、純粋に音楽そのものに集中できる構成になっています。

 

‣ スタイルと注意点

 

映画全体はわずか100にも満たないショットで構成されており、劇的な演出や感情的な面の描出はほぼ皆無です。アンナ・マグダレーナ役のクリスチアーネ・ラング・ドレヴァンツによるナレーションが、バッハがどのような人間関係の中でどのように職を渡っていったかなど、彼の結婚時から死までの歩みを淡々と伝えていきます。ナレーションの内容は概ねバッハ研究の「故人略伝」に基づいており、史料的な信頼性も高いと言えるでしょう。

ドラマティックな展開を期待すると物足りなさを感じるかもしれませんが、バッハの音楽をじっくりと味わいながら、その生涯の背景を静かに知りたい方には最適な映画です。音楽史を学ぶというよりは、「ナレーションは音楽を楽しむための補足情報」という感覚で鑑賞すると、より豊かな映画体験が得られるでしょう。

 

► こんな方におすすめ

 

・J.S.バッハの音楽が好きな方
・古楽器演奏に興味がある方
・派手な演出より、静謐で知的な映画体験を求める方
・長い演奏シーンが中心なので、流しっぱなしにして「日常のBGM」としても使用できる作品

 

► 終わりに

 

「アンナ・マグダレーナ・バッハの日記」は、一般的な伝記映画とは異なる、非常に独自のスタイルを持った作品です。華やかな演技や劇的な展開よりも、バッハの音楽そのものを前景に置いた姿勢、モノクロの落ち着いた映像美の中で奏でられる名曲の数々は、まるでバッハの時代にタイムスリップしたかのような感覚を与えてくれます。


 


 

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