【ピアノ】「三枝成彰ピアノ曲集〜エチュード編」レビュー:難易度・収録曲・おすすめ場面を解説
► はじめに
本記事で分かること:
・「三枝成彰ピアノ曲集〜エチュード編」がどんな曲集か
・難易度の目安と、どんなレベルの学習者に向いているか
・全37曲の収録曲一覧(ソロ34曲+連弾3曲)
・この曲集が役立つ具体的な場面
基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 出版社 | カワイ出版 |
| 発売 | 1998年 / 2004年 |
| ページ数 | 64ページ |
| 対象レベル | 初級〜初中級 |
| 運指監修 | 横山幸雄氏(ピアニスト) |
| 構成 | ピアノソロ34曲 + 連弾3曲、全37曲 |
► 内容について
‣ この曲集の特徴と魅力
対位法・同音連打・転調・シンコペーションなどの練習曲から、沖縄・都節・民謡などの日本の音階、教会旋法まで、広範囲にわたる音楽をやさしい音遣いで体験できる1冊です。
このような趣旨の教則本は他にもあるにはあるのですが、本書ならではの利点があります。それは、同じ作曲者による「三枝成彰ピアノ曲集〜レパートリー編」と組み合わせることで学習効果が飛躍的に高まる点。レパートリー編では、ラグタイム、サンバ、ボサノヴァ、ブルース、演歌、レゲエ、タンゴ…などのジャンルにも広がるので、学習初期の段階から、幅広い音楽性に触れることができます。
エチュード編で技術・理論を磨きながら、レパートリー編から発表会用の1曲を選ぶ——そんな2冊並行のジャンルレスな学習スタイルが自然に成立します。
連弾曲には先生がメロディを弾き、生徒が伴奏を担当する通常とは逆のレイアウトのものも収録。日本の音階や教会旋法には簡潔な解説も付き、音楽理論の入口と実例としても機能します。
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‣ 難易度について
目安:ブルグミュラー25の練習曲入門程度〜
シューマン「ユーゲントアルバム Op.68」前半の難易度帯に近いイメージ
収録曲のほとんどは一定した難易度帯にまとまっており、極端に難しい曲はありません。例外として「練習曲27 ジプシー音階による小品」のみ、やや高度な内容となっています。
ソロ曲はすべて見開き2ページ以内の構成のため、演奏中のページめくりが不要。練習の集中を途切れさせないレイアウト設計も、この曲集の使いやすさに貢献しています。
‣ 収録曲一覧
| 練習曲 1 | 両手の動きの練習 |
| 練習曲 2 | 両手の平行進行による練習 |
| 練習曲 3 | 両手の3度、6度の動きの練習 |
| 練習曲 4 | ピアノで歌ってみよう |
| 練習曲 5 | お母さんといっしょに |
| 練習曲 6 | ピアノの子守唄 |
| 練習曲 7 | 2つの和音でどれだけのメロディが作れるか? |
| 練習曲 8 | 初めての対位法 |
| 練習曲 9 | 同じパターンの左手の練習 |
| 練習曲 10 | 同じパターンの右手の練習 |
| 練習曲 11 | 対位法の練習 【連弾】 |
| 練習曲 12 | 連弾のたのしみ 【連弾】 |
| 練習曲 13 | 和音の練習 1 |
| 練習曲 14 | 和音の練習 2 |
| 練習曲 15 | シンコペーションの練習 1 |
| 練習曲 16 | シンコペーションの練習 2 |
| 練習曲 17 | 和音の練習 1 |
| 練習曲 18 | 和音の練習 2 |
| 練習曲 19 | やさしい対位法 1 |
| 練習曲 20 | やさしい対位法 2 |
| 練習曲 21 | 律音階による小品 |
| 練習曲 22 | 沖縄音階による小品 |
| 練習曲 23 | 都節音階による小品 |
| 練習曲 24 | 民謡音階による小品 |
| 練習曲 25 | ドリアによる小品 |
| 練習曲 26 | エオリアによる小品 |
| 練習曲 27 | ジプシー音階による小品 ★ |
| 練習曲 28 | スコットランド音階による小品 1 |
| 練習曲 29 | スコットランド音階による小品 2 |
| 練習曲 30 | 両手の受け渡しの練習 【連弾】 |
| 練習曲 31 | 移調の練習 1 【連弾】 |
| 練習曲 32 | 移調の練習 2 【連弾】 |
| 練習曲 33 | 転調の練習 |
| 練習曲 34 | コラールの練習 |
| 練習曲 35 | アルペジオの練習 |
| 練習曲 36 | 同音連打の練習 1 |
| 練習曲 37 | 同音連打の練習 2 |
★「練習曲 27」のみ、他の曲よりやや難易度が高い
► 楽譜情報
・「三枝成彰ピアノ曲集〜エチュード編」 カワイ出版
► こんな方におすすめ
初級〜初中級者で、幅広いジャンルに触れておきたい方
クラシックに加え、それ以外の音階・様式感などに早い段階で触れておくことで、音楽的な幅が格段に広がります。
「レパートリー編」と組み合わせて学習したい方
組み合わせることで、クラシック+ノンクラシックの多スタイルを学ぶことができます。
ピアノ曲の作編曲に取り組みたい方の分析・参考教材として
各分野の典型的な特徴が凝縮されており、資料としてもずっと使い続けられる1冊です。
連弾を楽しみたい先生・生徒ペアに
先生がメロディを担当する逆連弾スタイルで、生徒の伴奏力と音楽的対話力を育みます。
► 終わりに
「三枝成彰ピアノ曲集〜エチュード編」は、技術練習にとどまらず、日本の音階や教会旋法、対位法といった多彩な音楽語法を、初級者が無理なく体験できるよう設計された曲集です。
コンパクトな64ページの中に、音楽の間口を広げるエッセンスが凝縮されており、純粋な練習曲集としてだけでなく、作編曲の参考資料としても長く手元に置ける1冊と言えるでしょう。
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