【ピアノ】J.S.バッハ シンフォニア 第7番 BWV793 全運指付き楽譜と練習のコツ
► はじめに
J.S.バッハ「シンフォニア 第7番 BWV793」は、3声のシンフォニアの中でも、緻密な対位法技法がとられている一曲として知られています。
本記事では、この楽曲に取り組む方のために、「全運指」を付けた楽譜を提供し、練習のヒントも解説していきます。
►「全運指」の解説
この楽曲はパブリックドメインです。運営者が浄書ソフトウェアで作成した楽譜を使用しています。
運指について重要な注意点
この運指は一例です。手の大きさや個人差に合わせて調整してください。また、どのようなアーティキュレーションを付けるのかによっても適切な運指は変わります。お手持ちの楽譜の内容と照らし合わせながら、必要に応じて参考にしてください。
► 具体的な練習のヒント
‣ 適切なテンポ設定
推奨テンポ設定:
練習開始時:♩= 42-48(正確性と安定性重視)
中間段階:♩ = 48-54(表現力の向上期)
目標テンポ:♩ = 56(ヘルマン・ケラー提案)
なぜ、このテンポが適切なのか:
ヘルマン・ケラーが提案する ♩ = 56 は、以下の特徴があります:
・本楽曲の持つ「エレジー的な深い表現」が活きる速度
・本楽曲の特徴である「非常に密な対位法書法」を明瞭に聴かせることができる速度
‣ 演奏上の重要なポイント
· テーマの入りに注意
譜例(24-26小節)
25小節目のレッド音符で示した音は、直前の付点2分音符G音の解決音であり、テーマはその直後の矢印で示した部分からです。解決音をテーマと混在して強く弾いてしまわないように注意が必要です。
このような注意点は本楽曲で何箇所も見られますが、特に譜例の部分のような「長く伸びている音符の解決音」には注意しましょう。
· その他の重要な演奏注意点
両手分担時の音色統一
一つのパッセージを部分的に両手で分担する箇所が要求されます。こういった部分では、ギクシャクしないように録音&チェックを通してしっかりと確認しておきましょう。特に、19小節目、21小節目などには注意が必要です。
音楽の横の流れを意識する
本楽曲はそれほどテンポが速い楽曲ではないうえに、3度や6度の和音演奏が多出するので、うっかりすると音楽を縦割りに刻んでしまいがちです。常に横への大きな流れを意識したうえで演奏するようにしましょう。
► 終わりに
本楽曲は、エレジー的な美しさを持ちながら緻密な対位法技法も併せ持つ、非常に優れた一作です。本記事の内容を参考に練習を進めてみてください。
この作品についてさらなる演奏ヒントが必要な方は、以下の解釈版を参考にしてください。
・園田高弘 校訂版 J.S.バッハ シンフォニア BWV787−801
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