【ピアノ】和音分析の基礎:ホモフォニーとポリフォニーの違いを理解する

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【ピアノ】和音分析の基礎:ホモフォニーとポリフォニーの違いを理解する

► はじめに

 

ピアノ曲を演奏する際、様々な和音を見かけますが、同じように見える和音でも、その音楽的な意味や役割は大きく異なる場合があります。

本記事では、代表的な2つの和音の書法について、具体的な楽曲例を通じて解説していきます。

 

► 実例分析:C.P.E.バッハ「行進曲 BWV Anh.124」

‣ 1. ホモフォニー的な和音(団子和音)

 

シューマン「ユーゲントアルバム(子どものためのアルバム) Op.68-10 楽しき農夫」

譜例(PD作品、Finaleで作成、曲頭)

この作品に見られる和音の特徴:

・右手パートの和音が「まとまった塊」として扱われている
・主に伴奏としての役割を担う
・リズムを刻む機能と和声進行を明確に示す役割を持つ

このような和音の扱い方は、古典派やロマン派の作品でよく見られます。特に、「メロディとその伴奏」という明確な役割分担がある楽曲で多用されます。

 

‣ 2. ポリフォニー的な和音

 

対照的な例を見てみましょう。

 

C.P.E.バッハ「アンナ・マクダレーナ・バッハの音楽帳 第2巻 行進曲 BWV Anh.124」

譜例(PD楽曲、Sibeliusで作成、曲頭)

この作品における和音の特徴:

・独立した2つの声部線が同時に進行する
・結果として和音が形成されるが、それは副次的な産物
・各声部が独自の線として機能する
・特に3度や6度の音程関係を意識した設計

 

重要なポイント

バロック期の音楽では、このような複数の独立した声部による和音形成が一般的でした。ただし、これは偶然できたものではなく、作曲者が意図的に設計した結果です。

 

► 実践的なアプローチ

 

演奏時の注意点:

1. ホモフォニー的な和音の場合

・和音全体を一つのまとまりとして捉える
・主旋律とのバランスを考慮する
・リズムの正確さを意識する

2. ポリフォニー的な和音の場合

・各声部の独立性を意識する
・声部間の音程関係に注目する
・それぞれの声部の動きを個別に練習する

 

► まとめ

 

和音を見た時は、その音楽的文脈を理解することが重要です:

・単なる伴奏としての和音なのか
・独立した声部の組み合わせによる和音なのか
・その和音が曲全体においてどのような役割を担っているのか

これらを意識することで、より深い楽曲理解と表現力豊かな演奏につながります。

 


 

【おすすめ参考文献】

本記事で扱った、シューマン「楽しき農夫」について学びを深めたい方へ

・大人のための独学用Kindleピアノ教室 【シューマン 楽しき農夫】徹底分析

 

 

 

 

 

 

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この記事を書いた人
タカノユウヤ

ピアノ音楽(ピアノソロ、ピアノが編成に入った室内楽 など)に心惹かれ、早何十年。
ピアノ音楽の作曲・編曲が専門。
物書きとしては楽譜だけでなく文章も書いており、
音楽雑誌やサイトなどでピアノ関連の文筆を手がけています。
Webメディア「大人のための独学用Webピアノ教室」の運営もしています。
受賞歴として、第88回日本音楽コンクール 作曲部門 入賞 他。

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