♬ はじめに
武満徹(1930-1996)は20世紀の日本を代表する作曲家ですが、
作曲したピアノ曲はそれほど多くなく
まだ触れたことがない方も多いのではないでしょうか。
中には高度な作品もありますが、
ツェルニー30番入門程度から取り組めるものもあるので、
今回は
調性音楽から入門に適した作品をひとつ、
無調性音楽から入門に適した作品をひとつ、
合計2作品を紹介します。
♬ 入門最適曲と難易度
武満徹のピアノ曲入門最適曲は、
◉ ロマンス
これら2曲です。
「こどものためのピアノ小品」は
1979年10月から放送されたTV番組「ピアノのおけいこ」のために作曲された、
1. 微風 2. 雲
の2曲からなる小品です。
両方あわせても演奏時間2分半程度の
シンプルな作りによる調性音楽。
「ロマンス」は、
1948年に作曲された武満徹の初期作品であり、
部分的に旋法を使って書かれた、無調性音楽。
演奏時間4分程度。
作曲面での内容の詳細は本記事では割愛しますが、
「こどものためのピアノ小品」に比べると
「ロマンス」のほうが
武満徹のカラーがよりはっきりと見える作品となっています。
難易度はそれぞれ、
◉ ロマンス 「ツェルニー30番修了程度」
となっており、音楽的にもテクニック的にも
ロマンスのほうがやや高度という印象。
しかし、
「こどものためのピアノ小品」は2曲合計3ページ、
「ロマンス」は合計4ページ、
と非常にコンパクトな作品なので練習しやすく
入門さえ終わっている段階であれば
挑戦することはできるでしょう。
♬ 音源 & おすすめ楽譜
武満徹の楽譜は
主にサラベール社と日本ショットから出版されていますが、
嬉しいことに、
「こどものためのピアノ小品」と「ロマンス」は
セットで両方収載された1冊として
日本ショットから出版されています。
◉ SJ1123 武満徹:こどものためのピアノ小品とロマンス
それぞれまったく毛色の異なる作品なので
是非両方に挑戦して欲しいと思います。
武満徹の他のピアノ曲を学習する土台を作ってくれるでしょう。
こどものためのピアノ小品 | ロマンス | |
---|---|---|
作曲年 | 1979年 | 1948年 |
音楽タイプ | 調性音楽 | 無調性音楽(部分的に旋法使用) |
構成 | 1. 微風、2. 雲 | 単一楽曲 |
演奏時間 | 2曲で約2分半 | 約4分 |
難易度 | ツェルニー30番入門程度 | ツェルニー30番修了程度 |
ページ数 | 3ページ | 4ページ |
武満徹のカラー | やや控えめ | はっきりと見える |
特記事項 | TV番組「ピアノのおけいこ」のために作曲 | 武満徹の初期作品 |
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