- 【ピアノ】先生に聞けない素朴な疑問10選:真面目に答えるQ&A集 vol.3
- ► はじめに
- ► 質問集
- ‣ Q1. レッスン前に、先生宅で手を洗わせてもらってもいいですか?
- ‣ Q2. レッスンの振替を何度もお願いするのは、迷惑ではないですか?
- ‣ Q3. レッスンが時間通りに終わらない場合、こちらから切り上げてもいいですか?
- ‣ Q4. 楽譜は、タブレットでレッスンに持っていってもいいですか?
- ‣ Q5. 楽譜に書き込みをする生徒のほうが真面目に見えますか?
- ‣ Q6. 電子ピアノの「音色」を色々変えて練習してもいいですか?
- ‣ Q7. 有名な曲を弾きたいけど、今のレベルで弾けるようにアレンジされた楽譜を使ってもいいですか?
- ‣ Q8. 今弾いている曲の次に何を弾くか、事前に先生に相談してもいいですか?
- ‣ Q9. いつかコンクールに出てみたいですが、先生にその目標を伝えてもいいですか?
- ‣ Q10. ピアノの先生になるには、今からでも目指せますか?
- ► 終わりに
【ピアノ】先生に聞けない素朴な疑問10選:真面目に答えるQ&A集 vol.3
► はじめに
・「こんなこと、先生に聞いていいのかな…」
・「ググっても明確な答えが出てこない…」
こういった、聞きにくいけど実は気になるピアノ関連の疑問に、真面目に答えます。
本記事では「教室生活」に関する質問を中心に扱います。レッスンに通っている方はもちろん、スポット(単発)レッスンを受ける独学の方にも参考になる内容です。
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► 質問集
‣ Q1. レッスン前に、先生宅で手を洗わせてもらってもいいですか?
結論:問題ないが、ウェットティッシュ持参がスマート
これからピアノを触るという理由で手を洗うのは、衛生面でも礼儀の面でも決して悪いことではありません。多くの先生は快く応じてくれるでしょう。
ただし、毎回お手洗いを案内する手間や、待機時間が発生することを考えると、よりスマートな方法があります。それはウェットティッシュやハンドジェルを持参し、インターホンを鳴らす直前にさっと拭くこと。これなら先生の手を煩わせることなく、清潔な状態でレッスンに臨めます。
もちろん、トイレを借りたい場合は遠慮なく伝えて構いません。
‣ Q2. レッスンの振替を何度もお願いするのは、迷惑ではないですか?
結論:頻繁な振替は避けるべき
レッスン時間は、先生が他の予定を調整して確保している時間です。何度も振替をお願いするのは、相手のスケジュールを大きく振り回すことになります。
「約束の時間に伺う。無理なら次回を待つ」これを基本姿勢としましょう。
やむを得ない事情で1回振り替えてもらえた場合も、それは先生の好意であることを忘れずに。体調不良や急用はもちろん起こりますが、頻繁に起こる場合は、そもそもの曜日・時間帯を見直すべきサインかもしれません。
‣ Q3. レッスンが時間通りに終わらない場合、こちらから切り上げてもいいですか?
結論:事情があれば丁寧に伝えてOK。頻繁なら時間の見直しを
次のような明確な事情がある場合は、丁寧に伝えて切り上げて構いません。
・絶対に乗らないといけない電車の時間が迫っている
・子供の迎えなど、動かせない予定がある
ただし、特に急ぎの予定がない場合は、先生の話を最後まで聞くのが基本です。延長は先生が必要と判断してのことですから。
レッスンが頻繁に時間を超える場合は、固定時間の見直しを提案してみましょう。少し余裕を持った時間枠に変更することで、お互いに余裕ができ、レッスンの質も向上します。ギリギリの予定は集中力を削ぎ、良い結果を生みません。
‣ Q4. 楽譜は、タブレットでレッスンに持っていってもいいですか?
結論:先生と事前相談が必須。紙の楽譜が無難
タブレット楽譜自体が「ダメ」というわけではありませんが、レッスンは一人で完結するものではなく、先生も楽譜を見る必要があることを考慮しましょう。
タブレットを使う場合に想定される状況は以下の通りです:
・先生が同じ楽譜を持っている場合:わざわざ開いてもらう手間をかける
・先生があなたのタブレットを見る場合:小さい画面、角度の問題、画面の反射などで見にくい
タブレットが有効なケースは、お互いにタブレットを使い、楽譜データを共有している場合です。ただし、これには事前の準備と先生との合意が必要です。
タブレットには検索機能や書き込み機能など便利な面もありますが、レッスンでは「先生が見やすいか」という視点も大切にしましょう。初回から使う場合は、必ず事前に相談することをおすすめします。
‣ Q5. 楽譜に書き込みをする生徒のほうが真面目に見えますか?
結論:書き込みの有無より、理解度が重要
書き込みが多いと一見真面目に見える側面はありますが、先生は会話や演奏から生徒の取り組み姿勢を判断しています。
重要なのは以下の点です:
・楽曲の用語などについて質問されたとき、すぐに答えられるか
・書き込みがあっても、それを見ないと答えられないのでは意味がない
・書き込みが多過ぎて、どこを見ればいいか分からない状態も良くない
書き込みは手段であって目的ではありません。
‣ Q6. 電子ピアノの「音色」を色々変えて練習してもいいですか?
結論:ピアノ系の音色なら、気分転換に有効
毎日同じ楽曲、同じ部屋、同じピアノで練習していると、新鮮味が失われることがあります。音色を変えることで些細な環境変化が生まれ、練習のマンネリ化を防げる場合があります。
ただし、音色を変える際は注意点があります。
・おすすめ:グランドピアノ、アップライトピアノなど、ピアノ系統の音色
・避けるべき:弦楽器や木管楽器など、音が減衰しない楽器の音色
ピアノは打鍵後に音が減衰する楽器です。その特性を保った音色で練習することで、タッチやペダリングの感覚を維持できます。
気分転換として積極的に試してみるといいでしょう。
‣ Q7. 有名な曲を弾きたいけど、今のレベルで弾けるようにアレンジされた楽譜を使ってもいいですか?
結論:原曲がピアノ曲の場合は慎重に。ピアノ曲以外ならOK
いわゆる「簡単アレンジ」の楽譜は、初心者でも名曲を演奏できるという意味で、ピアノ学習を楽しくする有効な手段です。ただし、長期的な視点で考えると、一つ注意すべき点があります。
避けたほうがいいケース
原曲が「ピアノ曲」である作品の簡単アレンジ
理由は以下の通りです:
・クラシックのピアノ曲は、一つ一つの音が作曲家によって丁寧に選ばれている
・簡単アレンジで覚えた音の配置が、いざ原曲に挑戦する際に暗譜の妨げになる(筆者も経験済み)
・限られた練習時間を使うなら、最初から素晴らしい原曲と出会ったほうが、長期的には上達につながる
もちろん「上達するまで待てない」「今すぐラ・カンパネラが弾きたい」という気持ちも理解できます。無理に止めはしませんが、初心者向けの素晴らしい原曲も数多く存在することを覚えておいてください。
問題ないケース
原曲が「ピアノ曲ではない」作品のピアノアレンジ
例:映画音楽、歌曲、オーケストラ曲などのピアノアレンジ
これらはもともとピアノ曲ではないため、アレンジ版で学ぶことに問題はありません。楽しみながら練習できる楽曲を選ぶのも、継続のためには大切です。
‣ Q8. 今弾いている曲の次に何を弾くか、事前に先生に相談してもいいですか?
結論:現在の課題にしっかり取り組んでいれば、相談OK
今与えられている課題にほとんど力を入れていないのに、次の曲ばかり話題にすると、先生は快く思わないでしょう。
また、以下のような態度は避けましょう:
・先生から複数の候補曲をもらっているのに、それ以外ばかり主張する
・相手の提案を受け入れずに、自分の希望ばかり伝える
「自分の提案は、相手の提案を一度受け入れてから」これを基本姿勢としましょう。
現在の課題に真摯に取り組み、先生の提案も尊重したうえでなら、次の曲について相談することは前向きな姿勢として歓迎されるはずです。
‣ Q9. いつかコンクールに出てみたいですが、先生にその目標を伝えてもいいですか?
結論:現在の課題にしっかり取り組んでいれば、積極的に伝えてOK
現在の課題にしっかり取り組んでいる前提であれば、「いつか」と言わず「近々挑戦したい」と伝えても良いでしょう。
近年は参加しやすいコンクールが増えました:
・幅広いレベルの参加者を受け入れるコンクール
・オンライン審査のコンクール
・ジャンルレスのコンクール
今の状態でも参加できるコンクールはいくらでもあります。目標を口に出すことで、モチベーションも高まります。
ただし、コンクール指導は先生にも負担がかかる可能性があります。軽い気持ちで「やりたい」と言うのではなく、本気で取り組む覚悟を持って相談しましょう。
‣ Q10. ピアノの先生になるには、今からでも目指せますか?
結論:大人から始めても、今からでも目指せます
ピアノの先生に国家資格はありません。「今から始めて、難関コンクール入賞者を輩出する指導者になる」のはハードルが高いかもしれませんが、指導には様々な形があります。
重要なのは「自分がピアノ教育の中でどう価値提供できるか」です。大人から始めた方の背中を押す指導をしてもいいでしょう。
ピアノを教えるにあたって、「自分より上手な人がいる」ことは全く関係ありません。
「自分が今までピアノ学習で乗り越えてきたことは何ですか?」
この問いに答えられるなら、それを対面レッスン、ブログ、動画などで伝えていくだけでも、誰かの役に立ちます。大人から始めた指導者だからこそ理解できる悩みや視点もあるはずです。
► 終わりに
先生に聞けないこと、ググってもあまり出てこないこと、たくさんあります。そんな小さな疑問を一つずつ解決していくことでピアノ学習を楽しくしていきましょう。
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