【ピアノ】打楽器的な特徴を持つピアノ曲が生まれるまで

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近現代へ近づくにつれて、
「ピアノを打楽器的に扱った作品」が増えてきます。
そのような作品が生まれるまでは
どのような経過があったのでしょうか。
今回は大きなつかみだけを学びましょう。

 

ピアノ作品は

あらゆる楽器のソロ作品の中でも

その数は非常に多いですよね。

さまざまなタイプの作品がありますが、

大きな傾向としては

「近現代へ近づくにつれて、ピアノを打楽器的に扱った作品が増えてくる」

というものがあります。

 

例えば、

◉ バルトーク「アレグロ・バルバロ」
◉ アイヴズ「ピアノソナタ 第2番」
◉ プロコフィエフ「風刺(サルカズム)」

などの作品は

音の使い方からして

明らかに打楽器的な作品。

他にもたくさんあります。

 

芸術音楽の作曲家は

常に新しいことを開拓しようとしていますので

時代を追うごとに楽器の使い方も模索され

19世紀後半、打楽器的な扱いへとたどり着きました。

 

【補足】
特に近現代以降、
オーケストラ作品の中に入っているピアノパートも
打楽器的に使われる傾向があります。
これは、
◉ そうしないとオケの中では聴こえにくいから
◉ ピアノによる打楽器的な音色は、オケの他の楽器が持っていない音色だから
などというのが理由です。

 

ピアノは1700年頃に生まれたわけですが、

なぜ、ピアノが誕生した直後の時代に

この種の作品が存在しないのでしょうか。

答えは簡単で、

ピアノが誕生するより前の時代にも

この種の作品が存在しなかったからです。

そんな使い方をしたら

クラヴィコードやチェンバロは壊れてしまいますし、

音楽史で当時のモラルをみていても

鋭く突いたり叩いたりする奏法が好まれなかったのは明らかです。

 

あらゆる作曲家というのは

永い年月をかけて

その新しい楽器のためのさまざまな楽曲を生んでいきます。

佳作、失敗作などあらゆるものが生まれて

何百年にも渡ってようやく

その楽器独自の楽曲が世に増え始めます。

したがって、

楽器誕生時は

そのときすでにあるような作品が

演奏されたり作られたりするしかないのです。

 

つまりピアノの場合は、

「チェンバロなどで演奏されていた音楽」から始まり

ピアノ独自の奏法を含む作品まで

たどり着く過程の中で

打楽器的な扱いが入ってきたということです。

 

ざっくりと大きな流れがつかめましたか。

こういったことを把握しておくと

レパートリーを増やしたり

コンサートプログラムを組むときなどにも

参考材料にできます。

各作品の特徴をとらえつつ、

さまざまなタイプの楽曲に挑戦してみましょう。

 

 


 

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この記事を書いた人
タカノユウヤ

ピアノ音楽(ピアノソロ、ピアノが編成に入った室内楽 など)に心惹かれ、早何十年。
ピアノ音楽の作曲・編曲が専門。
物書きとしては楽譜だけでなく文章も書いており、
音楽雑誌やサイトなどでピアノ関連の文筆を手がけています。
Webメディア「大人のための独学用Webピアノ教室」の運営もしています。
受賞歴として、第88回日本音楽コンクール 作曲部門 入賞 他。

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