【ピアノ】メンデルスゾーン作品の演奏ポイント解説集:譜例付き実践ガイド

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【ピアノ】メンデルスゾーン作品の演奏ポイント解説集:譜例付き実践ガイド

► はじめに

 

本記事では、メンデルスゾーンのピアノ作品における実践的な演奏アドバイスをまとめています。各曲の重要なポイントを、譜例とともに具体的に解説していきます。

この記事は随時更新され、新しい作品や演奏のヒントが追加されていく予定です。

 

► 無言歌集 第1巻 Op.19

‣ 狩の歌 Op.19-3

 

譜例(PD楽曲、Sibeliusで作成、曲頭)

メンデルスゾーン「無言歌集 狩の歌 Op.19-3」の冒頭部分の楽譜。付点4分音符、8分音符、16分音符など多様な音価とスタッカート、スラーが含まれリズム表現の重要性を示している。

この楽曲の攻略のカギは「リズム表現」です躍動感を表現するため、各音価を明確に区別することが重要です。

 

リズムと休符の関係性:

・「休符がどこから始まってどこで終わるか」で「前後の音符の長さ」が決まる
・「音符の長さ」が決まると「リズムの締まり方」が決まる

譜例に含まれる音価の種類:

・付点4分音符、4分音符
・8分音符、スタッカート付き8分音符、スラー終わりの8分音符
・16分音符
・8分休符

この譜例の部分だけでも多種類の音価が出てきます。それぞれの差をよく読み取って演奏しましょう。

 

‣ 信頼(ないしょの話) Op.19-4

 

譜例(PD楽曲、Sibeliusで作成、13-17小節)

メンデルスゾーン「無言歌集 信頼 Op.19-4」の13-17小節の楽譜。バスラインの第2旋律(赤色表示)と上下段をまたぐメロディライン(青色表示)の解説付き。

譜例のレッド音符で示した箇所は、バスラインも第2の旋律として歌うべきメロディックなラインになっています。このメロディックなラインは譜例以降も続くので、丁寧に譜読みをしてください。

 

15小節3拍目のバス音について:

15小節3拍目ではバスが「一瞬、不自然にE音へ上がった」と考えるのではなく:

・カッコで示したように8分休符を補う
・もしくは、バス音の2分音符Gis音がタイで8分音符ぶん延長されている

これらのどちらかで解釈するといいでしょう。筆者自身は、前者で演奏しています。

 

ブルー音符で示したラインは下段から上段へとまたぐので、横のつながりの滑らかさを保つよう、よく聴くようにしましょう。

 

► 無言歌集 第2巻 Op.30

‣ ベニスの舟歌 Op.30-6

 

譜例(PD楽曲、Sibeliusで作成、6-10小節)

メンデルスゾーン「無言歌集 ベニスの舟歌 Op.30-6」の6-10小節の楽譜。メロディの抑揚とCis音5連続の処理方法などを色分けで解説。

このようなシンプルかつ叙情的なメロディでは、抑揚の付け方に細かな注意を払いましょう。

 

メロディにおける7小節目からのCis音5連続の処理:

・8小節目頭のレッド音符Cis音は小節頭かつ最長音価のため、最も深いタッチで
・7小節目の二つのCis音は、レッド音符へ向けた段階的な準備
・8小節目のブルー音符Cis音は裏にある短い音価なので、決して大きく飛び出ないように

それ以降のメロディにおける演奏注意点:

・グリーン音符で示した三つの音が譜例部分のメロディのヤマであるため、ここは指圧を深く
・10小節目の頭のCis音はフレーズ終わりの音であるため、静かにおさめる

 

► 無言歌集 第5巻 Op.62

‣ 春の歌 Op.62-6

 

譜例(PD楽曲、Finaleで作成、35-43小節)

メンデルスゾーン「無言歌集 春の歌 Op.62-6」の35-43小節の楽譜。音型の3回から4回への繰り返し変化とクレッシェンドの段階的表現を示す。

カギマークで示したように、3回繰り返した音型を、39小節目後半からは「4回」繰り返して盛り上げています。したがって、繰り返しにあわせて「段階的に」ダイナミクスを上げていくという解釈もアリでしょう。それが分かりやすいように、版によってはクレッシェンドの松葉ではなく「cresc.」と文字で書かれています。

 

繰り返しの39小節2拍目裏からは「和音と単音との連結」になりますが、「メロディラインのつながり」が悪くならないように注意しましょう。

 

► 終わりに

 

メンデルスゾーンの作品には、独特の音楽語法と表現技法が詰まっています。

本記事では、実践的な演奏アプローチを紹介していますが、これらはあくまでも一つの解釈として捉えていただければと思います。

今後も新しい作品や演奏のヒントを追加していく予定ですので、定期的にご確認いただければ幸いです。

 


 

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