【ピアノ】ジョン=ポール・ウィリアムズ「ピアノ図鑑 歴史、構造、世界の銘器」レビュー

スポンサーリンク

【ピアノ】ジョン=ポール・ウィリアムズ「ピアノ図鑑 歴史、構造、世界の銘器」レビュー

► はじめに

 

ピアノを演奏する楽しさの奥には、この楽器そのものの魅力が隠されています。「ピアノ図鑑 歴史、構造、世界の銘器」は、ピアノという楽器の深い世界を覗くことができる一冊です。

 

・訳: 元井夏彦
・出版社:ヤマハミュージックメディア
・初版:2015年
・ページ数:160ページ
・対象レベル:初級〜上級者

 

・ピアノ図鑑 歴史、構造、世界の銘器 著:ジョン=ポール・ウィリアムズ 訳: 元井夏彦 / ヤマハ

 

 

 

 

 

► 内容について

‣ 視覚的に楽しみながら知識を深められる構成

 

本書はピアノに関する総合ガイドとして、3つの大きな章で構成されています:

1. ピアノの歴史と発展:クリストフォリによる考案から現代に至るまでの発展史
2. ピアノメーカー総覧:世界40社以上の主要メーカーの詳細情報
3. メンテナンス:ピアノ選びからケア、修復までの実用知識

 

オールカラーの写真やイラストが随所に配され、視覚的にも楽しみながら知識を深められる構成になっています。このタイプの書籍は何冊か出版されていますが、日本語で読めるものの中では網羅的で情報が多い一冊です。

ただし、歴史や構造などについては、深く掘り下げるのであればもっと詳細に書かれた参考書が他にあります。写真やイラストを通して興味を持って要点をおさえておきたい場合に有益な書籍と言えるでしょう。

 

‣ 「ピアノという楽器そのもの」を掘り下げた一冊

 

本書は演奏技術書ではなく「ピアノという楽器そのもの」を掘り下げています。我々が日々向き合うピアノがどのように生まれ、発展し、作られているのかを知ることで、演奏への理解も深まるでしょう。

特に興味深いのは以下の点です:

・大作曲家たちの愛用したピアノとその逸話
・アクション図解によるピアノの構造理解
・世界の銘器メーカーの歴史と特徴
・実用的なピアノ選びのアドバイスとメンテナンス情報

 

► おすすめの読み方

 

本書は通読するのもいいですが、辞書的な使い方が特に効果的です。例えば:

・自分のピアノのメーカーについて調べる
・気になる構造や歴史の一部を拾い読みする
・ピアノ購入前に参考資料として活用する
・メンテナンスの疑問が生じたときに該当箇所を確認する

 

► おすすめの読者層

 

・ピアノ初心者で楽器そのものについて知りたい方
・中・上級者で演奏だけでなくピアノの知識を深めたい方
・ピアノ購入を検討中の方
・自宅におけるピアノのケアについて学びたい方
・ピアノの歴史や文化的背景に興味のある方
・以前にピアノの構造について学ぼうとしたものの、文字中心の書籍で挫折した方

 

楽器への理解を深めることで打鍵方法を考えるようになったりと、演奏技術の向上にも間接的に貢献します。また、ピアノへの愛着が深まることで、練習へのモチベーションも高まるでしょう。

 

► まとめ

 

「ピアノ図鑑 歴史、構造、世界の銘器」は、演奏テクニックを直接向上させる本ではありませんが、通常の演奏書籍だけでは決して得られない知識が詰まっています。ピアノという楽器への理解と愛着を深め、より楽しいピアノライフを送るための貴重な一冊と言えるでしょう。

中産階級の家庭に一台はあったというピアノの黄金時代から現代まで、この楽器の魅力を再発見できる図鑑です。ピアノを弾く喜びをさらに深めて「知る喜び」もプラスしたい方は、一度手に取ってみてください。

 

・ピアノ図鑑 歴史、構造、世界の銘器 著:ジョン=ポール・ウィリアムズ 訳: 元井夏彦 / ヤマハ

 

 

 

 

 

 


 

► 関連コンテンツ

著者の電子書籍シリーズ
・徹底分析シリーズ(楽曲構造・音楽理論)
Amazon著者ページはこちら

・SNS/問い合わせ
X(Twitter)はこちら

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました