【ピアノ】日々の練習時間の管理を最適化する6つの方法

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【ピアノ】日々の練習時間の管理を最適化する6つの方法

► はじめに

 

一般的にピアノの練習時間は「質より量」「量より質」「量と質」などと、人によって意見が様々ですね。

一方、そういった会話の中で「練習時間の管理の仕方」は語られていないことがほとんど。

そこで今回は、独学の大人の方向けに、効果的で継続可能な練習時間の管理方法をお伝えします。

 

► A. 練習時間の構造化

‣ 1. 効果的な休憩:集中力と身体的負担を考慮した練習時間管理

 

練習中の「休憩するタイミング」というのは「時間」で区切るべき。

「ピアノを弾く」という行動は我々が思っているよりもずっと、人間の身体にとって日常的ではない動きをしています。

自分ではそれほど疲れを感じていなくても、手や腕などへの負担は溜まっています。

ぶっ続けで練習してしまいがちですが、手を故障しないためにも、必ず休憩時間を挟みましょう。

 

また、本当に密度の濃い集中力は40〜50分程度しか続かないと言われています。

つまり、休憩を挟むことは、集中による練習の質を上げるということにもつながるのです。

 

ポイントとして、以下のようにするといいでしょう:

・初級者は、15分〜30分に1回の休憩をとる
・中級者以上は、最低でも50分に1回の休憩をとる

 

間の休憩は「5〜10分程度」にしておき、長すぎない方が音楽へ向かう姿勢自体は保てるはず。

短くても必ず「上半身」と「頭」を休める時間を作りましょう。

 

もし、意欲的に「たくさん練習したい」という方であれば、上記の時間を「セット」にすればいいのです。

例えば:

・15分×数回
・30分×数回
・45分×数回

「15分×数回」などであれば、初中級の方でも取り組んでいけますね。

 

一方、この区切り方は休憩するタイミングを決定するためのもの

その日の練習全体は、時間ではなく「曲数」で区切る方法をおすすめします。

 

‣ 2. 曲数による練習管理:充実感と効率性の両立

 

今取り組んでいる楽曲が1曲の方はその1曲を練習すればいいのですが、2曲以上に取り組んでいる方は、無理のない程度で「今日はこの曲とこの曲に取り組もう」などと決めておきましょう。

「それらの練習が済めば、時間が多少短くても練習を終わりにする」という管理の仕方は効率的。

仮に「今日は1時間練習しよう」などと時間決めておいて、1時間経った時に区切りの良くないところだと、その日1日中、モヤモヤが残るからです。

 

曲で区切るようにしておくと、充実感をもったまま練習を終えられます

 

‣ 3. 通し練習の落とし穴:部分練習とのバランス

 

通し練習というのは、ピアノ練習の中で最も体力と頭を使う練習です。

本番前は何回も「通し練習」をしたくなる気持ちも分かりますが、集中した通しを一曲につき1〜2回程度にして、残りは部分練習に充てることをおすすめします。

 

そのように決めておいた方が、通し練習そのものへの集中度もよりアップするでしょう。

 

► B. 練習の量と質、および継続性

‣ 4. 練習量の重要性:著名ピアニストの名言

 

ピアノを練習していると、上達に関して数々の悩みが出てきます。

もちろん、ピアノ練習では時間が全てではありません。

しかし、悩んでいることのほとんどはもっと練習すれば解決できることが多いということは覚えておいてください。

 

以前に 故 中村紘子さんがTV番組で語っていた内容があります。

「みなさん、やる量が少ないと思うの。」

 

これは、専門家を目指す方に向けていた言葉です。

しかし、「上達したい」という強い気持ちをお持ちの場合は、趣味でもやる量を増やしてみるのは一案。

 

日々の生活や練習環境などの事情で、必ずしも十分な練習時間を確保できない方も多くいることは分かっています。

その場合でも、いつもより少しだけでも練習時間を増やしてみる。

そうするだけで、練習における悩みの量が変わってくるでしょう。

 

‣ 5. 持続可能な練習方法:長期的視点での自己管理

 

前項目で、練習量を増やすことをおすすめしました。

では、どこまで増やすべきなのかというのが本項目の主眼です。

 

とにかく我々は、自分が出来ることを大きく見積もる傾向にあります

迷ったら、明日も、1ヶ月後も、1年後もそのやり方を続けられるかを想像してみてください。 

そして、「さすがに、こんなに負荷の高い練習は無理だ」と思ったら、切り捨てましょう。

慣れに伴って練習時間を増やせる可能性はありますが、基本的に、今つらいやり方は1ヶ月後もつらいのです。

 

「やや無理する程度が限度」だと思ってください。

あまりに無理するとリバウンドがきますし、達成出来なかった日に落ち込んでしまいます。

「やや無理するけど、自分を追い詰め過ぎない」というのが、一番上達を見込める練習量です。

なぜなら、たくさん練習している上に、継続可能だから

 

今まで普通の感覚で練習をしていたときの練習量を思い出し、そこに2割程度の課題を足してみましょう。

それが、自身にとっての「やや無理している練習量」と言えます。

 

► C. 音楽家の学びの視点

‣ 6. 音楽家の隠れた学び:練習外での教養と成長

 

音楽家が「音楽の糧になる行動として、練習時間以外には何をしているのか」ということを書いていきます。

 

音楽雑誌のインタビューなどを読んでいての印象ですが、多くの音楽家は練習以外の時間で「教養」を身につけているようです。

「美術」などの他分野の隣接芸術に触れるというケース。

 

例えば、知っている方もいると思いますが、美術は音楽に比べて歴史が細分化されています。

音楽の場合、「近現代」などとひとくくりにされていて、その中に「新古典主義」「新しい単純性」などと、おおづかみの区分があるのみ

一方、美術では「フクシマ以後」などと本当に近い歴史まで区分が存在するのです。

 

こういったことを知ったからといって、明日からピアノがうまくなるわけではありません。

しかし、マルセル・デュシャンが便器の絵を書いただけで歴史を変えたように、それぞれの分野で歴史を変えた人物がなぜ重要だったのかを知ることで、歴史の中で今自分がどの位置に立ってるのかを知ることができます。

 

また、「上達する」ということは「色々な人物と会う機会が増える」ということです。

そうすると不意に様々な話題をふられます。

その時に、「入り口の話題も何も分かりません」という状態だと、そこで会話が終わってしまいますね。

 

「練習をしつつも、残りの時間で教養を身につける」

これは、たとえ趣味でピアノを演奏する方にとってもプラスになることばかりでしょう。

 

► 終わりに

 

ここで紹介した方法はあくまでも指針なので、最終的には自分に合ったペースと方法を見つけていきましょう。

焦らず、楽しみながら、そして少しずつ挑戦していく。それがピアノ上達の秘訣です。

 


 

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この記事を書いた人
タカノユウヤ

ピアノ音楽(ピアノソロ、ピアノが編成に入った室内楽 など)に心惹かれ、早何十年。
ピアノ音楽の作曲・編曲が専門。
物書きとしては楽譜だけでなく文章も書いており、
音楽雑誌やサイトなどでピアノ関連の文筆を手がけています。
Webメディア「大人のための独学用Webピアノ教室」の運営もしています。
受賞歴として、第88回日本音楽コンクール 作曲部門 入賞 他。

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