【ピアノ】練習における集中力をゲットする22のヒント
► はじめに
ピアノ練習に悩む多くの人が直面する最大の壁は、「集中力」。
練習したい気持ちはあるのに、すぐに気が散り、思うように上達できないという経験、誰もが持っているはずです。
本記事では、集中力アップ方法を22項目にまとめて詳しく解説します。
► A. 環境と準備の戦略
‣ 1. 家族に読書してもらう練習環境づくり
あまり音が気にならないという家族であれば協力してもらいましょう。
練習している部屋で読書していてもらってください。「聴かれている環境を作り出す」という工夫です。
「聴かれている」というのは集中力に影響大。
筆者自身も学生時代、「隣の部屋の音大生が帰ってきたな」ということがピアノの音で分かると、「聴かれている」という意識が起こることで、より練習に集中できたものでした。
‣ 2. 練習に新鮮味を与える工夫
これは、「新しい刺激が入ってこないこと」が原因です。
毎日同じピアノで、毎日同じ部屋で、毎日同じ楽曲を、毎日同じ練習方法で練習している。
これでは、さすがに新鮮味がなくなってしまいますね。
可能であれば、レンタルスペースを利用してみるのもいいでしょう。
少し費用はかかりますが、「この2時間だけは」と集中して練習できるはず。
そして、その経験を挟むことで、自宅に帰ってからもいつもよりも新鮮味をもって練習できるものです。
家のピアノでも、フタを開けて練習する日とそうでない日を織り交ぜて、自分への音の聴こえ方に日々の変化を与えてみましょう。
電子ピアノをお使いの方は、ピアノの音色を使い分けて自分への音の聴こえ方に日々の変化を与えることができます。
「ピアノ1」の音色を「ピアノ2」の音色へ切り替える、等。
また、
・複数曲を同時に練習している方は、練習順番を普段と変えてみる
・練習方法自体にバリエーションをつけてみる
というのも、新鮮味を与えるためにはおすすめ。
ポイントは「練習を作業にしないための工夫」と言えるでしょう。
練習が作業になってしまった瞬間、新鮮味が無くなりモチベーションが続かなくなります。
‣ 3. 気が散る全ての原因に対処して集中する
その日の練習や音楽学習を始めたものの、気づいたらわずか数分で違うことを考えていた経験はあるはず。
これを解決する方法は、簡単。
あらかじめ、気が散る要素を減らしておいてください。
例えば、以下のように:
・お腹がすいた → 空腹時にやらない
・ピアノ椅子がギシギシ鳴る → 直らないのであれば買い替えておく
・足元で猫がうろつく → やるときは違う部屋で待っていてもらう
・暑い、寒い → 電気代をケチらずにエアコンを入れる
・出かける時間が迫っている → 時計を気にしなくていいように、タイマーをかける
・視界に入ってくる各種容器製品のラベルは、すべてはがしておく
・タイマー以外の音は聴こえないように、スマホはサイレント
この他にも、あらゆる面からアプローチして、気が散る原因が出てくる可能性を限りなく下げておくことが重要です。
筆者は、練習中や学習中に余計なモノが視界に入ってくるのを本当にうっとうしく感じるので、ピアノの周りには何も置いていません。デスクの周りにも余計なものは一切ありません。
「自分の気を散らせてくる要素は何なのか」ということを分析したうえで、全力をあげて環境整備をする。
これに関して、当日にしかできない工夫と日頃からできる工夫の両面から対策しましょう。
‣ 4. 集中するための環境整備の重要性
日本では、集中というと「自分の中を整えて、内へ向かって集中していく傾向」が強くあります。
一方、もともと狩猟民族だった国の人物は、集中というと「目の前の相手に集中する傾向」が残っているそう。
以前に、「無駄な動きは音楽そのものから遠ざかる」ということの理由の一つとして、「意識をとられ、自分の音がよく聴けなくなるから」と解説しました。
集中するためには、少しでも身の回りのことを減らした方がいいということ。
例えば「食事」を思い出してください。
ネット動画やテレビやラジオを観ながら聴きながらだと本当の意味では味わえない。必死に味わおうと意識しても、何となくしか味が分からない。
味わおうとしている矢先、目や耳から食事に関係のない情報がたくさん入ってきてしまうからです。
感覚のうちいくつかのものを使うというのは、これくらい気をとられるものなのです。
ここで言いたいのは、集中をするためには、環境整備が影響大ということ。
集中の妨げになっている要素は、なるべく削ぎ落としていきましょう。
► B. 心理的・モチベーション戦略
‣ 5. 練習日記の発信
これは「聴かれている環境」というよりは「見られている環境を作り出す」という観点でのアプローチです。
SNSでもブログでも何でも構いません。
自身が一番無理なく続けやすい発信方法で日々の練習内容などを出してみましょう。
「見られている環境ができることで気が引き締まる」という意味でも重要ですが、
「同じように発信している学習者との交流が生まれる」
これも大きいですね。
ブログに挑戦してみたい方は、以下の記事を参考にしてください。
‣ 6. 具体的な「目標」や「当面の終わり」を決める
具体的な目標とは、「再来月の本番」などといったこと。
「ただ単にうまくなりたい」と思うだけでは目標としては弱く、もっと具体的なものをイメージすることで、そこへ向かっていくやる気が生まれます。その結果、日々の練習に集中できます。
つまり、「いつまでにこの楽曲を仕上げる」などといった「期限を決めてしまう」ということ。
人間は、終わりの見えないことはできません。
どの楽曲も一生勉強していくにしろ、「当面の終わり」を決めてしまうことは集中のためには重要です。
‣ 7. 身近な人物を自分の中でライバルとする
何も「コンペティションに出てください」とは言いませんが、少なくとも、「自分の中で良きライバルを見つける」ということは、練習に集中したり熱を入れたりするのに効果的です。
能力を比較して落ち込む必要はありません。むしろ:
・「Aさんは今日も練習内容をSNSにアップしてる」
・「Aさんは今日もブログを更新している」
・「Aさんはついにプロコにチャレンジするのか」
・「Aさんは今まさにステージに向けた追い込み時期だな」
・「Aさんはピアノ曲以外の音楽にも詳しく勉強家だな」
などと、その人が頑張っているエネルギーから影響を受けましょう。
‣ 8. 気が乗らない音楽学習に気を乗らせるコツ
ピアノを学ぶからには、作品をより深く理解するためにピアノへ直接向かう以外の学習も必要になってきます。
しかし、ピアノを弾くのは好きでも、なかなか周辺学習までは気が乗らない方もいるはず。
気の乗らせ方はシンプル。
それらの学習をすべて、自分のやりたいことへ寄せていってください。
やりたいことがピアノを弾くことでピアノを弾くことは好き、という前提だとします。
A.
楽式の学習をするのであれば、ピアノの練習にプラスになるというのは前提として、譜例を通して新しいピアノ曲に出会う機会とも捉える
B.
音楽史の学習をするのであれば、ピアノ音楽史はもちろん、ピアノ関連作曲家について力を入れて知ろうとする
C.
ピアノの構造を学習するのであれば、ただ演奏に活かすだけでなく、その知識を使って多くのピアノ関係者と話ができるようになることを楽しみにする
など、内容は自分独自のもので構いません。
極論、音楽史やソルフェージュや和声などの授業に気が乗らない音楽学校のピアノ学生も、全てピアノに結びつけて考えれば、まだ気が乗るのではないでしょうか:
・作曲法の授業があるのなら、課題ではピアノ曲を作る
・指揮法の授業があるのなら、ピアノの弾き振りを想定して学習する
いろんなことをやっていても、結局、一点集中の方向へ気持ちを持っていくことはできます。
► C. 実践的集中技法
‣ 9. ストップウォッチで練習時間の「見える化」
時には練習時間を計測するのも有効。
時間の合計を「見える化」することで「これだけやっている」という達成感が生まれ、その後の集中力を維持してくれます。
この方法は、社会人が資格勉強をする際にも有効と言われており、勉強時間を計測するアプリすら存在します。
‣ 10. 録音して通し練習をする
自分へ緊張感を与えるのは集中のために欠かせません。
そこで有効なのが、「ICレコーダーで録音して通し練習をする」という方法。
電子ピアノでヘッドフォンを使って練習している方は、多くの電子ピアノに付いている録音機能を使いましょう。
‣ 11. 先生に宣言して責任感を生み出す
先生に「来週までに◯◯をやってきます」と宣言してしまうのも一案。
ピアノ教室に通っている学習者にしかできない方法ではありますが、独学の方でも「SNSで宣言してしまう」などのやり方はあるでしょう。
発言に対する責任感ができて、日々の練習に集中できます。「背水の陣」戦略ですね。
‣ 12. とりあえず15分集中:時間制限の中に入る
なかなか集中できなくて、ピアノに5分触っては立ち上がったり、練習中に指だけ動かしながら別のことを考えていたりしませんか?
そんな方におすすめするのは、「15分だけ集中する」というやり方。
音大にはピアノ練習室があるので、時々利用していました。
夜遅くまで練習することもあったのですが、当時は完全退館時間の20分前にアナウンスが鳴りました。
そうすると、「最後の15分、集中しよう」と思います。実際、自分でも驚くほど集中できたのです。
おそらく、「時間制限が決まっている」というのが人によっては良い刺激になるのだと思います。
他にも、有料の練習スタジオを借りるとその時間は集中できますし、
24時間演奏可能の物件よりも音出し時間が定められている物件の方が、練習時間は増えます。
どちらも時間制限があるからでしょう。
「15分だけ集中する」
これでしたら、大人の学習者であれば学習段階に関わらず実践できるはず。
スマホでタイマーをセットすると緊張感が出るので、試してみましょう。
‣ 13. 拘束すると集中できる
前項目の内容を、もう少し深く見ていきます。
筆者は音大生の頃からさまざまな防音物件に住んできましたが、24時間演奏可能物件よりも時間帯が決められている物件の方が練習に集中できると感じました。
いつでも弾けると思うと怠けたり先延ばしにしがち。
時間制限など、ある程度自分の行動に拘束があると集中するきっかけになるのです。
学生だった頃、23時まで音出し可能な物件に住んでいた時期があります。
その当時は、どんなに疲れていても「19時〜23時」は練習する時間帯と決めていました。
同じ物件には音大生が多く、防音とはいえども少しは他の住人による演奏音が聴こえてきます。
特に23時直前は「横、上、下」みんなが練習していて、まるで音楽学校の中にいるかのような印象でした。
皆ある程度は自分の練習時間帯を決めていたのですね。
音大生は自宅の他に学校の練習室で練習するケースも多いのですが、いつも「同じ時間」に「同じ部屋」を「同じ学生」が予約している、なんてことは日常茶飯事でした。
皆、授業の合間の空いてしまう時間を「固定の練習時間帯」にしていたということです。
このように、毎日の練習時間帯を具体的に決めることでより集中した練習ができます。
これも拘束。
拘束と言うと辛そうなイメージですが、難しいことはありません。
やるべきことは:
・練習の時間帯を決める
・練習の区切り方を決める(「15分だけ集中」「45分ワンセット 」など)
これだけだからです。
もちろん、日々の生活には流動的な部分もありいつも同じ時間帯を空けられるとは限りません。
上記の例はあくまでも学生の生活ですし。
しかし、以下のような軽度な拘束はできるでしょう:
・夜ご飯の後すぐ
・子供を送っていったらすぐ
・午前中の最低限の家事が終わったらすぐ
その時間になってピアノに向かわないと気持ち悪いと感じるくらい「自分独自の時間帯での練習」を習慣にしてしまいましょう。
そうすることで、練習が生活の一部になります。
有料の練習スタジオでピアノを借りて練習する場合も、よく集中できるはず。
「この2時間だけは」と気合いが入ります。
「お金を払っているから」という理由もありますが、借りている時間という「拘束された制限時間が決まっているから」という点がもっと大きいのではないでしょうか。
映画館も、あの暗くて他にやることがない空間に拘束される(自分を拘束する)から、長編でも集中して観れるのです。
拘束、これは集中するために欠かせないキーワードです。
► D. 内面・精神的アプローチ
‣ 14. シューマンの言葉を意識して集中する
有名な作曲家、ロベルト・シューマンの言葉に
というものがあります。
この「先生」というのは、普段習っている先生のことというよりも、おそらく、弾こうとしている作品を作曲した巨匠のことを言っています。
ちょっとした意識が緊張感を作ってくれます。
せめて通し練習をする前だけでも、このようにイメージしてみるのはどうでしょうか。
‣ 15. 内面へ向けて行う集中の仕方
自分の内面へ向けて行う集中方法をお伝えします。
「自分の頭うしろから真上10cmくらいのところを意識する」というやり方。
笑わないでください。これ、少なくとも筆者には結構効果あるのです。
元々は読書術のテクニックとして紹介されていて知ったやり方ですが、集中したいあらゆるシーンで使えます。
筆者の場合、その意識しているポイントから軽く引っ張られているような感覚を持つと、より集中力が増します。
弾き始める前に行い、いざ弾きはじめたら意識から外してしまって弾くことだけに気を向けましょう。
‣ 16. 目の前の作品に集中するために
小澤征爾さんの著書「おわらない音楽 私の履歴書」(日本経済新聞出版)に、下記の重要な文があります。
「今日音楽会でやった曲のことは終わった後にすぐ忘れないと、次の曲に入っていけない。目の前のことに集中するにはそれ以外のことはすべて忘れることだ。」
(抜粋終わり)
もちろん、レパートリーの維持については別の考え方が必要です。
ここで述べられているのは、「音楽会のために、主に新曲として取り組んでいく作品」のことでしょう。
一つの育てたい樹があるのなら、それ以外のものはいったん排除して育てたいものに集中する。
学習者によって性格や特性は様々なので、中には、一度にいくつかの作品を並行した方が練習がはかどる方もいるでしょう。
いくつかの方法を試してみたうえで、自身に最適な方法を探していきましょう。
► E. 学習改善戦略
‣ 17. 自分主導で動ける予定を増やす
人間、暇になると余計なことを考え出して悩み始めます。
2020年に自宅待機を強いられた際、多くの方が自分の趣味について見直したり、仕事のキャリアについて必要以上に悩んだりしたはずです。
必ずしも悪いことばかりではなく、自分を見つめ直す良い機会になりましたね。
しかし、これがいつもいつもでは人間は前へ進んでいけません。
暇な時間を減らすように、以下の2つのことを同時に意識してみるといいでしょう:
・時間約束がある予定は、減らすか、できる限り同じ日に集める
・自分で自由にコントロールできる予定は積極的に入れる
この両者のバランスで、必要以上には暇を作らないようにする。
時間約束がある予定というのは、「○日の○時に、どこどこに居ないといけない」などといった、それを遂行しないと自分が困ったり他人に迷惑をかけてしまうもの。
例えば:
・演奏の本番
・会食の約束
・その他、予約制のあらゆる用事
筆者でいうと、「音楽学校へ指導に行く」などをはじめとした外出の予定が該当します。
こういったものは適度にあってもいいのですが、多すぎると身動きが取れなくなるんですよ。
だからこそ、調整するか、享受したいものでもできる限り同日に集めてしまうのがおすすめ。
筆者が学生の頃は「日曜日の午前中は○○コンクール、午後は○○コンクール」のような予定の入れ方で、本番の機会を確保しつつも時間拘束の日をまとめていた時があります。
そして反対に、自分で自由にコントロールできる予定は積極的に入れてみてください。
例えば:
・ピアノへ向かう
・書籍へ向かう
・自宅で良い演奏音源を聴く
など、すべて自分主導で動かせる予定のこと。
暇ができてきて変なことを考え始めたら、「いけないいけない、あの本読んどこ」のように予定を追加して、意識的に暇を減らしてしまいましょう。
筆者は日頃から、「時間の余裕をもつと、目の前の楽曲に集中する気力がもてる」と言っていますが、自分主導の予定で囲まれているということは、時間の余裕があるということです。
‣ 18. 同じところをグルグルしてしまう学習との別れ方
練習や音楽学習において継続の重要性と効果は計り知れませんが、「何かしらの変化を加える」ということを意識すると、より集中力と学習効果が上がります。
よく、効果的な学習方法の話で「PDCAサイクルを回す」というものがありますが、同じところでグルグル回っていても仕方ありません。
「意識的に、何かしらの変化を加える」
このひと手間を惜しまないだけで、同じところでグルグルしてしまう学習を卒業することができます。
‣ 19. 過反復は思考停止を招く
例えば、「同じ小節を2時間弾き続けた」などと言って誇らしげな顔をされても、「ありとあらゆる意味で、お疲れさまでした」としか言いようがありません。
いや、言うとケンカになるので思うしかありません。
過反復は、意外に多く耳にします。しかし、一種の異常な興奮状態を招くだけで、身に残るのは成果が伴っていない達成感のみ。
他の練習も混ぜながらやった方が新鮮味をもって質の高い練習できるのは、言うまでもありません。
ムキになって30回弾いても上手くいかなかった部分が、時間を空けて取り組んだら問題なく身に付いた経験は、筆者自身にもあります。
‣ 20. 一曲に時間を投下する気力の持ち方
「一曲に時間を投下する気力が持てない」という悩みもよく耳にします。
どうすればその気力を持てるのか。
答えはシンプルで、生活に余裕があればいいのです。
筆者も含め多くの方は、じっくりと腰を据えて落ち着いている時にしか、一つのことに集中できません。
例えば「時間」の余裕。
「昨日1時間しか寝れていないのに、来週までにあれとこれとそれの頼まれ仕事を終わらせなくては」
などというのを “自慢げに” 言う方がいますが、筆者からするとただ単に余裕が無さそうにうつります。
あらゆる生活要素や仕事に、自分の意思で自分のやり方で進められる部分をある程度残すと、作りたい時に時間の余裕と心の余裕を作りだすことができます。
毎日集中した練習することができ、毎日寝ることもでき、いろいろな締め切りに追われることも滅多になくなります。
‣ 21. 練習前にモヤモヤを全力あげて解決する
日々、何かしらのモヤモヤしていることを抱えていると思います。
その内容が音楽に関係しているかいないかに関わらず、解決してから練習へ向かうべき。
集中できるかどうかへ想像以上に関わってくるからです。
モヤモヤとは例えば:
・あそこへ電話しておかないといけないんだった
・午後の来客の準備がまだ済んでいない
・台風対策をしようと思ったもののまだしていない
などといった日常的なことに始まり、音楽面でも:
・簡単な分析すらしないで弾いている
・この曲、楽語を調べていないまま毎日弾いている
・そもそも、いつ頃作られた作品なのかすら知らないで弾いている
などといった、やろうやろうと思って先延ばしにしていること。
こういった部分を残したまま練習へ向かうと、頭の後ろのほうをガシッとつかまれているかのように常にモヤモヤを感じながら、ピアノへ向かうことになります。
原則、30分以内に解決できるモヤモヤであれば、解決してしまってから腰を据えて練習するのはどうでしょうか。
・薄々そうだろうと思っていた部分
・薄々気にしていたところ
こういったモヤモヤを解消することにも時間を使ってみましょう。
例えば:
・この部分は、一応弾けているけど内容がよく分かっていない気がしている
・この部分は、一応弾けているけど指遣いを再検討すべきだと感じている
・全体的に練習の仕方が雑な気がしている
などといったこと。
それって、極論、合わないピアノの先生との関係に辟易しながら話し合いもせずに通い続けている状態とほぼ同じ。
モヤモヤを残し続けておくと何が良くないのかというと、
何をしていても頭ん中の一部を奪われて、学習の質が下がるからです。
筆者は昔、ローンを組んでいたのですが、何をしていても頭の後ろ10cmくらいのところにローンというカタマリが居て、
「ローン!ローン!」と言ってきます。
筆者は心配症だからというのもありますが、あれ、ほんとうにダメなのです。
あるとき一括返済したら、スッカー!と驚くような開放感を感じました。
ローンまでいかなくても、小さなモヤモヤがたまりにたまると、絶対に集中力が奪われます。
小さなモヤモヤをクリーンナップしましょう。
学習している間に起きる「なぜ?」という疑問は大歓迎ですが、要らぬモヤモヤザワザワは一掃しないといけません。
‣ 22. なぜ、つまらない練習曲は使わない方がいいのか
無味乾燥の練習曲に取り組む機会は、できる限り減らしたいところです。
理由としては:
・十中八九、後のレパートリーにならないので、時間がもったいないから
・曲集を進めることに意識がいきがちで、中途半端の仕上がりで終わるから
・音楽的な作品から切り離さないと練習できないテクニックは、かなり少ないから
そして、つまらない練習曲を使わない方がいい一番の理由は、「たいてい、集中しないで練習することになるから」というもの。
集中しないで練習をしても、良くないクセがついたり結局テクニックが獲得出来なかったりと、ろくなことはありません。
特に中級レベル以上の方は、自身である程度のことを判断する力もついてきているはずです。
したがって、つまらない練習曲に時間を使いそうになった場合は、一度、代案も考えてみるといいでしょう。
► 終わりに
これらのテクニックを一つずつ試し、自分に合うやり方を見つけていくことが大切です。
集中した質の高い学習を目指してください。
関連記事として、効果的で継続可能な練習時間の管理方法についても、あわせて参考にしてください。
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