「ピアノ奏法の基礎」著 : ジョセフ・レヴィーン 訳 : 中村菊子 / 全音楽譜出版社
という書籍の中に、
以下のような解説があります。
(以下、抜粋)
シューマン「パピヨン 第12番 Op.2 ニ長調」
譜例(PD楽曲、Finaleで作成、曲頭)
シューマンの《パピヨン》の終曲の始めのフレーズは、
特に管楽器の音をまねて作曲してあるので、
そのような場合も、
固い手くびと、立った指でひかなければならない。
(抜粋終わり)
譜例のところでは、
管楽器の中でも
明らかに金管楽器のサウンドが聴こえてきますね。
ジョセフ・レヴィーンは
手先の使い方の視点で解説しているわけですが、
金管楽器の合奏のような雰囲気を出すための方法を
ペダリングの観点からも考えてみましょう。
(再掲)
「ペダルの現代技法―ピアノ・ペダルの研究」 著 : K.U.シュナーベル 訳 :青木 和子 / 音楽之友社
という書籍の中で
上記譜例部分のペダリングについて
解説されていますが、
和声が変わるところ以外は
すべて踏みっぱなしにすることが推奨されています。
もちろん、それでも成立はするのですが、
金管楽器の合奏のような雰囲気を出したい場合は
発音するごとに1回1回ペダルを踏み替えて
それも、
1回1回、和音と和音とのあいだに
わずかな音響のスキマをつくっていくと
雰囲気が出ます。
筆者は、オーケストラに自作品を演奏してもらった経験もありますが、
上記の譜例のような金管楽器用の楽譜を渡すと
ほぼ必ず、
ノンレガートで
音を完全にはつなげないで演奏されるんですよ。
もちろん、良い意味です。
ペダルを踏みっぱなしにしたときのような効果には
まずなりません。
「譜例のところでは、ほんとうに金管楽器アンサンブルを模しているのか」
というそもそもの問題がありますし、
また、ピアノという楽器で演奏するわけですから、
必ずしも本記事で解説したような弾き方をする必要はありません。
しかし、
もし仮に金管楽器の合奏のような雰囲気を出したい場合は
各音のデュレーション(音の長さ)に注意して
「和音と和音とのスキマ」に気をつかってみると
かなりイメージは近くなるでしょう。
◉ ピアノ奏法の基礎 著 : ジョセフ・レヴィーン 訳 : 中村菊子 / 全音楽譜出版社
◉ ペダルの現代技法―ピアノ・ペダルの研究 著 : K.U.シュナーベル 訳 :青木 和子 / 音楽之友社
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